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株式会社キミカ

導入事例 | 株式会社キミカ | mcframe

導入事例 | 株式会社キミカ | mcframe

自社の強みにこだわりつつ
業務プロセスの変革に挑む

  • データの一元化・共有化
  • 業務の標準化・効率化・シンプル化

導入製品

事例ダイジェスト

アルギン酸メーカーとして世界トップシェアを誇る株式会社キミカ(以下、キミカ)は、さらなる成長を見据えて、グループウェアのクラウド化や新社屋の建設に続き、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のmcframe 7の導入による基幹システムの刷新を決断した。自社の強みや特徴を踏まえたシステム構築と業務プロセスの変革により、業務の効率化とシンプル化を図りつつ、これまで以上に顧客の要求にミスなく迅速に対応し、高度な品質保証を行うことが可能となった。

導入の効果
  • システムの一元化と業務の全体最適化・シンプル化により、業務効率・品質が向上
  • 商品情報のデータベース化や配合計算のシステム化により、顧客ニーズへの迅速な対応が可能に
  • 在庫管理のシステム化とハンディの活用により、在庫精度がほぼ100%に

導入事例インタビュー

アルギン酸で世界トップシェアを誇る
株式会社キミカ 取締役 執行役員 営業本部 本部長 笠原 善太郎氏
株式会社キミカ
取締役 執行役員
営業本部 本部長
笠原 善太郎 氏

キミカは、日本で初めて海藻の天然多糖類「アルギン酸」の工業的生産に成功し、以来、アルギン酸の世界的パイオニアとして、日本、チリ、中国でアルギン酸を生産、世界50カ国以上に高品質なアルギン酸を供給している。国内シェアは90%を超え、食品・医薬品グレードにおいては世界トップシェアを誇るグローバルニッチトップ企業だ。近年はSDGsの最高賞「ジャパン SDGs アワード」で特別賞を受賞し、SDGsのフロントランナーとしても注目されている。

アルギン酸はコンブやワカメなどの海藻を原料に生産され、食品・医薬品・化粧品・繊維加工など幅広い分野で活用される天然の食物繊維だ。例えば食品用途ではアイスクリームの口溶けやパンのふっくらで柔らかい食感、麺のコシやツルっとした舌触りなど、天然由来の安心・安全な食品 添加物でありながら、食品にさまざまな特性を与えることができるのが特徴だ。

キミカ 営業本部長の笠原善太郎氏は、「アルギン酸には、粘度・ゲル強度などの特性に応じていくつかの種類があり、その組み合わせによって多種多様な製品を作り出すことができます。お客様のニーズに応じて、アルギン酸をブレンドするノウハウがキミカの付加価値です。」と、同社の強みを語る。

またキミカは、ワンユーザー・ワンスペックで商品数が多く、かつ小ロットにもオンデマンドで対応するために在庫を多く持つことを競争力の源泉としており、海藻資源の豊富な南米チリの工場でアルギン酸を安定供給できることが、その戦略の要となっている。

 

ビジネスが成長するなか、システム化が急務に
株式会社キミカ 国際部マネジャー 武用 太郎 氏
株式会社キミカ
国際部マネージャー
武用 太郎 氏

mcframe導入前は、受発注管理、貿易管理、財務会計でシステムが分かれており、生産管理を含む残りの業務にはシステムがなく、EXCELや紙で業務を補完する運用だった。そのため、紙→EXCEL→システムなどの転記や二重入力、どこに何の情報があるのか探しづらいなど、効率的な業務やタイムリーな情報共有が困難な状態となっていた。

国際部 マネジャーの武用太郎氏は次のように語る。「入社直後の研修で出荷業務を見たときに、紙を使って出荷していることに衝撃を受けました。アルギン酸の世界トップメーカーが、紙で出荷をしているのはまずいだろうと。営業部門でもEXCELで情報を管理しており紙やEXCELで業務をしている状況を変えていく必要があると感じていました。」

新社屋の建設も同時並行で進み、さらなる成長を目指すなか、建物・設備・機器などのハードウェアだけでなく、業務プロセスやシステムなどのソフトウェアの刷新も急務となっていた。

 

