Chinese | English

03-3510-1616 受付時間 9:00〜17:00(土日除く)

お問い合わせ 資料請求

 

白鳥製薬株式会社

導入事例 | 白鳥製薬株式会社 | mcframe

導入事例 | 白鳥製薬株式会社 | mcframe

MCFrameと会計パッケージの連携で製造から会計までのデータを一元化

  • 多品種少ロット
  • 生産⇔会計連携
  • ペーパレス

事例ダイジェスト

「もっといい明日のために・・・」という理念に基づき、医薬品原料、中間体および機能性有機化合物の研究から製造までを展開する白鳥製薬。約30年使い続けた基幹システムの刷新を機に、中核技術として「MCFrame CS 生産管理/原価管理」を採用。業務フローを変革するとともに、標準原価計算の導入に向けたシステム基盤を実現した。

導入前の課題
  • 基幹システムが30年を経て老朽化
  • 少品種大量生産から多品種少量生産への変化に合わせた業務・システム再構築の必要性
  • 組別実際原価計算から製品別実際原価計算へのレベルアップによる個別採算の把握
  • 標準原価の導入による個別製品の収率改善
  • システム導入を軸としたBPRによる転記・チェック作業の廃止と管理業務の効率化
導入後の効果
  • データ入力および管理の一元化
  • 製造から会計までの業務効率化
  • システム管理の作業負荷軽減
導入のポイント
  • パッケージ標準機能の適用と社員の意識改革で短期導入を実現
導入パートナー
株式会社インテック

導入事例インタビュー

導入のきっかけ-ハードウェアの老朽化により生産管理システムに障害が発生
製品群
白鳥製薬株式会社様の製品群

白鳥製薬では、生産管理から販売管理、原価管理、さらに会計システムまでの基幹システムを、約30年前よりオフコンで運用してきた。この基幹システムは、導入から約30年間ブラッシュアップしながら利用できたことからも、導入当時としては革新的なシステムであった。しかし、時代とともに変化に短期間かつ柔軟に対応することが困難になってきたことや、新たな会社の経営戦略に合致する分析を行うことが必要なことから新しい基幹システムに刷新することを決定した。

新しい基幹システムで実現したかったのは、「標準原価計算の導入」と「業務フローのBPR」の大きく2つ。専務取締役である白鳥悟嗣氏は、「以前は少品種大量生産型の企業でした。しかし新興国の台頭による価格競争の激化により、現在では多品種少量生産型の企業に変革することが求められています。そのためには、個別採算の適時把握、および個別製品の収率改善が求められ、製造状況に即した、現実的な原価計算の導入が不可欠でした」と当時を振り返る。

また旧基幹システムは、業務の拡大にあわせて部門最適によりシステムを拡張してきたためにデータ連携が困難なほか、同じデータを複数のシステムで何度も入力しなければならないという課題も抱えていた。白鳥氏は、次のように語る。「計数業務が非効率的で、計数情報を適時把握することができませんでした。そこで多重入力の排除を目的に、既存の業務フローにあわせて基幹システムを構築するのではなく、業務パッケージにあわせて業務フローを見直す標準導入を目指しました」

新しい基幹システムの構築にあたり白鳥氏は、「社員1人ひとりの意見を聞き、社員自身が判断することで、"やらされ感"を出さないことを心がけました。ただし、すべての要望を聞くときりがありません。そこで、できることはできる、できないことはできないと伝えました。社内調整は、各部門長やパートナー企業ではなく経営層の役割です。経営トップが、できること、できないことを、その理由とともに責任を持って説明することで、社内のコンセンサスを得やすくなります」と話している。

導入の経緯-標準機能の適用により9カ月で導入
専務取締役 白鳥 悟嗣 氏、企画調査部 システム統括グループ グループリーダー 野村 栄二 氏
(左)専務取締役
白鳥 悟嗣 氏

(右)企画調査部 システム統括グループ
グループリーダー
野村 栄二 氏
千葉工場 購買業務グループ グループリーダー 相澤 文照 氏、経理部 係長 櫻木 伸治 氏
(左)千葉工場 購買業務グループ
グループリーダー 相澤 文照 氏

