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日産化学株式会社

導入事例 | 日産化学株式会社 | mcframe

導入事例 | 日産化学株式会社 | mcframe

独自の手法による製品別の実際原価計算・損益管理・損益分岐点管理などを実現

  • 実際原価運用
  • 製品別損益管理
  • 工場別損益

事例ダイジェスト

多種多様な製品の採算性をより詳細に把握するため中断していた実際原価管理の再開・強化を決断

日本初の化学肥料メーカーとして1887年(明治20年)に創業した日産化学株式会社様は、高度な技術力・研究開発力を生かして事業領域の拡大を積極的に進めてきました。現在は、微粒子制御および機能性高分子設計を基盤技術とする機能性材料事業(電子・無機・有機)、精密有機合成および生物評価を基盤技術に農薬や医薬の開発・製造・販売を手がけるライフサイエンス事業、基礎化学品・ファインケミカル・ファインテック・健康食品と幅広いジャンルをカバーする化学品事業の3つを柱として、優れた製品とサービスを国内外に提供しています。

同社では、2002年に構築した「SAP ERP」による基幹システムで行っている標準原価をもとにした損益管理に加えて、実際原価計算による製品別損益管理も実現すべく、原価管理システムの追加導入を検討し、「MCFrame」を採用しました。

導入背景

日産化学株式会社様ではかつて標準原価・実際原価の両方を計算し、その結果をもとに製品別損益管理を行っていましたが、グループ企業も含めた基幹システムの全体最適を図るためのSAP導入を機に、グループ全体で最新の損益情報をスピーディに共有化することを重視し、システムに負荷のかかる実際原価計算の機能はあえて実装しませんでした。

新しい基幹システムは狙い通りの成果をあげ、損益情報の速報性と共有化に関して社内の評価も上々でした。しかし一方で、経営上の判断に不可欠なコスト構造や利益構造の詳細情報が十分に得られないという課題も明白になっていきました。「経営層の間で、従来のように原価差異や製品別損益を把握できる仕組みが必要だという声が高まり、さらには『製品別の損益分岐点も把握したい』という要望にもつながっていきました」と、財務部部長 兼 情報システム室長の吉田洋憲様は説明します。

こうした気運を受けて、2010年4月からスタートした中期経営計画「Vista2015」において、財務部では「管理会計の抜本的改善」を目標の1つに掲げ、配下にある情報システム室とともに新システムの導入に取り組むこととしました。

導入前の課題
  • 標準原価計算のみで実際原価計算ができていない
  • 製品別の損益管理が十分にできていない
導入後の効果
  • 会社全体のコストを適正配賦した独自の製品別原価計算を実施
  • 実際原価ベースによる製品別・工場別などの損益管理・損益分岐点管理が可能に
  • 複数回の演算処理も短時間で完了
導入のポイント
  • MCFrameで原価管理を大幅強化し、基幹システムとの連携による新たな管理会計制度を確立
  • 独自の手法による製品別の実際原価計算・損益管理・損益分岐点管理などを実現

導入概要

「MCFrame」はキヤノンITソリューションズ株式会社(以下キヤノンITソリューションズ)から提案を受け、もう1社のパッケージ製品と比較検討したうえで採用を決定。「システム上の計算についてはどちらのパッケージ製品もできましたが、やはり標準機能の中で導入したいという思いと、キヤノンITソリューションズのコンサルタントの方の熱意にも惹かれ、採用を決めました」と、財務部 主査の若崎広海様は振り返ります。導入プロジェクトは、財務部と情報システム室を中心に、エンドユーザーとなる各事業部および工場からもメンバーを集め、2012年初めから本格始動しました。

約3カ月で要件定義を行い、さらに約3カ月で開発を終え、7~8月にはキヤノンITソリューションズのコンサルタントが常駐してシステムテストを実施し、エラーチェックや修正、アドオンの開発などに取り組み、ほぼ計画の通り9月には構築を完了して、準備万端で翌10月から運用を開始しました。