新型コロナのパンデミックが転機に

そんな武用氏に転機が訪れる。新型コロナのパンデミックだ。「基幹システムの重要性を感じていたものの、月の半分は海外出張のため、導入をリードするのは難しいと考えていました。そんななかパンデミックにより海外出張できない日々に。今しかないと考えました。」(キミカ 武用氏)

前職でシステム導入に携わった経験のある武用氏は、営業の身でありながらシステム導入を起案した。もっとも武用氏には勝算もあった。「前職の経験から、システム導入において大変なのは反対派がいること、嫌がる人がいることとわかっていました。その点、キミカは風通しがよく、みな真摯で前向きだったので、大丈夫だろうと感じていました。仮にうまくいかなかったとしても謝ればいいわけですし。それよりもこの機会を活用しない手はないと考えました。」ブラジル育ちの武用氏のラテン気質は、新型コロナの逆風すらも追い風に変えた。

また、武用氏とともに起案を進めた笠原氏は次のようにも語る。「キミカの売上高は10年間で2倍のペースで成長しています。社員数や製品数、顧客数、出荷数が今後もさらに増え続けてゆくことを想定したとき、顧客の要求にミスなく迅速に対応し、高度な品質保証を行うためには、業務プロセスを抜本的に見直し、全社をひとつの基幹システムで一元管理することが必要という結論に至りました。」

笠原氏と武用氏が作成した企画は、全体最適の視点で社長も納得し、無事承認された。こうしてプロジェクトははじまった。

 

自社の強みと伸び代を考慮してRFPを作成

笠原氏と武用氏は、まずRFP(システム提案依頼書)の作成に着手した。RFPには、システム導入の目的として以下5項目が掲げられた。

① システムの全社一元化
受注から購買、生産、品質管理、品質保証、出荷までをひとつのシステムで一元管理することで転記や二重入力の手間を省き、リアルタイムな情報共有を可能とする。

② 商品情報のデータベース化
システム化によって商品情報をデータベース化し、リモートワーク先からの閲覧も可能とする。

③ 在庫管理のシステム化と合理化
在庫管理のシステム化により帳簿在庫と実在庫を一致させ、不良在庫を未然に防ぎ、棚卸の手間を削減する。

④ 原価精度の向上
原価管理の精度を向上させ、採算性を高める。

⑤ 業務プロセスの変革(BPR)
全体最適化という俯瞰的観点をもって業務プロセスを変革する。ただし現行の業務プロセスは、キミカならではの特殊事情をよく理解した人々が長い年月をかけて培ったもの。安易に一般論的なベストプラクティスを持ち込まない。

特に、商品情報のデータベース化と業務プロセスの変革の考え方に、キミカの特徴があらわれている。ワンユーザー・ワンスペックで商品数が多く、顧客ニーズにきめ細かく対応することを強みとするキミカでは、商品情報のデータベース化の優先度は高い。また、業務プロセスを変革するにしても、小ロットにもオンデマンドで対応するというキミカの強みは継承しなくてはらない。社内で知恵を出し合い、自社の強みと伸び代を考慮したRFPは満足の いく出来となった。

 

5社からの提案比較の結果、キッセイコムテック社提案のmcframe 7を採用

ベンダー選定は5社からの提案比較により行われ、キッセイコムテック社提案のmcframe 7が採用となった。笠原氏は選定理由を次のように語る。「グローバル展開に強みのある欧米系パッケージや経理に強いパッケージなどさまざまあるなか、導入目的と照らし合わせ、生産管理・原価管理に強いmcframe 7がキミカに合っていると考えました。また画面のデザインがよく使いやすそうなことや医薬品メーカーでも採用されているため医薬品グレードの運用でも問題なさそうなことも安心材料でした。」

また武用氏は、提案ベンダーのキッセイコムテック社について次のように評価する。「なかにはすぐに使えますといった営業トークをする企業もありましたが、前職の経験でそんなに簡単でないことはわかっていました。その点、キッセイコムテックさんは正直に受け答えをされており好感を持てました。」

 

