1971年創業以来、当社は順調に成長を遂げて参りましたが、今後のアジアメーカー等との競争激化に備え、2009年4月に経営基盤の強化に向けた「P25プロジェクト」を発足、重点項目として収益力の向上を掲げました。この取組みの成果を明確にするため、生産や販売機能の強化といった改善・改革活動を、全社共通で正しく評価する精緻な原価計算の仕組みが必要となり、「MCFrame 原価管理」の導入を決めました。
経営課題と導入成果 ~P25プロジェクトの目的である、経営基盤の強化に向けて~
全国6拠点(5工場と1製造課)へ、「MCFrame 原価管理」を短期間で導入展開
岐阜工場へパイロットとして導入した後、約半年間で国内5拠点へ横展開しました。生産数量が過去最高のレベルだったにも関わらず、異例のスピード作業により予定どおり展開を終了しました。全拠点において、原価管理システムは無事に稼動し、今は各拠点の原価を集約し、各拠点と本社をつないだ全社横断型の原価計算の仕組みを開発中です。
<システム概要図>
もともと、自社で開発するには工数がかかり過ぎるという理由で、完成されたパッケージの導入を前提としていました。パッケージ選択時の最大の理由は、材料の投入から完成品まで全工程を通して原価を積み上げられることでした。ポイントは、製造途中で月をまたぐ際、先月の仕掛り費用が今月の製造費用と合わせて計算できることです。また、オーダ単位の切り口に加え、さらにロット別でも個別の原価を正確に捉えられることも重要なポイントでした。(細川様)
配賦機能については当初、厳たる要件はなかったのですが、MCFrameでは何でもできそうだという印象がありました。導入が始まり、せっかくできるのであれば使ってみようということで、今では製造費用や間接費用を、部門ごとに重みづけし、かなり細かく配賦しています。そのため原価計算結果に対して言い訳ができないほど精緻な計算ができています。(田岡様)
MCFrame導入により、緻密な配賦設定と詳細レベルの原価計算が可能となり、原価の見える化が実現し、「責任会計」を強化することができました。工場長、製造部長、課長など、それぞれの役割と責任に基づいた切り口で結果を数値化できたことは大きな効果です。現在、全ての工場の原価計算結果は、国内の工場長に開示されており、互いの数字を見比べることで工場同士の競争意識も加わったようです。グローバルに展開する、マザー工場として、単にモノづくりをするだけでなく、カイゼン、改良を率先する必要があるなかで、MCFrameは、重要なツールです。(細川様)
まだ導入して間もないですが、原価の詳細が明確になったことにより、経営意識が着実に醸成されつつあります。例えば、オーダによって原価が異なっているなど、以前は見えていなかった事実が明らかになり、その理由を現場で分析しようという動きが出てきています。これまで工場ではコストセンターという意識が強かったのですが、原価の詳細が見えたことにより、プロフィットセンターとしての意識が高まり、現場の担当者自らがカイゼンに手をうつ姿勢になっています。将来的にはインベストメントセンターへの昇華を期待しています。(平岡様)
これまで、営業は営業言語、技術は技術言語、といったように、部門ごとに基準をおいた言語があり、複数の部門が集まると、話がまとまらないという問題がありました。MCFrameを導入後は、その計算結果を全社の共通評価基準とし、全員がこれに基づいて議論するようになりました。原価計算結果は揺るぎのない「事実」であるため、部門ごとの事情がどうであれ、その品目の原価はいくらで、利益はどのぐらいあるのか、そして収益を上げるためにはどうすればよいか、という共通の言語、目線で議論できるようになりました。(平岡様)
各拠点の製造原価計算を実現した今、MCFrame上で各工場と本社をつなぎ、全社横断型の原価計算で評価できる機能を追加開発しています。各工場の原価を集約し、販売システムと連携することで総原価を実現し、工場単体だけではなく、会社全体の経営ツールとして利用したいと考えています。また財務報告との一致を図り、財務会計との連携も進めています。まだ先の話になりますが、将来的には、グループ会社や海外拠点のオペレーションを統一し、MCFrame の横展開も視野にいれています。(平岡様)
