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BI編

第6回『M2M(Machine to Machine)などの機器やセンサーのデータ活用』

BI編

第5回のコラムでは製造業にフォーカスして製造業におけるBIを利用した情報活用を紹介させていただきました。今回は、製造業で注目されていますM2M(Machine to Machine)などの機器やセンサーのデータ活用といった最新のデータ活用をご紹介します。

これまで、情報活用というとERPなどの基幹系システムの会計業務や製造業では生産管理システムのデータや小売業ではPOSデータなどの販売データ等を対象としたものが一般的でした。そのほとんどの場合、人が介在しキーボードやバーコードリーダで入力されたデータを活用するというものです。こういったデータは取引量の増加などの自社のビジネスの成長とほぼ同じスピードで増加してきました。
一方で、人が直接介在せずに発生しているデータの活用も注目されています。その代表的なものがM2M(Machine to Machine)と呼ばれる機器が発生するデータの活用です。

これまでも、ホームページへのアクセスのログを利用したWebログ分析やデータベースやシステムへのアクセスログを利用した分析などは、それぞれのシステムやソフトウェアが発生するデータの活用ということでこれまでも行われていました。
例えば弊社の事例では、東建コーポレーション株式会社様が「年間2億件が蓄積される検索サイトのアクセスログ」をBIツールで分析しサービス向上に役立てています。
(URL: http://www.wingarc.com/product/usecase/detail.php?id=64  )
他のお客様ではBIツールのログを利用し、BIツールが現場で本当に活用されているかという現状分析を行い、その結果からさらに社内展開を促進したり、改善したりしています。
また、システムのアクセスログから不正なアクセスがなかったかどうかなどの内部統制や万一の場合のトレーサビリティに利用されている事例も少なくありません。

今回のテーマであるM2Mでは、一般のITシステムではなく製造機器やそれらに付けられたセンサーなどから発生している膨大なデータをビジネスに活用しようとの試みで、これまでそれらのデータは発生していてもまったく使われていなかったか、単に閾(しきい)値を設定して、その閾(しきい)値を超えたり、下回ったりした際に警報を鳴らすなどの利用に限定されていました。  最近話題となっているビッグデータの活用は、温度監視などの本来の目的に限定した利用ではなく、その大規模なデータを活用することで新たな価値を創造できるのではないかという大きな期待感から注目されています。BI編
例えば、機器に温度センサーが付いており、ある一定温度を超えるとファンが回り温度を一定に保つようにしており、それでも温度が上がり続けた場合には、さらにある一定温度を超えると故障として警報が上がるというような仕組みがあったとします。このような仕組みの例としては、自動車のエンジンがあります。
エンジンがある一定以上の温度になると自動的にラジエターのファンが回り温度を下げようとします。
それでも温度が下がらずさらにある一定以上の温度を超えると、ダッシュボード上のオーバーヒートのランプが点灯するようになっています。
この場合に、例えば温度の変化の傾向を分析することで、これまでの温度変化と異なる急激な温度変化を検知して、事前に故障の可能性を検知したりすることができれば、事前に整備工場で部品を交換したり、あるいは定期点検時に予めあらかじめ部品を交換するなどにより、突然外出先でのオーバーヒートやを起こしたり、高速道路での立ち往生したりすることを防ぐことができるようになります。
工場の機器の場合には、生産ライン全体に影響を及ぼし生産計画に遅れが生じてしまったり、場合によっては取引先に大きな影響を及ぼしてしまったりするかもしれません。
既に、この分野は予防保全や予知保全と呼ばれており、発電所などの大規模な設備で実際に行われています。事前に故障を予知し、故障の前に計画的に保守しておくことで、計画通りの確実な稼働を実現したり、あるいはいつ故障しても対応できるように保全のための補修部品の在庫を確保行っしていますが、事前に予知することで必要な部品の手配で済すむようになり、補修部品の在庫の削減などの効果が期待されています。

これらの機器のデータ活用の中で、自動車のデータ活用についてはテレマティクスと呼ばれており、既に多くの実証実験が進められています。
自動車の場合には、電子化と規格化が進んでおりOBD(On-board diagnostics)と呼ばれるインタフェースから燃費や加速度などのさまざまなデータを取得することができるようになっており、それらのデータから運転の仕方の分析レポートを作成したり、GPS情報と組み合わせて急ブレーキが多い場所を危険な場所として告知したりするなどの試みが行われています。
これらの大規模なデータ活用は従来の基幹システムのデータ活用と異なり。予めその活用の効果を想定することが難しく、試行錯誤的に分析し、検証していく必要があります。そのために、当初から大規模なIT投資を行うのではなく、実証実験的に試して実際のビジネスへの価値を見つけていくということが重要になります。

次回は、M2Mとはまったく異なる人が発生するデータの中で、活用が難しいと言われているコールセンターでの「顧客の声」やソーシャルのデータ活用についてご紹介したいと思います。

世界で戦う準備はあるか
小島 薫 氏
小島 薫 氏
ウイングアーク1st株式会社 執行役員CMO 営業本部 副担当役員 マーケティング担当
文系の大学を卒業後、製造業で入社1年目にシステム導入を担当。業務系、情報系のシステム構築を数々の失敗を乗り越えて実現。当時は、ユーザー事例として公開されるまでに。
その後、システムが天職と勘違いし、ITに。
ウイングアークに2004年に入社、技術本部、マーケティング部を経験し、現在ウイングアーク1st株式会社 執行役員CMO 営業本部 副担当役員 マーケティング担当。

http://www.wingarc.com/