システム導入もキミカらしい工夫を重ねる
キッセイコムテック株式会社 笠原 隆史氏 キッセイコムテック株式会社 三輪 知弘氏
(左)キッセイコムテック株式会社
ビジネスソリューション事業部
第2システムソリューション部
第1SSグループマネジャー
笠原 隆史 氏
(右)キッセイコムテック株式会社
ビジネスソリューション事業部
第2システムソリューション部
第1SSグループ
三輪 知弘 氏

システム導入においてもキミカらしい工夫を重ねた。プロジェクトオーナーを務めた笠原氏は次のように語る。「システムに独自の名称をつけると愛着が湧くとアドバイスを受け、“キミカフレーム”と命名しました。自分達でキミカの新たな『カタ』を作り上げていくという意味が込められています。社内のランチセミナーでプロジェクトを紹介したり、風通しよくコミュニケーションできるようにTeamsの運用ルールを決めたり、プロジェクトが円滑に進むように環境整備に努めました。」

導入ベンダーからみてキミカはどうだったのだろうか。導入を支援したキッセイコムテックのメンバーは次のように語る。

「資料のフッターに、“ 業務プロセスを変革しよう” “批判より提案を”のメッセージが入れられていることが印象的でした。他のお客様では『どうしたらいいですか?』と聞かれるところが、キミカ様では『こういう使い方はできますか?』といった形で、提案ベースでやり取りしてくださり、とてもやりやすかったです。また私達自身も提案ベースであろうと前向きな気持ちでいられました。システム導入ではさまざまな課題が出てきますが、前向きなカルチャーによりキミカ様内で自律的に解決が進んでいったことも非常にありがたかったです。」(キッセイコムテック 三輪氏)

「Teamsをとてもうまく活用されていたと思います。挨拶は省略、絵文字でリアクションなど、上下や社内外を問わずフランクにコミュニケーションできるようガイドラインを定めたり、すべてのドキュメントをTeamsに格納し共有を図ったり、円滑なプロジェクト運営に役立っていました。また、フェーズの節目でアンケートを行い改善に役立てる、本稼働前に前向きな発信をされるなど、プロジェクトのカルチャー醸成にもうまく活用されていました。」(キッセイコムテック 笠原氏)


 



『批判より提案を』のカルチャーが前向きな風を吹き込む
株式会社キミカ 製造部 ディレクター 久津見 知氏 株式会社キミカ 製造開発部 リーダー 早川 雄基氏
(左)株式会社キミカ
製造部 ディレクター
久津見 知 氏
(右)株式会社キミカ
製造開発部 リーダー
早川 雄基 氏

プロジェクト前半は大方針や大局を決めることができるリーダークラスを中心に進められたが、徐々に実務担当メンバーも参画していき、最終的にはほとんどの社員が関わった。

プロジェクトの中盤から参画した製造開発部 リーダーの早川雄基氏は次のように語る。

「大方針は、現行と大きく業務が変わることもあり、細部をみると『?』と思う部分もありました。正直に言うと批判的な気持ちになるときもありましたが、“批判より提案を”を心掛けることで、『こうすれば対処できるかな』など、大方針に沿って細部を詰めていくことができました。結果的に大方針から方向転換せずに本稼働に結び付けることができました。細部から考えていくと現状維持になりがちなので、大方針を決めてから細部を詰めるアプローチでよかったと感じています。」

キミカからみて導入ベンダーのキッセイコムテックの印象はどうだったのだろうか。キミカのメンバーは次のように語る。「現場の気持ちに寄り添い、嫌な顔をせず、キミカの要望を尊重してくれました。『こうすべきです』『これしかできません』と言われていたら考えなくなっていたかもしれません。」(キミカ 早川氏)

「経験豊富で、課題があれば翌週には解決策を提示いただけることに驚きました。『こうするとこういう問題が起きますよ』『こうすれば問題を防げますよ』とガイドくださりました。」(キミカ 久津見氏)

“批判より提案を”のカルチャーは、個々人の力を引き出し 随所に前向きな効果をもたらした。業務と並行してのシステム導入は負荷が高く、何かしら不満を抱えることが多いものだが、稼働後のアンケート結果では86%が導入プロセスを評価という驚異的な結果につながった。

 