品目や工程ごと、さらに細かいメッシュで原価を簡単に分析できるため、売上照会と品目別一覧は現場においてよく使われています。例えば、同じ中間品で外注加工と社内加工がある場合に原価を分析することで、取引先へコスト削減の協力を依頼することなどが可能となったようです。(田岡様)
設定レベルでメニュー画面や結果一覧を使い勝手よくすることが可能です。必要なメニューだけを表示させる、検索条件を登録しておけるなど、追加で開発せずに実現できるところが良いです。(田岡様)
「責任会計」を実現するため、原価計算結果の管理手法を共通化しています。現時点では、決まった担当者が計算結果をCSV(エクセル)出力し、二次加工したものを評価するようにしています。ただこれには課題もあります。複数の部門で類似した加工作業をしていたり、加工に多くの工数をかけていたりすることが多々あります。この加工作業は今後全社で共通化し、部門間で共有するなど効率化を図りたいと考えています。(平岡様)
パッケージを選定するときに、国産かどうかは考慮していませんでしたが、MCFrame はユーザインターフェースがきめ細かく作られていて、扱いやすいと感じています。海外パッケージはシンプルに作られておりカスタマイズが必要ですが、MCFrameは設定変更レベルで画面の仕様を変えられるなど、追加の開発が不要で助かっています。(細川様)
THKは、独創的な発想と独自の技術により、世界に先駆けて「直動システム」を開発しました。この直動システムは、メカトロニクス産業に不可欠な機械要素部品として今やあらゆる産業に使われています。 「直動システム」は、これまで困難といわれていた機械の直線運動部のころがり化を実現することで、高精度化、高速化、省力化、さらには、効率の向上により、省エネを考慮した装置設計を可能にしました。 THKは、「世にない新しいものを提案し、世に新しい風を吹き込み、豊かな社会作りに貢献する」との経営理念のもと、時代の動向をいち早く予見し、独自の技術とノウハウで未知の領域に挑戦いたします。
LMガイド
製品ページ
LMガイドは世界で初めて直線運動部の転がり化を実用化した当社の主力製品です。 機械の高精度化・高剛性化・省力化・高速化・長寿命化を実現します。
ボールねじ
製品ページ
ボールねじは、ねじ軸とナット間でボールが転がり運動をするため高い効率が得られる送りねじです。従来のすベりねじに比ベ駆動トルクが1/3以下になり、駆動モータの省電力化にも最適です。
ボールスプライン
製品ページ
ボールスプラインはころがり案内のスプライン軸受です。 軸に設けられた溝をボールが転がることで許容荷重がリニアブッシュより大きく、直線運動を行いながらトルク伝達もできる画期的な製品です。
所在地 | 141-8503 東京都品川区西五反田三丁目11番6号 |
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事業内容 | LMガイド、ボールスプライン、ボールねじ、LMガイドアクチュエータ等の機械要素部品の開発・製造・販売。 その他、精密XYステージやリニアモータアクチュエータをはじめとするメカトロ関連製品各種、リンクボール・ロッドエンドなどの自動車部品、戸建住宅から高層ビルまで対応可能なTHK免震システムの開発・製造・販売。 |
設立 | 昭和46年(1971年)4月10日 |
資本金 | 346億600万円( 2010年3月31日現在 ) |
販売・物流拠点 | 日本を中心として、米州、欧州、アジアの4極で販売網の拡充を図っています。 関連URL http://www.thk.com/jp/company/office/index.html 日本事業所・お問合せはこちら |
THKグループ | 日本全国各地、アジア、北アメリカ、南アメリカ、ヨーロッパ各地 http://www.thk.com/jp/company/summary/group/index.htm |
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