導入事例インタビュー

MCFrame選定理由-高度なニーズに応える的確なソリューション提案を評価 標準機能のカバー範囲の広さにも魅力
財務部 部長兼情報システム室長 吉田洋憲氏、財務部 主査 若崎広海氏
(左)財務部 部長 兼 情報システム室長
吉田 洋憲 氏
(右)財務部 主査 若崎 広海 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

日産化学株式会社様では、SAP導入以前に行っていた原価計算・製品別損益管理と同様の仕組みを求めていたわけではなく、よりきめ細かな管理・分析が行える独特の考え方による管理会計を目指していました。そのニーズに応えたのが、「MCFrame」の特徴を生かしたキヤノンITソリューションズの提案でした。

吉田様:「一般的に原価計算というと、工場で発生するコストを製品別に配賦しますが、私どもでは営業や本社、研究開発などの販管費まで含めた会社全体のコストを適正に配賦しようと考えました。このような高度な要求に対して的確なソリューションを提示してくれたのが、採用決定の要因の1つです」

鈴木様:「導入候補にあげていたもう1つのパッケージと比較して、MCFrameのほうが標準機能で当社の求めるものをより多くカバーできました。システム構築にかかる工数を考えると、これは大きなポイントでした」

若崎様:「キヤノンITソリューションズのコンサルタントの対応にも心を動かされました。当社の事情をきちんと汲み上げたプレゼンテーションは本当にすばらしいものでした」

若林様:「また、今回のシステム導入で実現したい内容をシステム概要モデルとして描いており、選定時にはこちらのモデルに沿って対応できるベンダーと製品を探していました。そこで、キヤノンITソリューションズ様がこちらの目指す概念に合わせてご提案をいただいたのは選定に大きく左右したと思います。」

MCFrame導入時のポイント‐プロジェクトメンバー同士の密な連携でタイトなスケジュールを克服 システムテスト期間の取り組みが成功の鍵に
財務部 主査 若林 進氏、財務部 情報システム室 主査 鈴木修氏
(左)財務部 主査 若林 進 氏
(右) 財務部 情報システム室 主査 鈴木 修 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

プロジェクトでは社内外のメンバーがスムーズに連携できる体制を組み、各フェーズでの作業を進めました。キックオフから運用開始まで約9カ月間というタイトなスケジュールで、苦労を余儀なくされる場面もありましたが、メンバー間の協力、支援によって乗り切ることができました。

越川様:「新システムでは、営業外のコストまで含めて原価計算を行うため、SAPにはないデータも取り込む必要があり、この課題をどうクリアするかに苦労しました」

若崎様:「今回のプロジェクトでは、システムテストの期間が成否を分ける重要な局面だったと思っています。例えば、標準機能での対応が見込みどおりにいかない部分について、常駐のコンサルタントに支援してもらい迅速にアドオンで対処することができました。あの2カ月間がなければ予定通りのカットオーバーは難しかったかもしれません」

鈴木様:「導入過程で悩ましい課題が発生すると、複数の対策案を用意してくれたのも非常にありがたいことでした。単一の方法ではなく、いくつかの選択肢を吟味することで、種々の課題に対して納得の行く対策を打つことができたと感じています」

越川様:「運用に向けた準備としては、まず財務部プロジェクトメンバーが導入作業開始前にMCFrameの開発元であるビジネスエンジニアリングで3日間の研修を受け、習得したスキルをエンドユーザーに伝授していきました。そのための操作説明会を導入期間中に2回実施しました」

若林様:「私自身プロジェクト実行部隊の取りまとめ役として対応しておりましたが、配賦基準で各事業部の見解があり、それらの意見も取り入れつつ、財務部としての方針を固めていくのに苦労しました。」

MCFrame導入の効果-経営層が望む分析データの作成が実現可能 MCFrameの汎用性の高さが独自の仕組み作りに貢献
財務部 主事 越川知俊氏
財務部 主事 越川 知俊 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

