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株式会社河合楽器製作所

導入事例 | 株式会社河合楽器製作所 | mcframe

導入事例 | 株式会社河合楽器製作所 | mcframe

設計担当から生産担当まで容易に扱える操作性を評価
BOMや部品、図面など技術情報の統合管理基盤を構築

  • 設計製造BOM連携
  • 業務属人化の解消
  • 部品表の共通化

導入製品

事例ダイジェスト

ピアノおよび電子ピアノの製造を主軸に音楽関連事業を展開する河合楽器製作所では、部品表や設計図面、仕様書といった設計・製造間の業務円滑化に必須となる情報を効率的に管理するために、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のmcframe PLMを採用した。前述した各種情報を素早く得られる環境を実現するほか、将来的には、同社が並行して進めるmcframe生産管理・原価管理と連携し、設計から生産まで最適化された業務プロセスを実現するべく改革に取り組んでいる。

導入前の課題
  • 設計データを管理する旧システムは扱いづらく、業務は紙に出力した図面や部品表に依存していた
  • 生産現場からの問い合わせ対応で設計者の業務効率が低下していた
  • 設計者は同一仕様の品番が存在するにも関わらず新規品番を発番してしまい、品番重複問題が発生していた
導入後の効果
  • わかりやすい画面や操作性により、設計・生産双方で図面や部品の検索性が向上した
  • 生産現場からも設計図面を直接参照できるようになり、設計部門への問い合わせ数が大幅に減少した
  • 部品の標準化や共通化が進み、将来的にコスト低減を可能とするための基盤を確立した
導入のポイント

部品表や図面などの検索性が高く、設計部門だけでなく生産現場の担当者でも容易に扱えるシステムであることに注目。また、口頭による業務継承や属人的な慣習から脱却し、デジタルを軸とした業務の標準化を実現したいという狙いにも合致すると判断。

導入事例インタビュー

設計部門と生産部門の情報連携を促すPLMシステムで業務効率を向上


設計・生産双方に存在する非効率な業務を改善したい
(左)株式会社河合楽器製作所 ピアノ事業部 原価管理室 グループ長 野口 敦 氏 (右)株式会社河合楽器製作所 ピアノ事業部 原価管理室 システムグループ 廣岡 茂範 氏
(左)株式会社河合楽器製作所
ピアノ事業部 原価管理室 グループ長
野口 敦 氏
(右)株式会社河合楽器製作所
ピアノ事業部 原価管理室 システムグループ
廣岡 茂範 氏

河合楽器製作所は国内でピアノを製造している数少ない企業だ。創業時からの「ピアノは、一台一台に向かって丹念に魂を込めて作り込んでゆくもの」という精神が、脈々と今に受け継がれ、同社の竜洋工場では、熟練したクラフトマンたちによる匠の技により丹念なピアノづくりが追求されている。

一方で同社が長年の課題としていたのは、このピアノづくりの工程を支えるPLMシステムの刷新である。「一台のピアノは1万点近い部品から構成されており、少量多品種のピアノづくりに対応する中で部品や塗装、手順など、組み合わせは膨大な数となります」と語るのは、ピアノ事業部 原価管理室 グループ長の野口 敦氏だ。

同社は、AS400の旧システムに搭載された部品表(BOM)を利用していたが、そこには大きな課題があった。システムグループの廣岡 茂範氏は、「BOM上のデータは誰でも扱える形で管理されておらず、検索にもコツが必要なことから属人化していました。そのため、設計者は紙に出力された設計図面や仕様書を頼りに部品を探し出さなければならず、部品の共通化や流用が進みませんでした。部品を探す代わりに新規に設計してしまうなど、コスト増加の原因にもなっていました」と振り返る。

設計者と生産現場の間で情報が分断されていることも問題だった。上述した設計図面や仕様書はAS400とは異なるシステムによって設計者ごとに管理され、共有がなされていなかったことから、製造現場は事あるたびに設計者に詳細を問い合わせなければならず、都度作業を中断せざるを得なかった。設計者も問い合わせ対応のために業務の手を止めなければならず、双方の生産性が低下していたのである。