(右)経理部 係長 櫻木 伸治 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

基幹システムの構築にあたり、いくつかの提案を比較検討した結果、医薬品企業の導入実績が多く、MESやLIMS等の拡張性もあるMCFrameを提案するインテックの提案を採用した。白鳥氏は、「システム構築では、協力会社のプロジェクトマネジャー(PM)が非常に重要です。前職でもPMがシステム構築の成功、失敗の鍵になるということを経験しました。PMの人柄もインテックの提案を採用した理由のひとつでした」と話す。

基幹システム構築では、まずシステム化の目標を明確にし、パッケージの標準機能を業務に適用するという方針を決めた。白鳥氏は、「明確な軸があったので、ブレルことなく導入できました。またプロジェクトでは、"無理です"という言葉を禁句にし、"こうすればできます"という対案を考えるルールにしました。また"愛"を持ってプロジェクトを推進すべく、全社員からの公募で"絆プロジェクト"と命名し、一体感を求めました」と語る。

社員の意識を改革するためには、迅速な意思決定と責任の所在を明確にすることが重要だった。白鳥氏は、「トップとして覚悟とリーダーシップの発揮を心がけました。さらに社員みんなで取り組む一体感の醸成が重要でした。新しいシステムは次の100年につながるものにしたいと考えていたので、心が熱くなるようなプロジェクトを、社員とともに創る環境作りに努めました」と話している。

基幹システム構築プロジェクトは、2011年12月よりスタート。要件定義、開発、システムテスト、移行、教育などの作業を経て、2012年8月に、MCFrameの原価管理、生産管理、販売管理と会計システムを約9カ月という短期間で本番稼働した。また12月に人事・給与システムを、2013年2月に固定資産管理システムを順次本番稼働した。白鳥氏は、「MCFrameを9カ月で導入するのは、やり過ぎだったかもしれない。しかし全社員とインテックが一丸となりやり遂げることができた」と話す。

白鳥氏は、「プロジェクト中は、社員やインテックの担当者に厳しいことも言いましたが、常に本音で議論し、ときにケンカもしたのが短期間でプロジェクトを成功に導くことができた要因ではないでしょうか。また、キックオフ、要件定義が終わった後、本番稼働後の3回、懇親会を開催し、一体感が醸成できたことも、9カ月でプロジェクトを遂行できた理由のひとつだったと思っています」と話している。

導入の効果-製造から会計までのデータを一気通貫で処理

千葉工場 製造管理責任者 鳥山 和裕 氏
千葉工場 製造管理責任者
鳥山 和裕 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。
集合写真

新しい基幹システムにMCFrameを採用した効果を、システム統括グループ グループリーダーの野村栄二氏は、次のように語る。「以前はシステムが分断されており、データが参照しにくい状況でした。MCFrameを導入したことで、工場のデータを工場で参照できるのはもちろん、本社からも参照できます。MCFrameを使えば必要な情報を得られるので、これまでのように電話で相手に聞く手間も省け、お互いの業務が効率化できました」

白鳥氏は、「以前はデータを参照するためにシステム担当者に依頼して、数日から1週間程度待たなければなりませんでした。MCFrameを導入したことで、必要なときに、必要なデータを、簡単に参照できます。これにより意思決定のスピードも向上しています。逆にシステム担当者は、データ抽出作業の依頼が減ったことから、これまで以上に本業に集中できるようになりました」と話す。

またMCFrameを導入する前は、製造部門が作成した紙の伝票を、購買部門や営業部門、会計部門で重複して入力することが必要だった。MCFrameでは、製造部門で入力されたデータが一気通貫で会計システムまで連携される。千葉工場の購買業務グループ グループリーダーの相澤文照氏は、次のように語る。「購買部門に集中していたデータ入力が各部門に分散され、作業負荷が大幅に軽減されています。月の中旬までかかっていた締め処理が、5営業日程度で締められるようになりました」

