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チチヤス株式会社

導入事例 | チチヤス株式会社 | mcframe

導入事例 | チチヤス株式会社 | mcframe

3システムをmcframeで1つに統合
年間保守コストの半減、最適な在庫管理を実現

  • 在庫不足や欠品の防止
  • 業務の標準化による属人化の防止
  • マスタメンテナンス作業の負荷削減

導入製品



写真左から:
情報管理部 係長 金原正史氏、情報管理部 情報管理課 竹本隼氏、
情報管理部 藤原利亮氏、管理本部 情報管理部 部長 中村英規氏、
管理本部 取締役本部長 原本肇氏
※所属部署はシステム導入時点

事例ダイジェスト

チチヤスは、自社の生産管理システムにオフコン、ERPパッケージ、Accessによる独自開発システムの3つを用いて運用していたが、オフコンの保守が限界に近づいたことから、これらのシステムを1つに統合することを決定。ビジネスエンジニアリングの製造業向けパッケージ「mcframe」を導入し、短期間でシステムの統合を実現した。生産から製造、受注、出荷、請求までの業務管理をシステムで一元化したことで、保守コストの大幅な削減や業務効率化の成果をもたらしている。

導入前の課題
  • オフコンの運用保守が限界で、待ったなしの状況だった
  • ERPを導入したものの限定的な活用にとどまり、個別最適のシステムになっていた
  • 自社開発システムの属人化で業務の標準化が困難だった
導入後の効果
  • システム統合で年間保守コストを半分近く削減できた
  • 在庫数をリアルに把握できるようになり、在庫不足や欠品を防げるようになった
  • ロット管理の実現で、新人の社員でも出荷業務のピッキングができるようになった
導入のポイント

老朽化したシステムの刷新を目的に、mcframeの採用を決定したチチヤス。導入プロジェクトには、各部門の業務に精通した担当者に参加してもらい、なるべくカスタマイズを行わず、mcframeの標準機能による導入を心がけたことで、短期間でシステムの刷新を実現している。

導入事例インタビュー

キャッシュフロー経営における重要な指標の1つである在庫数をリアルタイムに把握できるように


新鮮な広島県産のミルクを使い最高の品質とおいしさをお届け
チチヤス株式会社 管理本部 取締役本部長 原本 肇 氏
チチヤス株式会社
管理本部 取締役本部長
原本 肇 氏

広島で生まれて130年。1886年の創業以来、新鮮な広島県産のミルクを使い、徹底した衛生管理のもとで、「最高の品質とおいしさをお届けする」ことを理念とするチチヤス株式会社(以下、チチヤス)。1917年には、日本で初めてヨーグルトを商品化した。2011年より、伊藤園グループの企業として、「安全・安心・おいしい」をコンセプトに、これからの100年も愛され続ける乳製品の研究開発・製造・販売に取り組んでいる。

2017年には、ヨーグルト発売から100周年の記念事業の一環として、広島県広島市西区商工センターの大型商業施設内に、チチヤスとして初となるアンテナショップ「CHICHI YASU」を出店。新たに開発したソフトクリームやヨーグルトを使ったフローズンドリンク、パフェなど、CHICHI YASUでしか食べられない各種スイーツを提供するほか、マスコットキャラクターである「チー坊」のグッズも販売している。

チチヤスでは、「人々の健康と幸せを願う」モノづくりの一環として、30年以上前からオフコンをメインに生産現場のシステム化を推進してきた。また約15年前には、基幹業務システムとしてERPを導入したほか、生産管理システムに関しては、Microsoft Accessを駆使して開発してきた。しかし、3つのシステムのメンテナンスを繰り返しながら利用し続けるのは、運用負担の観点からはもちろん、業務の面からもタイムリーな情報把握、ガバナンスなどのさまざまな課題を生んでいた。

管理本部 取締役本部長の原本肇氏は、「ERPを導入したものの、思ったように活用することができず、結局は一部の利用にとどまり、あとはオフコン頼りでした。オフコンは確かに便利で、独自に開発すれば何でもできてしまいます。その反面、各部門で部分最適のシステムができてしまい、業務の標準化が困難でした。システムの開発担当者しかメンテナンスできないなど属人化の問題もありました」と語る。

