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アース製薬株式会社

導入事例 | アース製薬株式会社 | mcframe

導入事例 | アース製薬株式会社 | mcframe

海外展開とグループ経営の強化を目指しmcframeによる業務とデータの標準化・見える化を推進

  • リアルタイム情報の可視化
  • 業務の見える化
  • 帳票のペーパーレス化

導入製品

事例ダイジェスト

アース製薬は、メインフレームで稼働していた基幹業務システムをオープン化するにあたり、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の製造業向け生産・販売・原価管理パッケージ「mcframe」を導入した。
複数のERPシステムを比較検討した中、同社が運用してきたレベルの高い原価計算の仕組みと同等の機能を提供するなど、ビジネスプロセスにマッチする機能を備えていたことが導入の決め手になったという。

(右上写真)左から、アース製薬株式会社 管理本部情報システム部 染谷 英彦氏、丸山 公剛氏、門家 真一氏、澤田 博氏、梶 晃氏

導入前の課題
  • メインフレームからの移行に最適な製品が見つからない
  • 海外拠点の原価計算に時間がかかる
  • グループ子会社のIT再構築が必要だった
導入後の効果
  • 従来通りのレベルの高い原価管理業務が実現できた
  • 海外拠点の業務生産性・業務品質を大幅アップ、グローバル経営が強化された
  • グローバルレベルの原価の詳細な分析、最適化が可能になった
導入のポイント
「海外展開の強化」「グループシナジーの最大化」「収益力の向上」を重点テーマに中期経営計画を推進するアース製薬。mcframeによって、海外拠点・グループ企業の生産管理・原価管理のシステムを共通化、経営計画を下支えする仕組みを整えた。
導入パートナー
株式会社インテック

導入事例インタビュー

レベルの高い原価計算の仕組みを実現できたmcframe 日本の製造業にマッチする製品と評価する


大手日用品メーカーのアース製薬 海外展開強化とグループシナジー最大化に臨む
(左)アース製薬株式会社 管理本部 情報システム部 部長 梶 晃 氏 (右)アース製薬株式会社 管理本部 情報システム部 次長 門家 真一 氏
(左)アース製薬株式会社
管理本部 情報システム部 部長
梶 晃 氏
(右)アース製薬株式会社
管理本部 情報システム部 次長
門家 真一 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

1892年に創業したアース製薬株式会社(以下、アース製薬)は、大手日用品メーカーだ。家庭用殺虫剤市場において、市場シェア50%超を占める。

これまで“世にないものを創る”ことをモットーに、お客様の視点に立ち、「ごきぶりホイホイ」「アースノーマット」「アースレッド」などに代表される独創的なヒット製品・ロングセラー製品を開発・育成してきた。ほかにも洗口液「モンダミン」、入浴剤「バスロマン」、衣類用防虫剤「ピレパラアース」といった一般に馴染みのある有名ブランドのヒット商品を次々と市場に送り出している。2005年には大塚グループで初めて東京証券取引所市場への株式上場も果たした。

2012年に入浴剤メーカーの株式会社バスクリンを傘下に収め、2014年には防虫剤メーカー、株式会社白元の事業継承会社として白元アース株式会社を設立するなど、事業規模を拡大。同時に中国やタイなどのアジアを中心に積極的なグローバル展開も推進している。

2016年からスタートした5カ年の中期経営計画で同社が掲げる重点テーマは、「海外展開の強化」「グループシナジーの最大化」「収益力の向上」の3つ。このうち、海外展開の強化では、経営資源を積極投入し、特にアジア圏で市場性の高い殺虫剤に集中しながら現地のニーズに見合う品質とコストの実現を目指している。また、グループシナジーの最大化では、グループ内競合を廃止してグループトータルのマーケティングを遂行するとともに、製品の共同開発も進めるという。さらに、収益力の向上では、従来の成長重視から「成長+収益」へと方針転換、部門横断の収益改善プロジェクトを立ち上げて、業界共通の悩みとなっている返品制度の改革を推し進めている。

