※本コラムは2023年2月28日開催セミナー「安全文化醸成により労働災害を減らす方法とは」の内容を編集したものです。
VR-learningはVR技術を活用した臨場感ある現場教育コンテンツを簡単に自作できる現場作業トレーニング・システムです。このコラムではVR-learningの使い方、教材の作り方について解説します。
VR-learningの使い方をご紹介する前に、ここでは現在VR教材の主流となっている実写型とCG型の2つの違いについておさらいしておきましょう。ちなみにVR-learningは実写型のVR教材になります。
実写型VR教材の特長
CG型VR教材の特長
以上のように、実写型VRの大きな特長は「自分で」「自社の環境を使って」「オリジナルの教材を作成できる」ことにあります。このため、特に複数の教材が必要な場合などはメーカーや制作会社が作成したVR動画を購入しなければならないCG型よりもコストを低く押さえられることが多いです。
では、ここからは実際にVR-learningを使って教材を作成する手順をご紹介しましょう。
360°カメラを使い、自社の作業現場を撮影することで実際の設備、作業者、動作音などがそのまま収録できます。撮影時に説明を語ればナレーションとして収録することも可能です。
編集作業は撮影した映像の上にVR-learningのソフト上で文字・写真・設問などの説明部品を配置していくだけで、インタラクティブなVR教材が作成できます。文字の説明をつけたり、別の写真や動画を貼り付けるような形で補足説明を入れたりできます。一般的な動画編集と比べると機能はある程度限定されますが、その分覚える操作は少なく、簡単に編集できます。一度作成した教材でも現場状況の変化に応じて改訂も簡単です。
パソコンで編集した教材データは、閲覧用のVR機器やパソコンなどに配布することができます。閲覧機器があればネットワーク接続のない現場でも体験卜レーニングが可能です。現場の臨場感に加え、ハンドルーツで確認動作をしながら体験できるので、自然と身体で覚えるようになります。また、教育を運用しながら内容に検討を加えて編集していくことで、より良い教材へと「育てる」ことも可能です。
VR-learningは進化を続けているソリューションです。すでに50社以上に導入された実績がありますが、ユーザーの要望や時代の変化を先取りして常に機能を見直しています。
そのひとつに、学習結果を集計する機能を充実させ、単にCSVデータに変換してデータベースに集計するだけでなく、その実績を閲覧できるような情報ダッシュボードの開発などがあります。例えばある教材の受講件数が可視化できたり、その教材の得点数の分布がどうなっているのなどが表示できるような仕組みです。
今後、VRによる安全教育の普及が進むにつれて、VR-learningもより使いやすく、より学習効果のあるVR教材へと大きく成長していくことでしょう。