各種のレポートは、キヤノンITソリューションズの協力により希望に適う形式で作成されており、これをEXCELなどに落として見やすい形に加工しています。
SAPからのデータは、新規開発したプログラムでCSVファイルにて出力し、MCFrameに読み込んでおり、SAPにないデータについても同様に、CSVファイルをMCFrameに読み込んでいます。

吉田様:「ただ数字を並べるのではなく、改善につながる資料を作成したいと考えていました。MCFrameによって単なる結果だけでなく、発生原価の内容まで提示することが可能になったので、経営層にとっても望んでいた仕組みを実現できたといえます」

若崎様:「製品別損益分岐点管理のために、実際原価計算や損益計算など複数回の演算処理を行っているのですが、非常にスムーズで短時間に完了できています。これは、導入段階でキヤノンITソリューションズがレスポンスの向上に気を配ってくれたおかげだと思っています」

越川様:「MCFrameについては、データベースのレイアウトがオープンになっているなど汎用性の高い点に使い勝手のよさを感じています。この特徴によって、SAP以外からのデータ取り込みも可能になり、当社ならではの原価計算の仕組みを確立することができました」

パートナー紹介

キヤノンITソリューションズ株式会社

日産化学株式会社様のMCFrame原価管理導入においては、SAPの標準原価を元にした損益管理だけではなく、経営判断に必要な詳細なコストの把握が必要とのことでスタートしました。
その中で、すでに導入済のSAP標準原価との比較分析がひとつの目的でもあったため、両システムの標準原価を完全に一致させる必要がありました。さらには、SAPで実施している範囲の配賦について、SAPと同じ方法で配賦し、詳細な配賦は、新しい配賦基準を設けるという方針もありました。このような課題がある中で、9か月間という短期間で予定通りプロジェクトを完了できたのは、プロジェクトメンバーの皆様の多大な尽力のおかげと考えています。
特に、新しい配賦基準を設けることによる各部門との調整やマスタ整備、結果の検証などは、非常に苦労されたことと思います。今後も予算管理、グループ会社への横展開を検討されているとのことで、全力でサポートさせていただきたいと考えています。(吾郷様)

日産化学株式会社様では弊社提案前段階から高次元の原価管理を目指されていました。
ビジネスエンジニアリング株式会社にもご協力いただき、プロジェクト目的を強く意識しこれにお応えする提案を心がけました。プロジェクト推進にあたっては、財務部、情報システム室、各事業部門から積極的なご協力をいただき円滑にシステムを立上げて頂けたことに感謝いたします。今回のプロジェクトの中で、さらなる高みを目指すために取組むべき課題を見出され、次のアクションプランを策定されています。弊社としても今後も是非ご協力させていただきたいと考えています。(中嶋様)

プロジェクトマネージャー 吾郷 殖文氏

プロジェクトマネージャー
吾郷 殖文氏

コンサルタント 中嶋 研 氏

コンサルタント
中嶋 研氏

※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

企業紹介

導入企業概要

所在地 101-0054 東京都千代田区神田錦町3-7-1
設立 1921年4月(創業1887年4月)
資本金 189億42百万円
売上高 1486億円(2012年3月期:連結)
従業員数 1,726名(2012年3月現在)
事業内容 化学品事業(基礎化学品・ファインケミカル・ファインテック・健康商品)、機能性材料事業(ディスプレイ材料・半導体材料・無機コロイド)、農業化学品事業、医薬品事業などを展
事業所 東京/札幌/仙台/名古屋/大阪/福岡
工場 千葉(袖ヶ浦および市原)/埼玉/富山/名古屋/山口(山陽小野田)
研究所 千葉(船橋2カ所および袖ヶ浦)/埼玉

企業ウェブサイト

※2018年7月に日産化学工業株式会社より商号変更されました。
※本事例は2013年6月現在の内容となり、本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。