設計から生産まで業務プロセスをシステムで可視化できる仕組みを目指す
(左)株式会社河合楽器製作所 ピアノ事業部 原価管理室 システムグループ 主務 新妻 妙子 氏 (右)株式会社河合楽器製作所 ピアノ事業部 原価管理室 システムグループ 横井 聡 氏
(左)株式会社河合楽器製作所
ピアノ事業部 原価管理室 システムグループ 主務
新妻 妙子 氏
(右)株式会社河合楽器製作所
ピアノ事業部 原価管理室 システムグループ
横井 聡 氏

そこで同社が目指したのが設計から生産までのデータとプロセスを一元管理できるシステムの構築である。2017年12月に基盤としてmcframe PLMを導入した。

「BOMと設計図面が紐付けられ、必要な部品を3Dモデルで検索できる機能に注目しました。当時はちょうど3DCADを導入しようとしていたタイミングでもあり、今後のモノづくりの3D化に大きく役立つと期待しました」と野口氏。続けて廣岡氏も、「設計者はもとより生産現場の担当者にも簡単に扱える操作性の良さや、データ検索の快適なレスポンスが決め手となりました」と語る。

もっとも、こうした機能面のみで決定がなされたわけではない。同社にとって大きな投資になることから、導入に先立って業務プロセスの変革を念頭に置いてフィット&ギャップ分析を行い、導入効果が得られるかを徹底して検証した。

「新システムの導入を機に、口頭による業務継承や属人的な慣習に依存した業務フローから脱却したいと考えました。すべてのプロセスがシステム上で可視化され、アウトプットがデータとして記録される業務の標準化を目指し、設計、生産、購買、会計など複数の部門から関係者が集まり議論を重ねました」と野口氏は語る。

だが、同社の業務変革における“要”に位置づけられたmcframe PLMだからこそ、導入プロジェクトでもさまざまな困難に直面した。

システムグループの横井 聡氏は、「最も時間がかかったのは、設計者が文書管理システムを用いて個別に管理していたPDFの設計図面の移行です。また、mcframe PLM上で原価を正確に積算するために必要な条件フラグが旧システムのBOMには設定されていなかったため、これらのデータをいったんExcelに取り込み、必要な加工を施したうえで移行しなければなりませんでした」と振り返る。

このほかに時間を費やしたのが、mcframe PLM上にて塗料の量や原価を計算するためにアドオン開発したプログラムだ。システムグループ 主務の新妻 妙子氏も、「この塗料計算は専門性が高いことから業務が属人化していました。計算のロジックを理解するために担当者に何度も話を聞きながら、業務プロセスをシステムへと落とし込んでいきました」と振り返る。

図面を探す時間は体感で10分の1に 生産現場からの問い合わせ数も削減

mcframe PLMの導入から5年たった今、同社の情報共有および情報活用は大幅な前進を見せている。「新システムは検索性が高く、目的の図面を探す時間は、体感で10分の1くらいになり、生産現場から設計部門への問い合わせ数も減少しています」と野口氏。また、横井氏も「旧システムでは一部の担当者しかできなかったBOMへの登録作業も、設計担当者なら誰でも行えるようになりました」と語る。

これまで不十分であった部品の共通化も順次進めている。mcframe PLMでデータベース化したことで、同じ諸元(※)なのに異なる品番が付与されている部品を即座に見つけられるようになったことも効果の1つだ。

このほか、業務効率化に役立っているのがワークフロー機能である。設計情報などを更新する際の申請・承認ワークフローを紙の書類からシステムへ変更したことで、1カ月かかっていた回覧が数日で完了するようになったという副次的な効果も生まれている。

今後について野口氏は「コストの大半が設計段階で決まることから、コスト積算の仕組みを実現して、設計時のコスト意識を高めていきたい」と説明する。その他にも、生産管理・原価管理システムとの連携をさらに強化して、在庫や原価などの情報をリアルタイムにコスト積算に役立てたり、設計情報や部品情報をより使いやすい形で生産現場へ可視化して提供したりすることで、設計と生産がより緊密に連携しながらモノづくりに取り組める体制を目指している。

※諸元:製品やシステムが満たす必要のある要件や条件(=設計パラメータ)

企業紹介

導入企業概要

商号 株式会社河合楽器製作所
所在地 静岡県浜松市中区寺島町200番地
創業 1927年8月9日
資本金 71億2200万円
従業員数 連結 3,003名/単体 1,292名
事業内容 楽器の製造仕入並びに販売、音楽教室・体育教室の運営、金属加工品及び木工加工品の製造仕入並びに販売

企業ウェブサイト

※本事例は2023年4月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください