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株式会社ジャムコ

導入事例 | 株式会社ジャムコ | mcframe

導入事例 | 株式会社ジャムコ | mcframe

見積原価の精度向上と原価積算のスピードアップで収益力の向上を目指す

  • 見積精度向上とスピードアップ
  • 類似形状検索
  • 属人化からの脱却

導入製品

事例ダイジェスト

航空機の内装品製造で優れた実績を誇る株式会社ジャムコ(以下、ジャムコ)。見積原価の精度および原価積算作業や固定費増大に課題を抱えていた同社では、ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)のmcframe PLMを採用することで、BOMや図面、原価の過去情報を容易に参照できる環境を構築。原価を意識した設計業務や購買を促進し、収益力を強化する取り組みを加速している。

導入前の課題
  • 見積原価精度と積算スピードの向上が必要
  • コスト検討、およびコストダウン施策実施の時間確保
  • 都度設計などによる固定費増大を抑制して収益性確保
導入後の効果
  • 実際原価を用いた見積精度と積算スピードの両立を実現
  • BOM作成後すぐに原価を把握でき、コスト意識醸成を促進
  • 出図L/T短縮により戦略的調達コストダウンを実現
  • 類似形状検索で、案件ごとの都度設計/新規部品設計の削減
  • 過去パーツ情報を活用し、標準化と原価低減を推進
キーワード

PLMと原価企画/類似形状検索/見積精度向上とスピードアップ/グローバル競争力の強化/設計者の原価意識醸成/ナレッジ共有/属人化からの脱却

導入支援
ビジネスエンジニアリング株式会社

導入事例インタビュー

過去の部品コストを容易に把握できる仕組みを実現
設計段階の原価見える化で、設計者のコスト意識を醸成


品質向上やコスト削減を含めたグローバルでの競争力強化が必要
株式会社ジャムコ 航空機内装品・機器事業本部 技術本部 技術業務計画グループ 次長 桜井 浩 氏
株式会社ジャムコ
航空機内装品・機器事業本部 技術本部
技術業務計画グループ 次長
桜井 浩 氏

ジャムコは長年にわたる実績や蓄積してきた技術はもちろん、航空機内装品をトータルに提案・提供できることが最大の強みだ。その高い品質や安定した納品管理の実績が評価され、現在ではギャレーで約40%、ラバトリーで約50%という世界トップシェアを獲得している。2016年には、ボーイング社から「2015年 サプライヤー・オブ・ザ・イヤー」のアライアンス賞を、エアバス社より「エアバスサプライヤー・サポート・レイティング2015 アワード」を受賞している。

現在では、グローバルで価格競争が激しくなってきたことから、同社でもさらなる変革が求められていた。航空機内装品・機器事業本部 技術本部 技術業務計画グループ 次長の桜井浩氏は、「海外の競合は大企業の傘下であることが多く、資本力を生かして価格競争を仕掛けてきます。そこで、さらなる品質向上はもちろん、コスト削減も含めた競争力の強化が必要でした」と語る。

その中で課題だったのは、正確な見積原価の算出である。特に航空機シート事業では、個別受注による製造という側面が強いため、過去に作成したパーツなどを流用することが難しく、案件ごとに毎回新規で一から図面を設計していた。しかし、その出図のタイミングが製造着手ぎりぎりとなるため、資材部門が仕入先と部材の価格交渉を行う時間を確保できないことが多かったという。また、毎回、新規図面が発生し、固定費が膨らむ要因にもなっていた。

そのため、「正確な見積もりもできず、また受注後に当初の想定よりも高い単価で部品を調達しなければならなくなって原価が高騰することもありました。このようなコストを削減するためにも、設計工程などの早い段階で図面やBOM、原価などの過去の情報を簡単に参照でき、原価の妥当性をチェックできる仕組みが必要でした」と桜井氏は話す。

原価積算作業のスピード化とコスト意識醸成を目指す

こうした仕組みを実現するためにジャムコが導入したのがmcframe PLMだ。桜井氏は、「mcframe PLMの設計段階から製品コストを見える化できる機能を評価しました。また、設計したパーツと似た形状のパーツを検索してその原価を参照できるため、見積積算のスピードアップにつながります。また過去に作成したパーツの再利用も容易になり、パーツの標準化も期待できます」と話している。

導入にあたっては、検索対象となる過去の3D CADデータの移行が必要になるため、2018年6月と2019年3月の二回に分けて実施し、2019年4月にシステムの稼働を開始させた。

mcframe PLMで構築したシステムは、ERPに登録されている実際原価情報とExcelで運用している標準原価情報を連携して、常に前日までの各パーツに関する最新の原価情報を把握できるようになっている。

「以前は、BOMの情報をExcelに書き出し、単価情報はERPから別途手作業で抽出し、図面に対する見積単価を入力して積み上げていくことで予算に対する原価を把握して いました。こうした業務では作業やナレッジの属人化が起こりやすく次世代への引継ぎがうまくできていませんでした。mcframe PLMを導入したことで、BOMの作成後すぐに各パーツの原価を容易に把握できるので、ナレッジの属人化も解消され、また設計部門におけるコスト意識の醸成も進んでいます」(桜井氏)

mcframe PLMと原価情報を連携させた仕組み(イメージ図)図
mcframe PLMと原価情報を連携させた仕組み(イメージ図)
資材部門から活用がスタート パーツを探す時間を短縮
株式会社ジャムコ 航空機内装品・機器事業本部 技術本部 技術業務計画グループ 係長 星野 和宏 氏
株式会社ジャムコ
航空機内装品・機器事業本部 技術本部
技術業務計画グループ 係長
星野 和宏 氏

また、類似形状検索が可能になったことも、mcframe PLMを導入した最大の効果の1つだ。3D CADで3Dモデルデータを作成すると、 XVL(eXtensible Virtual world description Language)形式に変換され、BOMが作成され、原価が集計されて、そのデータがmcframe PLMに蓄積される。これにより、類似した形状のパーツを、容易に検索でき、同時に原価などの設計情報も確認できるようになった。形状による検索はアセンブリー単位できることも大きなメリットだという。

航空機内装品・機器事業本部 技術本部 技術業務計画グループ 係長の星野和宏氏は、「過去のパーツの検索や検索したパーツの形状比較が簡単にできるので、パーツを探す時間の短縮とコスト集計の精度向上が実現できました。また以前は、CADソフトがなければ3Dモデルを参照できなかったのですが、XVLファイルは無償のビューワを使って参照できるため、設計以外の部門でも3Dデータが見られるようになったのも副次的なメリットです」と話す。

mcframe PLMを用いた原価管理は、まず資材部門がテスト的に使い始めた。桜井氏によれば、「類似形状検索で過去の単価が分かるのは有益だと高く評価しています。現在は、1つずつしか類似形状検索ができないのですが、今後はBOMツリーができたら、それに関わるすべてのパーツが類似形状検索され、単価もあわせて一覧表示できる仕組みを検討しています」と語る。

最後に桜井氏は、「今後、VRなどの最新技術を活用して、より早い段階でお客様に製品イメージを持ってもらい、早期に仕様を確定できる仕組みも実現したいと考えています。今後も製造業向けに生産管理や原価管理を提供しているB-EN-Gの知見や経験に期待しています」と話し、さらなる設計プロセスの最適化への意欲を示している。

企業紹介

導入企業概要

1955年9月に小型航空機の整備専門会社である伊藤忠航空整備株式会社として誕生。1988年6月に株式会社ジャムコに商号変更した。「技術のジャムコは、士魂の気概をもって」という経営理念に基づいて、航空機整備、航空機器製造、航空機内装品製造の3分野で事業を展開。2014年より航空機シート製造の分野に参入。現在、航空機の客室全体をプロデュースしている。

商号 株式会社ジャムコ
設立 1955年
従業員数 3,481名(連結)1,367名(単体)
事業内容 航空機内装品製造事業、航空機シート製造事業、航空機器製造事業、航空機整備事業の4つを事業として展開。

企業ウェブサイト

※本事例は2019年11月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。
※XVLはラティス・テクノロジー株式会社の登録商標または商標です。その他記載されている会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。