強みはさらに強く、伸び代はパッケージや他社事例の力を借りて

基幹システムの導入は、キミカにどのような効果をもたらしたのだろうか。RFPで掲げた目的に対する現時点の到達点をまとめてみる。

①システムの全社一元化
従来は受発注・貿易・会計でシステムが分かれており、その他の業務は、EXCELや紙で業務を補完していたが、受注~購買~生産~品質管理~品質保証~出荷~会計連携までがシステムで一元化され、転記や二重入力の手間が削減、リアルタイムな情報共有が可能となった。武用氏は「受注、請求、入金消込、出荷状況など、人に聞かなくてもシステムをみればわかる状態になりました。」と語る。生産 計画や製造記録で一部紙やEXCELも残っているが、どこまでシステム化するのが妥当か業務効率や投資対効果をみて今後判断していくようだ。

②商品情報のデータベース化
従来は紙で回覧し、変更時は古いものを回収するといった運用だった。今回、商品の登録や変更、開発依頼などをワークフロー化し、各部門で配合や包装規格、品質規格、コスト、売価などを入力・回覧してマスタを自動生成する仕組みを実装した。データベース化により、いつでもどこでも最新の商品情報にアクセス可能となった。

③在庫管理のシステム化と合理化
従来は、紙で記録した結果をEXCELとシステムに入力する運用だったため、数値にズレが生じることもあった。mcframe導入後はハンディで読み込むだけで入出庫の実績を登録できるため入力作業が大幅に効率化し、在庫精度もほぼ100%となった。「入力作業が大幅に効率化したこと、リアルタイムに情報とモノが一致するようになった効果は非常に大きい。棚卸時間も大幅に削減した。」(キミカ 久津見氏)と満足げだ。また、導入を担当したキッセイコムテックの三輪氏は、工夫した点について以下のように語る。「帳簿と実在庫が一致しないことが悩みとわかっていたので、在庫を正確に捉えることを目的に、ハンディの利用だけでなく、倉庫→工程への移動と工程での消費の2ポイントで実績把握することとしました。またSIM対応のハンディを提案し無線LANを敷設せずに構内どこでもハンディを使える環境をつくりました。高齢の作業者も使いやすいようUIも工夫しました。」


④原価精度の向上
キミカでは再投入によるループも発生するが、mcframeの導入により、精緻な実績情報をもとに製品別の実際原価と 利益を把握することが可能となった。情報を蓄積することで、価格設定や管理会計などに応用していく考えだ。

⑤業務プロセスの変革(BPR)
業務プロセスの変革は以下のように分類できるが、キミカではどのようにアプローチしたのだろうか。



キッセイコムテック株式会社 松村 崇司 氏
キッセイコムテック株式会社
ビジネスソリューション事業部
第2システムソリューション部
第1SSグループ エキスパート
松村 崇司 氏

キミカでは、Aの領域として商品情報のデータベース化を掲げていたが、要件定義を進めるなかで製造指示時の配合計算も該当することが明らかとなった。

キッセイコムテックの松村氏は次のように語る。「キミカ様では原料ロットの複数の物性値をみながら、どの製品にどの原料を使用するかを決めるという、とても高度な業務をされていました。ワンユーザー・ワンスペックで、小ロットにもオンデマンドで対応するという強みを形成している要素ではありますが、EXCELベースでの負荷の高い業務となっていたため、システムから提案できるよう、システム設計を進めました。」

キミカの久津見氏は、「製造指示毎にEXCELで行っていた煩雑な作業が、システム化された効果がまず大きいです。そのうえで、配合をシステムで提案できる仕組みとなり、大幅に効率が向上しました。属人的な経験値を形式知化しシステムに落とすことで、多くの人がノウハウを理解し、業務ができるようになります。まだ伸び代のある状態ですが、マスタ設定を追い込むことで精度を上げ、熟成させていきます。」と語る。キミカの武用氏はキッセイコムテックに対して次のように評価する。「商品情報のデータベース化やワークフロー管理、配合提案など、それぞれキミカ独自の業務だったため、正直なところ、すべてをmcframeで実現するのは難しいと考えていました。対応してくれたキッセイコムテックさんの熱意と技術力に大変感心しています。」

