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{{ group.name }} | 第5回『製造業におけるBIを利用した情報活用』 | {{ site_settings.logo_alt }}

作成者: 小島 薫 氏|2013/11/08 7:10:00

第4回のコラムでは「ビッグデータ」とともに話題になっています「データサイエンティンスト」って何?を紹介させていただきました。今回は、製造業にフォーカスして製造業におけるBIを利用した情報活用をご紹介したいと思います。

BIというとどうしても小売、流通といったPOSなどの販売データの分析や業種に特化しない、会計データの活用といった事例が多いのですが、最近製造業における生産現場での情報活用が増えてきており、情報活用がさまざまな業務に普及しているようです。

これまでの製造業でのBI活用で多いのがERP上の業務データの活用です。ERP導入に伴い、せっかくERPを導入したのだからその中にあるデータを積極的に活用することで導入の効果や価値を最大限に引き出そうということでBI導入のきっかけになることが多いようです。

また、以前のシステムのデータをERP導入後も利用する場合、まずは外部にデータウェアハウスやデータマートを構築し、蓄積することで貴重な経営資源であるデータを新システムへの移行後も利用できるようにするということで、ERP導入前にBIを前提とした情報系システムを構築されるケースも少なくありません。また、必要な管理レポートを作成する代わりにBIを活用してシステム移行コストの削減と提供価値を上げるといった工夫や、監査時の原始(明細)データの抽出などにも活用されています。
製造業ならでは使い方としては、製造した物に万一不具合が発生した場合のトレーサビリティやリコール対応といったことにも利用されています。業務系は夜間のバッチ処理や、場合によっては時間外のサービス停止などの可能性がありますが、BIの場合には業務系からのデータ追加・更新処理を工夫することで、業務系システムと独立した柔軟性のある運用ができるため、一刻を争うデータ検索でも利用されています。

などの事例があります。

また、製造部門でのBI(Dr.Sum EA)の活用で、「ベテランの担当者に頼らざるを得なかった生産調整に関する決定が、データの視覚化によって誰もが客観的に判断できるように」、あるいは「工場の物理的な壁を越えた形でデータの視覚化が実現できたため、"ある製品の生産がひとつの工場では間に合っていない場合、ほかの工場でも生産をかける"などといった事業部全体での生産調整が可能に」といったように生産管理業務の一部としての利用や、RoHS(※)指令の有害物質検索での利用で、「製品ひとつで数千点の部品を使用しているので、手作業でRoHSに対応した適合証明書を作成するのは非常に困難でした。しかし、BI(Dr.Sum EA)を利用することで、数日かかっていた禁止物質のレポート作成が瞬時にできるようになりました」といった事例もあります。

※ RoHS(ローズ):電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU) による指令で、構成部材で鉛や水銀など6物質含有率を指定の数値以下にする必要がある。

やはりBIツールは万能薬であり、使い方でさまざまな価値を得ることができる可能性を持っているということだと思います。

また、最近では、生産現場で発生するデータをリアルタイムに活用することで、現場での業務改善に活かすといった製造業ならではのものも事例として公開させていただきました。この事例では、モバイル端末を利用したPOP(生産時点情報管理、Point of Production)により生産現場での進捗や不良発生情報入力が可能となり、そのデータをリアルタイムに可視化することができるようになりました。これまでの月次ベースでの実績報告が日次化され、PDCAサイクルの高速化を実現しています。

ヤマハ株式会社様事例事例PDFダウンロード

ヤマハ株式会社様事例動画

 

また、製造業では海外に販売や生産拠点を展開している企業も多くグローバルでの情報活用を行っている事例も増えてきています。
「6ヶ国にまたがるグローバルな販売管理分析システムを構築、時差を考慮した更新ルールで、世界を結ぶデータ運用を実現」といったようにBIツールを利用することでシステムのグローバル対応を実現している事例もあります。

今回は、製造業でのBIを利用した情報活用をご紹介させていただきましたが、次回は製造業で注目されていますM2M(Machine to Machine)などの機器やセンサーからのデータ活用や顧客の声の分析など最新のデータ活用をご紹介します。

※ ここでご紹介しています事例は、ウイングアーク株式会社の事例として公開しているものです。

第6回コラム『M2M(Machine to Machine)などの機器やセンサーのデータ活用』に続く