同時に、2017年から経営理念とコーポレートロゴを一新。経営理念を「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」とし、グローバル展開推進のため、ロゴをカタカナ表記「アース」から英語表記「EARTH」に変更した。ロゴデザインには経営理念を簡潔に英訳した「Act for Life」と、日本版の「地球をキモチいい家に」というスローガンを添え、浸透をはかる。

アース製薬の製品群
アース製薬の製品群

経営計画の実現を目指すIT戦略 “脱”メインフレームで業務パッケージ導入を決断
アース製薬株式会社 管理本部 情報システム部 システム管理課 課長補佐 澤田 博 氏
アース製薬株式会社
管理本部 情報システム部 システム管理課 課長補佐
澤田 博 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

事業変革期のさなかにあるアース製薬では、IT部門の役割も日増しに高まっている。

IT部門を統括する情報システム部 部長の梶 晃氏は、同社のIT戦略について次のように説明する。

「当社のIT戦略は、中期経営計画の実現を支援することにあります。海外展開の強化、グループシナジーの最大化、収益力の向上のいずれにおいても、IT部門の果たすべき役割は大きいと感じています」(梶氏)。

そんなIT戦略の一環として、アース製薬は長年使用してきた基幹業務システムの刷新を進めている。目指すところは、グローバル共通のIT 基盤の構築だ。その主眼の下、まずは、本社の基幹業務システムのITインフラをメインフレームからオープン系のシステムに切り替え、それと併せてERPパッケージの導入に踏み切った。

「ERPパッケージの導入は、当社としては初の試みでした。そのため、詳細な要件定義を行い、複数製品の比較検討を入念に実施しました」と梶氏は語り、こう続ける。

「会計システムに関しては、世界的なシェアを持つ海外製ERPパッケージに決まったものの、生産管理、販売物流、原価管理といった製造業に必須の業務システムについては当社の要件に合致する製品をなかなか見つけられずにいたのです」

基幹業務システム導入状況
基幹業務システム導入状況(2017年2月現在)


原価管理の仕組みを高評価 mcframeの採用に踏み切る
アース製薬 本社ビル
アース製薬 本社ビル

そうした中、独立系ITベンダー大手のインテックから提案されたのが、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)の「mcframe」だった。

「当社は、日用品業界各社とインテック社の共同出資によって発足したVAN(付加価値通信網)『プラネットEDIサービス』を利用していて、インテック社のことは以前から知っていました。そのインテック社が当社に営業をかけてきたのが、ちょうど我々が生産・販売・原価パッケージを探していたタイミングです。彼らに我々のニーズを話したところ、提案されたのがmcframeの導入でした」(梶氏)。

この提案を受けたアース製薬では、mcframeの仕組みや機能を詳細に評価・検討、導入を決めた。「採用の決め手は、このパッケージなら当社が長年利用してきた原価計算・原価管理のシステムに近い仕組みが実現できると判断したからです」と、情報システム部 次長 門家 真一氏は語り、こう続ける。

「当社の原価計算の仕組みは、緻密な計算によるコスト削減と高速な集計処理を約30年前から遂行してきました。その原価計算・原価管理が実現できる唯一のパッケージがmcframeだったのです」

集計から帳票出力までの期間を大幅に短縮 海外拠点を中心に目覚ましい効果
アース製薬 研究棟(兵庫県赤穂市)
アース製薬 研究棟(兵庫県赤穂市)

アース製薬がmcframeを最初に適用した仕組みは、2014年に構築した販売物流システムである。mcframeのテンプレートとして、消費財メーカー向けの「消費財テンプレート」が用意されていることを知り、導入に踏み切った。もちろん背景には、mcframeの原価管理の導入をすでに決めていたこともある。

「原価管理システムにmcframeを採用するなら、販売物流もそれに合わせたほうがよいと判断し、導入を進めました」(梶氏)。

その後、原価管理システムのmcframeへの移行検討を進めるにあたり、国内グループ会社の原価計算の仕組みが同一基準で計算されていない課題もクリアすることになり、アース製薬の原価管理システムの計算基準をベースとして、2016年1月に3社同時にmcframe原価管理を稼働させた。

