Chinese | English

03-3510-1616 受付時間 9:00〜17:00(土日除く)

お問い合わせ 資料請求

 

春日電機株式会社

導入事例 | 春日電機株式会社 | mcframe

導入事例 | 春日電機株式会社 | mcframe

1万2千点におよぶ部品の適正在庫の把握、 MRP活用で購買手配を効率化し迅速な製品の納期回答を実現

  • 設計変更⇄生産管理連携
  • 納期回答早期化

事例ダイジェスト

駅のホームに設置されている発車ベル用押しボタンやクレーンのホイスト用押しボタン、太陽光発電システムのトランスや東京スカイツリーに設置されている端子台などの製造・販売を事業として展開する春日電機株式会社(以下、春日電機)。少量多品種生産のため、製品納期回答に時間がかかるほか、設計変更時に製品構成変更の作業負荷が大きいなどの課題を解決するために生産管理システムを刷新することを決定。MRPをはじめとする豊富な機能やタイ王国の製造拠点Siam Orient Electric社(以下、SOE社)への導入実績などを評価して、MCFrame CS 生産管理を採用した。

導入前の課題
  • 受注生産品の納期回答に時間がかかる
  • ExcelやAccessなどによる重複作業の増加
  • 設計変更時に製品構成変更の作業負荷が大きい
  • サポートが終了するWindows XPへの対応
導入後の効果
  • MRPの有効活用による購買手配の効率化
  • 営業からの問い合わせに対する納期回答の迅速化
  • パッケージ機能の有効活用による業務の効率化
  • 適正な調達により材料や部品の在庫を削減
導入のポイント
  • MRPをはじめとする豊富な機能
  • タイの製造拠点で稼働している実績
  • 社内一致団結し、全社一丸で導入に取り組む

導入事例インタビュー

導入のきっかけ-納期回答に時間がかかる生産管理システムの刷新を決定
春日電機株式会社様の端子台_a
春日電機株式会社様の端子台

春日電機株式会社様の端子台_b
春日電機株式会社様のペンダントスイッチ、動力用押釦

1945年3月に株式会社村上工具製作所として設立され、1951年9月に現在の社名に変更された春日電機。長年の経験で培った技術力を生かし、「端子台」や「押しボタンスイッチ」などを製造・販売する産業用電機部品の専業メーカーとして、顧客のニーズに対応し、環境にやさしい「ものづくり」の実践に取り組んでいる。

主力製品である押しボタンスイッチは、工業用クレーン市場で7割のシェアを占めるほか、駅の発車ベルなどに利用されている。生産・技術本部 製造部 辰野工場 工場長の樋口昌弘氏は、「歴史ある製品が多いのが特長。昨今、スイッチの電子化も進んでいますが、機械的なスイッチもまだまだ必要とされています」と語る。

大量生産の製品はSOE社で生産、辰野工場は少量多品種の生産工場で、自動化こそされていないが、1台からタイムリーにお客様のニーズに対応できるのが強み。多くの種類の部品を適正に在庫して、効率よく扱うことが求められる。

一方、端子台は、世界一の高さを誇る自立式電波塔である東京スカイツリーをライトアップする約2,000個のLED照明装置の電気設備部品として採用されるなど、今後さらなる事業の拡大が見込まれている分野。そのほか、太陽光発電システムに利用されるトランスや端子台、介護・福祉用の介護リフト用押しボタンなど、提供する製品は多岐にわたる。

最大の特長は、少量多品種生産であることで、製品件数は約5,000点(通常、在庫している管理在庫数)に上る。製品件数が多いことから、受注生産品の納期回答に時間がかかってしまうことが旧生産管理システムにおける最大の課題だった。また部品点数が1万2千点以上あり、設計変更があった場合に、製品構成を変更する作業の負荷が大きいことも解決すべき課題だった。

さらに部材の購買業務では、「部品手配カード」による、発注点発注での受発注処理を行っており、購買業務が生産管理システムとうまく連携されていなかった。このとき、Microsoft Excel/Accessなどによる重複作業の増加も課題の1つ。従来の生産管理システムが、サポートの終了するWindows XPまでにしか対応していないことも課題だった。

製造部 辰野工場 購買課 課長である稲垣貢氏は、「どの製品にどの部品が幾つ利用されているのかを容易に把握することができず、営業部から大口の受注があっても製品納期を即日回答することができませんでした。そこで、部品供給を見える化することが必要であり、生産管理システムを刷新することが必要でした」と話している。

導入の経緯-MRPなどの豊富な機能とタイ工場での実績でMCFrameを採用

生産・技術本部 製造部 辰野工場と工場長 樋口 昌弘 氏 製造部 辰野工場 生産管理課 課長 北原 智靖 氏
(左)生産・技術本部 製造部 辰野工場
工場長 樋口 昌弘 氏
(右)製造部 辰野工場 生産管理課
課長 北原 智靖 氏

