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{{ group.name }} | 次世代のものづくり人材育成を 大分高専生向けに特別講義を開催 | {{ site_settings.logo_alt }}

作成者: 辻高 真由子|2025/04/17 4:31:50

高専生向けに製造業に関する特別講義を実施

B-EN-Gは、2025年2月18日に大分工業高等専門学校(学校HP:【Nit, OITA】大分工業高等専門学校)向けに、製造業に関する特別講義を開催いたしました。これまで多くの製造業のお客様にmcframeを提供してきた知見をもとに、機械工学科の4年生を対象として、製造業における「標準化」や「全体最適」をテーマに講義・グループワークを実施しました。

B-EN-Gからの特別講義開催の背景と思い

B-EN-Gでは、北九州高専が運営するものづくり企業の経営層をターゲットとした「DX・第4次産業革命 エグゼクティブ ビジネススクール」にてカリキュラム提供を行っています。
同スクールの大分高専 教授(尾形 公一郎 先生)から、同スクールの内容をアレンジして若い世代に製造業・経営の理解を深めてもらうことができないかというご相談を受け、次世代のものづくり人材育成を目的とした学生向けの講座を開設しました。2022年から実施がはじまり、今年で4回目の開催となります。

当日の様子

当日の講義はパートナーエコシステム部の山本 圭一と辻高 真由子が担当しました。製造業における「標準化」や「全体最適」をテーマに、講義・グループワークを組み合わせた授業を展開しました。

主な流れ

  1. 講義「製造業のキホン」:製造業の全体像と業務の流れの学習
  2. 講義「ERPの概要」:製造業の業務を統合的に管理するERPの学習
  3. グループワーク:過剰在庫の原因や対策案を討議
    全グループ発表後、発表内容に対する投票をおこない優秀なグループを表彰しました。

授業のタイムテーブル

製造業の全体像を学ぶ講義

「製造業のキホン」では、工場内でモノはどのように流れていくのか、各部門がどんな役割を担っているのか、など生産管理の基礎を解説しました。「ERPの概要」では、ERP(Enterprise Resource Planning)というソフトウェアがどのようにして複数の業務プロセスを統合的に管理するのかなど、基本機能や導入メリットを具体的な例を交えて紹介しました。講義を通して、製造業における部門横断的な情報共有の重要性を理解していただきました。

紙やタブレットでメモをとられている学生もいました

製造業経営を疑似体感できるグループワーク

学生のみなさんにはグループに分かれて、架空企業「大分製作所」の経営陣となり、過剰在庫の問題が起こっている状況を想定し、その原因と改善計画を検討していただきました。社長以下、営業部長や購買部長などの役割を担うメンバーが議論を進めるうちに、通常は見えにくい他部署との連携や、部門間での情報共有不足が在庫管理を難しくしていることに気づいていただきました。ERP導入による投資対効果を算出するグループもあれば、在庫の減少だけでなく、コスト削減や品質向上まで踏み込んだ改善策を提示するグループもあり、どのグループも積極的に意見を出し合っていたのが印象的です。

模造紙を使ってメンバーと発表内容を推敲しています

グループ発表では、部門横断的な在庫管理や受発注システムの標準化、さらには製造工程の見直しによる品質向上など、実際の現場でも通用しそうな解決策が数多く提案されました。また、講師陣のフィードバックで、実務的な視点を得ると同時に、コストや期間のバランスを考慮する重要性にも気づいていただきました。

過剰在庫の発生原因を部門ごとに掘り下げ、発表されました

 
 
 

開催後の感想

学生からの感想

「経営の仕方という、普段学ぶ機会が無いことを学ぶことが出来て、いい経験になった。」
「将来的に重要となる内容を学ぶことができて面白かったし、ためになった。」
「なかなか経営の話になると難しく感じることが多く、理解するのに時間がかかりますが、このようなグループワークを用いた説明をしていただくことで非常に分かりやすかったです。」
など、満足度が高かったことを伺えました。

アンケート結果 『グループワーク中心のカリキュラムについて』
※1(大変満足)~5(不満)

大分高専の教授 尾形先生からのコメント

毎回、講義内容をアップデートいただき、満足度もアップしていると感じております。学生のコメントから「経営」という言葉が複数出てきたことは良かったです。本授業は、単なる製造業の標準化と全体最適だけではなく、上の層から俯瞰的に組織や物事を見る視点を養うことができる意味のある体験だと思います。大分高等専門学校内のWebサイトにも本取り組みに関する記事を掲載しております。あわせてご覧ください。

まとめ

グループワークを中心としたことで、学生のみなさんに主体的に取り組んでいただきました。製造業は普段馴染みがなかったかもしれませんが、以前よりも身近に捉えられたらよいと思います。また、今回の授業をきっかけに製造業にまつわる仕事を面白いなと感じていただければさらに嬉しいです。
今回の取り組みは、若い世代に製造業を知っていただける貴重な機会になりました。今後も、社会一般向けの「製造業」や「モノがつくられていく過程」を身近に感じていただけるような教育活動を進め、日本のものづくりの共感者を増やしていきたいと感じています。