短期間での構築を重視 食品業界での実績も評価
(左)チチヤス株式会社 管理本部 情報管理部 部長 中村 英規 氏 (右)チチヤス株式会社 情報管理部 情報管理課 竹本 隼 氏
(左)チチヤス株式会社
管理本部 情報管理部 部長 中村 英規 氏
(右)チチヤス株式会社
情報管理部 情報管理課 竹本 隼 氏

こうした背景からチチヤスでは、3つのシステムを1つに統合するための検討を2014年より開始する。情報管理部 情報管理課の竹本隼氏は、「特にオフコンの保守が限界に近づいており、待ったなしの状況でした。もしオフコンが止まれば、すべての業務が止まってしまうので、短期間でのシステムの刷新が必要でした」と当時を振り返る。こうして機能面やコスト面も含め、いくつかの製品の比較検討を行った結果、横河ソリューションサービスが提案したmcframeの導入を決定した。

導入パートナーとして横河ソリューションサービスを選定した理由について原本氏は、「mcframeは、横河ソリューションサービスの提案で知りました。食品業界に、数多く導入された実績があることも採用のポイントの1つです。一方、横河ソリューションサービスも、食品業界での経験やノウハウを持っていたこと、提案内容がチチヤスの抱える課題の解消にフィットしていたことを評価しました」と語る。

ノンカスタマイズ、標準機能でmcframeの短期導入を実現

mcframeの導入プロジェクトは、2015年4月よりスタートした。導入プロジェクトは、各部門の業務に精通した担当者が参加するプロジェクトチームが推進。横河ソリューションサービスからサポートを受けながら、運用も含めた完成図を作成し、現在の業務とmcframeの機能をひもづけていき、そのときに発生する問題に対して、一つひとつ解決策を検討していった。こうした作業を繰り返し、まず、2016年1月から販売物流システムを並行稼働させ、2016年7月にmcframe生産・原価管理を含めたシステムを本番稼働した。

導入のポイントについて竹本氏は、「短期導入が必要だったので、なるべくカスタマイズを行わず、標準機能による導入を心がけました。そのために、標準機能を利用することの意味をプロジェクトメンバーに理解してもらいました」と話す。カスタマイズに関しては、取引先に送付する各種伝票や、取引先と受発注データをやり取りするためのEDI連携部分など、最小限にとどめている。

「生産系の伝票は、mcframeの標準出力伝票で対応可能でしたが、取引先に送付する伝票は、取り引き先の仕様に合わせることが必要だったのでカスタマイズが必要でした。また弊社の特徴として、1日あたりの受注件数が数千件~1万件とかなりの数になり、なおかつ受注頻度も高いため、EDIツールを利用して、バッチ処理でCSVデータをmcframeに取り込む機能をカスタマイズすることにより、EDI連携の自動化を実現しています」(竹本氏)

年間保守コストは約半分に マスタデータの管理負荷も軽減

mcframeを導入したことで、生産から製造まで、受注から出荷、請求までの業務が一気通貫されている。これまで、3つのシステムを保守してきたが、mcframeで1つに統合したことにより、保守コストの大幅な削減ができるという。管理本部 情報管理部 部長の中村英規氏は、「まだ本番稼働したばかりの状況ですが、それでも1年間で、保守コストを今の半分程度に削減することができる見込みです」と語る。

また、システム統合はマスタ管理の効率化にもつながっている。これまでは、3つのシステムが存在していたことで、それぞれのマスタデータをメンテナンスしなければならないうえ、それぞれが重複するマスタ情報を持っていたため、データの不整合も起きていたという。だが、mcframeを導入したことで、マスタデータが1つに統合され、マスタメンテナンス作業が効率化し、それに伴う作業負荷も低減。データの不整合も解消している。中村氏は、「生産から販売、会計までの業務を統合できたので、業務改善も期待できます」と話している。

 
システム関連図
システム関連図
導入した最大の効果は在庫の把握とロット管理の実現

mcframeを導入して、特に効果的だったのが在庫管理だ。オフコンで行っていた在庫管理では、受注担当者が、出荷伝票を見てはじめて在庫不足がわかるので、対応に時間がかかっていた。mcframeでは、在庫の払出と同時に在庫数が更新されるので、 今どれだけ在庫があるかをリアルタイムに把握できる。これにより、在庫不足や欠品を防ぐことができるようになった。