製造部 辰野工場 製造課 課長 今福 猛 氏
製造部 辰野工場
製造課 課長
今福 猛 氏

生産管理システム刷新の目的は、業務の効率化、在庫の削減、納期回答の迅速化の大きく3つ。パッケージの機能を最大限に有効活用することで、業務を効率化し、適正な調達量による無駄な材料や部品在庫を削減するとともに、大口や特急品の受注問い合わせに対し、シミュレーションを活用した迅速な回答を実現することを目指している。

新しい生産管理システムは、2013年初めごろから検討を開始し、6月にMCFrameの採用を決定。2014年1月に本番稼働を実現している。導入作業は、MCFrameの導入で数多くの経験と実績があり、春日電機の辰野工場と同じ長野県に本社を置くキッセイコムテック株式会社(以下、キッセイコムテック)がサポートした。

MCFrame導入の最大のポイントは、約7カ月という短期間での導入を実現したことだ。そのために、MCFrameのカスタマイズを最小限にし、業務を標準機能に合わせることを徹底した。またカスタマイズに関しても、可能な作業は春日電機で行い、本当に必要なポイントのみをキッセイコムテックに依頼することで、開発フェーズを短縮している。

具体的には、まず2013年6月にプロジェクト準備段階として、MCFrameの操作研修会を2日間で実施。7月~9月の3カ月間で代表品目による運用検証を実施して、代表品目のパターンの洗い出しを行った。次にMCFrameのマスターを登録し、運用検証を行うことで、業務とシステムのギャップを明確化し、業務フローとカスタマイズ範囲を確定させた。

その後、10月~11月の2カ月間で、システム開発および総合テストを実施するとともに、並行してマスターの整備やデータの移行、運用の整備を行い、12月の運用検証および稼働判定を経て2014年1月に本番稼働した。短期導入を可能にした要因を製造部 辰野工場 生産管理課 生産管理グループ グループリーダーである福島克宏氏は、次のように語る。

「週に1度は社内で打ち合わせを行い、現状の課題を洗い出し、次の打ち合わせまでには解決することでスケジュール管理を行いました。MCFrameの基本機能と業務のギャップについては、どうすれば基本機能にあわせられるかを現場の担当者とともに検討し、だれが何をやるのかを明確にして、全社一丸で導入するという意識づけを徹底しました」

今回、MCFrameが採用されたのは、MRPによる部材調達が可能なことはもちろん、2010年にタイの製造拠点であるSOE社に導入された実績も理由の1つ。製造部 辰野工場 生産管理課 課長の北原智靖氏は、「将来的には、タイのSOE社と同じ仕組みで連携することも視野に入れてMCFrameの採用を決定しました」と話している。

 

導入の効果-MRPによる購買手配の効率化や迅速な納期回答を実現

製製造部 辰野工場 購買課 課長 稲垣 貢 氏と製造部 辰野工場 生産管理課 生産管理グループ グループリーダー 福島 克宏 氏
(左)製造部 辰野工場 購買課
課長 稲垣 貢 氏
(右)製造部 辰野工場 生産管理課
生産管理グループ
グループリーダー 福島 克宏 氏
営業部 カスタマーセンター センター長 大渕 明仁 氏
営業部 カスタマーセンター
センター長 大渕 明仁 氏

春日電機では、新しい生産管理システムにMCFrameを採用したことにより、MRPの有効活用による購買手配の効率化や営業担当者からの問い合わせに対する納期回答の迅速化、パッケージ機能の有効活用による業務の効率化、適正な調達による材料や部品の在庫の大幅な削減などの効果を実現している。

 MRPの有効活用による購買手配の効率化では、旧システムが発注手配カードによる手作業だったのに対し、MCFrameを採用したことでMRPによる発注予定の自動算出を実現し、購買手配業務の効率化を実現した。また営業担当者から問い合わされた納期回答にかかる時間の短縮について福島氏は、次のように語る。

「旧システムは、部品発注システムというイメージだったので、部品在庫がない場合に、次の部品がいつ納品されるかを確認するためのリードタイムが必要でした。そのため、迅速な納期回答ができない状況でした。MCFrameを導入したことで、部品在庫の引き当てが容易に把握できるので迅速な納期回答が可能になりました」

以前は、部品の在庫数が把握できないため、注文が入っても部品が足らず、製品を生産できないという状況があった。MCFrameを導入したことで、こうした状況は改善されている。北原氏は、「注文を受けて、営業に回答し、不足する部品は購買に依頼するという一連の業務プロセスを確立できたので、お客様からも高く評価されています」と語る。