品質管理業務においてもロットトレースや検査成績書の作成、検査結果のデータ解析など、データ化や効率化が求められる課題があった。品質管理部 リーダーの大塚沙穂子氏は次のように語る。「製品数が多いので検査スペックのマスタ化は大変でしたが、早期から一丸となって準備を進めて対処しました。検査結果をデータとして蓄積して解析に活用できるようになったことや検査成績書をシステムから出力できるようになったことが大きいです。スペックから外れていたときや検査結果に疑問を感じたときにはロットトレース機能も役立っています。前回はどのロットで作ったのか、そのときはどんな品質だったのかを簡単に調べられるので原因調査がしやすいです。データを蓄積して傾向を掴めば、生産性を高めるヒントも得られます。」

株式会社キミカ 品質管理部 リーダー 大塚 沙穂子 氏
株式会社キミカ
品質管理部
リーダー
大塚 沙穂子 氏

Cの領域には、在庫管理のシステム化・合理化や原価管理精度の向上などがあげられるが、上述のようにmcframeを活用した業務プロセスに改めることで、効率化・高度化を実現した。伝票・帳票類のフォーマットを統一したことも業務の標準化・効率化に寄与した。

武用氏は、「今まで通りのプロセスをそのままシステム化するのは避けたかった。しかし、従来の製品ラベルには、先人の思い入れやこだわりが詰まっていたので、標準化には賛否両論ありました。ただ、業務が煩雑化する要因にもなっていたため、丁寧に説明して標準化を進めていきました。

検査成績書も、1件1件のお客様と対話を重ねて理解を得てフォーマットを統一しました。社内でも社外でも、丁寧にコミュニケーションすれば理解は得られるのです。」と語る。困難よりも良心が勝る、どうしたらみんなが楽になるのか。そういった考えや思いが原動力となっていた。

Fit to Standardやベストプラクティスの名のもとに、多額の費用をかけて自社の強みを削ぎ、一般的な業務のみをシステム化するという結果に陥ることもあるが、キミカでは強みはさらに強く、伸び代はパッケージや他社事例の力を借りてという、ねらい通りのシステム導入をすることができた。
稼働後のアンケート結果でも、83%がシステム機能に満足し、66%が会社全体の業務効率が向上したとの評価となった。今後さらに習熟と改善を重ねることで、業務効率を向上させていく考えだ。



 

今後の展望

キミカの笠原氏と武用氏はシステム導入を次のように振り返る。

「稼働開始直後は一定の非難や混乱が起きることは避けられないと想像していましたが、大きな非難・混乱はありませんでした。社員やベンダーさんに恵まれたと思います。RFPに掲げた目標も概ね達成し、導入としては100点、活用としては伸び代への期待を込めて70点の評価をあげられると思います。」(キミカ 笠原氏)

「データは創造より消費が上回るとだんだんとプアーな結果になるものですが、キミカではデータが蓄積する基盤が整った状態です。これからデータが蓄積することで、さらに効果を上げていきたいと考えています。」(キミカ 武用氏)

また、今後の展望について武用氏は次のように語る。「システム化により、マスタ設定などある意味、面倒な作業も増えました。たとえ1回だけの製造でもマスタ設定をやらなければならない。でもそれは当たり前で、1度登録したら次は簡単で確実、マスタ設定も慣れると早くできるようになります。では、効率化により減った時間をどうするのか。お客様はアルギン酸によるソリューションを求めています。品質のよいものを製造し続けることも大事ですが、イノベーションが必要です。生まれた時間で新しいものを研究して、新しいものを開発して、新しいものを作って、新しいことをやっていく必要があります。そうでないとモチベーションもだんだんと失われていきます。Innovation or Die、イノベーションこそ重要だと考えています。」

歴史と伝統のある企業ながらも進取の精神に溢れる小さな巨人は、さらなる成長と革新を求めていく考えだ。






執筆:吉原一記(B-EN-G)

 

企業紹介

導入企業概要

商号 株式会社キミカ
創業 1941年
資本金 1億円
従業員数 173名
事業内容 アルギン酸、キトサンなどのマリンバイオポリマーならびにその応用製品の製造販売

企業ウェブサイト

※本事例及び発言者の部署、肩書は2024年3月取材時点の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。