中村氏は、「在庫管理の部門では、在庫数を把握できなかったので、毎日棚卸をして現物をカウントしていましたが、その数字が正しいかどうかも判断できませんでした。mcframeを導入したことで、正確な在庫数がわかり、出荷ミスを防ぐことができます。ミスがあってもその日のうちに解決できるようになりました。このおかげで、受注担当者の残業がほとんどなくなったのもmcframeの導入効果の1つです」と話す。

mcframeでは、「どのロットがいくつある」という単位でロット管理が可能だ。mcframeの出荷許容期限マスタと連携することで、「どの取引先に、どのロットを出荷できるか」を容易に把握できる。原本氏は、「乳製品は賞味期限が短いので、受注してどれだけ迅速に出荷できるかが大きなポイントになります。遠方のお客様では受注してすぐに出荷しなければならない場合があり、在庫管理、日付ロット管理は特に重要でした」と語る。

熟練の担当者でなくても出荷作業が容易に

またmcframeでは、ロット単位で在庫を管理できるので、新人の社員でもピッキングができるようになった。竹本氏は、「特に午後の受注に関しては、発注元の締め時間と、出荷側の締め時間の関係で、受注5分後に出荷指示ということもあります。以前のピッキングリストには、出荷候補のロットが5つ表示されていたため、どのロットから出荷するかはピッキング担当者の目視確認と判断であり、経験が必要な業務でした」と話す。

そのほか営業担当者からは、「T2E」と呼ばれるツールが高く評価されている。これを用いてmcframeのデータベースと外部システムを連携することで、例えば売上速報を容易に作成することができる。竹本氏は、「以前は、営業担当者からの依頼で、オフコンから条件を設定して、データを抽出するためのプログラムを個別に作成していました。T2Eにより、データ抽出のルールが統一でき、無駄なプログラム開発が不要になりました」と話す。

中村氏は、「キャッシュフロー経営において、在庫数の管理は重要な指標の1つですが、オフコンのときには、当日の在庫数は、夜間バッチ処理を行った翌日にしか把握できませんでした。mcframeを導入したことで、在庫のコントロールができるようになり、在庫の動きが見えるようになったのは、とても大きなメリットでした」と話している。

未使用の機能やマスタの活用でmcframeのさらなる効果に期待

今後の取り組みについて竹本氏は、「mcframeの導入を検討していた当初から、業務を標準化することで、属人化を防ぐことが最優先の課題でした。最終的には、すべてのシステムを標準化し、シームレスに連携することで、人による作業を最小限にしたいと思っています。これにより、新人の社員が入ってきたときでも、人事異動があった場合でも、業務の継続性を高めることが期待できます」と話す。

また中村氏も次のように語る。「原価管理に関しては、mcframeの強みでもあるのですが、まだ十分に使いこなせていません。mcframeを1年半ほど運用し、一通り原価データも入力できたので、今後は原価差異分析など、経営分析にも活かしたいと思っています」

mcframe導入によって多くの効果をもたらしているが、チチヤスでは現場から、「mcframeには、まだできることがあるだろう」という声が上がっており、さらなる改善に意欲的だという。事実、短期導入を優先したため、最小限の機能で本番稼働しており、まだ使っていない機能や未登録のマスタもある。原本氏は「これらの機能を利用することでさらなる効果も期待できますので、そうした活用の提案はもちろん、今後、業界として受発注の方法が変更になったりした場合も、B-EN-Gや横河ソリューションサービスにサポートいただきたいです」と話している。

 

企業紹介

導入企業概要

1917年、日本で初めてヨーグルトを商品化。現在、牛乳および乳飲料の処理加工販売、ヨーグルトなどの発酵乳の製造販売、乳酸菌飲料・清涼飲料および洋生菓子の販売を事業として展開。1886年の創業から130年以上、「人々の健康と幸せを願う」モノづくりを推進。これからの100年も愛され続ける商品の提供を目指している。

商号 チチヤス株式会社
創業 1886年6月1日
資本金 1億円
従業員数 321名
事業内容 牛乳および乳飲料の処理加工販売、発酵乳の製造販売、乳酸菌飲料・清涼飲料および洋生菓子の販売を事業として展開。

企業ウェブサイト

※本事例は2018年3月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。