さらに営業部カスタマーセンターセンター長の大渕明仁氏は「今までのシステムは製品を作るのに、この部品がはたして未引き当ての部品かわからず営業からの問い合わせに対して納期回答に戸惑っていましたが、部品の確認がシステム上すぐにできるようになったので、営業に対しての納期回答が迅速にできるようになりました。」と言う。

また、SOE社勤務後、製造部 辰野工場 製造課 課長である今福猛氏は、「以前は、製品を製造する時点で部品がないことが判明することがありました。MCFrameを導入したことで、前日までには部品の有無を確認できるようになっています。これによりスムーズな生産が可能になり、構成もシステムと連携されているので、原価管理の精度も向上しています」。

管理部経理課主任の清水幸彦氏は、「以前のシステムではデータを直ぐに取得することが出来なかったが、MCFrameを導入してからは、工場側でも、経理側でも取りたい情報を直ぐに取れるようになったので非常に便利になったと感じています。」と話す。

そのほか導入をサポートしたキッセイコムテックに対する評価について樋口氏は、「短期導入のための徹底したスケジュール管理やカスタマイズの支援など、無理なお願いも多かったのですが、常に的確なサポートを提供してもらえたことを高く評価しています」と話している。

 

今後の展望-タイ工場の連携などMCFrameのさらなる活用を推進

管理部 経理課 主任 清水 幸彦 氏
管理部 経理課
主任
清水 幸彦 氏

今後は、MCFrameのライン負荷機能を利用することで、製造計画の管理や平準化を推進していく計画。また部品の手配に関しては、MCFrameの発注点発注の機能に切り替えることを検討している。稲垣氏は、「部品の点数も多いのですが、そこから生産される製品の種類も多く、これまでにはなかった製品が急に受注されるなど、計画だけでは乗り切れないことが分かっており、MCFrameを生かした生産管理を目指しています」と話す。

また別システムで行っている原価管理を、将来的にMCFrame CS原価管理に移行することで、原価計算の精度をより一層向上し、製品ごとの利益を見える化する計画。販売管理システムも、現在は別システムで管理されているが、需給情報(生産・販売・在庫)の見える化により、需給バランスの取れた、スピーディな生産計画を実現し、販売物流業務の効率化を推進することを目指している。さらに、もし不具合の恐れがある製品が発見された場合に、より迅速に、ロットの特定と影響範囲が特定できるトレーサビリティの仕組みを実現することも検討している。

今後の展望を樋口氏は、「将来的にタイSOE社の製造拠点と辰野工場のMCFrameの連携を目指しています。これにより、SOE社の生産能力を見える化し、直接オーダーや部品の手配などを日本から操作できるようになれば、SOE社の平準化した生産活動を日本から支援出来ればと考えています。そのためにも、MCFrameは重要であり、今後もB-EN-Gやキッセイコムテックのサポートには期待しています」と話している。

 

パートナー紹介

キッセイコムテック株式会社

本プロジェクトは「パッケージ標準機能に業務を合わせ、早期稼働する」という目標のもとスタートいたしました。 短期導入を実現するため、代表的な製造パターンを実際に検証しながら課題検討する方法をご提案し、採用いただきました。 既存業務とのギャップは標準機能を活かした運用方法を柔軟に模索いただき、カスタマイズは社外向け帳票など必要最低限となりました。

プロジェクトメンバーの皆様には毎週社内で課題検討をいただき、通常業務がお忙しい中でのシステム導入作業は大変なご負担であったと思います。また、現場のご担当者様にも年末の休日を返上しての稼働準備、システム切り替えなど様々なご協力をいただきました。今回、パッケージに合わせ業務変革をしながらも7か月という短期間で導入を実現出来たのは、プロジェクトメンバーの皆様が改革への高い意識を共有しながら、常に能動的にプロジェクトを推進していただいたこと、そして全社一丸となって導入に取り組んでいただいた結果だと強く実感しております。この場をお借りして御礼申し上げます。

システムソリューション事業部 ソリューション営業部 佐藤 崇 氏

システムソリューション事業部
ソリューション営業部
佐藤 崇 氏

システムソリューション事業部 第2システムソリューション部 黒岩 俊太郎 氏

システムソリューション事業部
第2システムソリューション部
黒岩 俊太郎 氏

企業紹介

導入企業概要

「端子台」や「押しボタンスイッチ」やなどの産業用電機部品の専業メーカーとして1945年に創業した春日電機。70年にわたり培ってきた信頼と実績に基づき、省エネルギーおよび省スペースなどの環境に配慮した製品開発により、トップブランドとしてのさらなる進化を目指している。

商号 春日電機 株式会社
KASUGA ELECTRIC WORKS LTD.
創業 1945年3月
設立 2009年10月
資本金 3億円
従業員数 251名
事業内容 接続機器および盤用資材、開閉器およびスイッチ、電源・電子機器および計測器の製造・販売を事業として展開。

企業ウェブサイト

※本事例は2016年3月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。