「同時に検討を進めることで、短期間で効率よく導入することができました。また、仕組みの統一により、コスト比較が容易にできるようになりました」(梶氏)。

一方、現地で独自にシステムを構築・運用していた海外子会社でも、mcframeを導入しようという動きが同時並行で始まっていた。2016年には中国の上海と天津の拠点に導入、2017年1月からは中国・蘇州の拠点でも運用が始まった。その効果には目覚ましいものがあると門家氏は言う。

「日本では、メインフレームの時代から月末に締めて2営業日で財務諸表を出力するというスピード感で原価計算を行っていました。mcframe の導入後も、このスピードに変更はありません。ただ、中国の拠点では業務生産性が飛躍的に向上しています。中国の拠点ではかつて、毎月25日に締めて月末までに表計算ソフトでデータを集計、それから3営業日をかけて原価計算、財務会計処理を行い、さらに3営業日をかけて日本向けの財務諸表を作成していました。つまり、中国においては単月の原価をまとめ、日本の本社に報告するまで10日以上の日数を要していたわけです。それがmcframeの導入後は、日本と同じスピードで財務会計処理を終えられるようになったのです」(門家氏)。

さらに、情報システム部のシステム管理課 課長補佐、澤田 博氏は、次のようにmcframeの効果を話す。

「本社、グループ会社、そして海外拠点にこのパッケージを導入したことで全体の数字がリアルタイムに把握できるようになり、併せて、業務プロセスの見える化と標準化、ガバナンスが進展しています。とりわけ海外拠点ではこれまで業務プロセスが属人化され、不透明な部分が多くありました。しかし今日では、そうした属人化・不透明性が排除され、業務品質を高いレベルで保つことが可能になりました。加えて、帳票類のペーパーレス化が進んだことも、mcframeがもたらした効果です」

将来的には適用範囲を拡大 マスタデータベースの統合も視野に

アース製薬では現在、グループ全体のITインフラとネットワークを統合するプロジェクトも推し進めている。グローバル規模でサーバーの共通化を図ることが、その狙いだ。梶氏によれば、このプロジェクトの進展と合わせて、mcframeの適用範囲をさらに広げていくという。

「国内関連企業では販売物流や原価管理に続いて生産管理を導入し、マスタデータベースを統合化することも視野に入れています」(梶氏)。

ちなみに、インテックのデータセンターを活用したディザスタリカバリの仕組みもすでに用意できている。

「インテック社のサポートとmcframeの機能については一定の評価をしています。ただし、課題がないわけでもありません。mcframeで構築されたシステムは、当社のIT戦略を前にすすめるうえで重要な仕組みですので、今後も引き続きインテック社、B-EN-G社のサポートに期待をしています」(梶氏)。

グループシナジーの最大化と海外展開の強化に向けて、mcframeの適用範囲を着々と広げるアース製薬。海外拠点を含むグループ全体の基幹業務の可視化と標準化、効率化を下支えする仕組みなだけに、mcframeに対する期待は大きく、要求レベルも高い。そうした期待・要求に応えながら、mcframeはこれからもアース製薬のIT戦略を支えていく。

企業紹介

導入企業概要

1892年に創業した老舗の殺虫剤・日用品メーカー。国内市場シェア50%強の家庭用殺虫剤のほか、生活に密着した日用品を中心に事業を展開する。
近年は食品工場の製造ラインでの異物混入や汚染防止などのコンサルティングを行う総合環境衛生事業なども開始し、着実な成長を続けている。

商号 アース製薬株式会社
設立 1892年4月
資本金 33億7,760万円
従業員数 3,539名(連結・2016年6月30日現在)
事業内容 医薬品、医薬部外品、医療用具、家庭用品などの製造販売・輸出入

企業ウェブサイト

※本事例は2017年1月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。