白鳥氏は、「これまで製造部門では、伝票を書いて終わりでしたが、MCFrameを導入したことで、どんな作業が行われているかを把握できます。どんなものが製造され、どれだけ売れたかも見ることができます。まだ見ている人は少ないものの、啓蒙活動を続けることで、社員の意識向上が期待できます。これにより、業務の1つひとつが丁寧になり、情報共有が図られることは、経営面でもメリットがあります」と語る。

さらに経理業務における効果を経理部 係長の櫻木伸治氏は、「以前は、債務データをオフコンに入力し、同じ情報を会計システムにも入力しなければなりませんでした。現在は、MCFrameにデータを入力すると会計システムまで自動的にデータが連携されるので、業務を大幅に効率化できました。また以前は、月次決算が20日間程度かかっていましたが、MCFrameと会計システムが連携されたことで、10営業日で終わるようになりました」と話している。

今後の展望-標準原価計算やMRPの実現でもMCFrameに期待

今後の取り組みについて白鳥氏は、次のように語る。「MCFrameの導入で実現したい柱のひとつに標準原価計算の導入がありますが、標準単価を設定し、適切な原価を求める標準原価計算の実現はこれからの取り組みです。現在、仕切り値をいくらにし、どの金額で、どのように計算するかを検討しているところです」

また千葉工場の製造管理責任者の鳥山和裕氏は、「MCFrameの特長のひとつにMRPがありますが、計画業務のシステム化やマスター整備運用のレベルアップが必要になるため今回は導入しませんでした。今後、生産計画に基づいて、原料の発注量と発注時期を自動化するMRPの仕組みを導入すべく検討を続けていきたいと思っています。」と話します。

具体的なスケジュールとしては、2013年8月中に、まずは1品目で標準原価計算のシミュレーションを開始し、9月より標準原価計算で管理する品目を増やしていく計画。同じく9月以降で、MRPの導入準備を開始する。白鳥氏は、「まずはできるか、できないかを判断し、できると判断した場合、1年後の9月よりMRPを導入する予定です。こうした取り組みに向け、MCFrameやインテックには、今後も大きな期待を寄せています」と話している。

パートナー紹介

ビジネスソリューション事業本部 I-MCF事業部 I-MCFシステム部 課長 安室 篤男 氏
ビジネスソリューション事業本部
I-MCF事業部 I-MCFシステム部
課長 安室 篤男 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

白鳥製薬様はMCFrameに導入にあたり、少品種多量生産から多品種少量生産への移行という製造状況の変化に即した「原価計算の実現」と、30年間使ってきた旧システムを前提とした「システム業務フローのBPR」という明確な目標をお持ちでした。

システム化の目標が明確に絞り込まれていたので「標準導入」をご提案させていただいたのが最大のポイントです。今回、MCFrameをほとんどカスタマイズすることなく導入し、標準機能にあわせた業務の見直しを支援させていただきました。

これにより、わずか9カ月という短期間でMCFrameを導入することができました。また白鳥製薬の白鳥悟嗣専務に強力なリーダーシップを発揮していただいたことも、MCFrameの短期導入を成功させた要因のひとつでした。 経営トップの覚悟とリーダーシップ、そして白鳥製薬様とインテックの社員がみんなで取り組む一体感の醸成により、非常にやりがいのあるプロジェクトでした。

企業紹介

導入企業概要

本社社屋社
本社社屋

お茶の葉からカフェインを抽出する技術をもとに、1916年に創業した白鳥製薬。カフェインでは国内トップシェアを誇る。「人の健康と科学の美を、お客様との共創により、創出・創造し続ける企業」という企業方針に基づき、薬品、食品添加物、化成品、医薬中間体・化成品などの製造・販売を展開。2002年には、社団法人中小企業研究センター賞・地区表彰(現グッドカンパニー大賞・優秀企業賞)も受賞している。

商号 白鳥製薬株式会社
SHIRATORI PHARMACEUTICAL CO.,LTD
創業 1916年5月
設立 1948年4月
従業員数 150名
資本金 9,500万円
売上 50億円
事業内容 医薬品原体の製造、医薬品製剤の製造、各種化学品の製造、食品原料の製造、医薬品、各種中間体受託研究および製造を事業として展開。

企業ウェブサイト

※本事例は2013年10月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。