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山九株式会社

導入事例 | 山九株式会社 | mcframe

導入事例 | 山九株式会社 | mcframe

現場の360度映像を使いリアルなVR安全教材をグループ内で制作
100本近いコンテンツを全国の拠点で視聴可能に

  • 本社、現場、グループ会社が協力し合いVR安全教材を内製化
  • 短期間で100本近い教材を制作
  • 独自の工夫を盛り込んだリアルなVR教材を実現
  • 全国6エリアにVR視聴環境を配布

事例ダイジェスト

物流・プラント事業を手がける山九株式会社(以下、山九)は、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のVR学習システム「mcframe MOTION VR-learning」を活用しトラックやフォークリフト作業に関連するVR安全教材を、自社グループ内で制作している。2023年までに100本近くを揃え、全国6エリアに合計30セットのVR視聴環境を配布し、多くの従業員に視聴させている。従業員に実施した社内アンケートでは、受講者の78%が「安全意識が向上した」と回答しており、別事業の作業手順のVR教材制作も検討している。

導入前の課題
  • 既存の紙マニュアルや動画教材より臨場感のある教育コンテンツを、自社環境で作りたい
  • コロナ禍で人同士の接触機会を減らしつつ、安全教育を効率的に実施したい
  • 物流業界全体で人材不足が懸念される中、貴重な人材を守るべく安全な労働環境を構築したい
導入後の効果
  • 自社の施設や機材を使って、独自のVR安全教材を自社グループ内で制作できるように
  • 全国6エリアにVR視聴環境を整え、100本近いコンテンツを手軽に閲覧可能に
  • VR安全教材を視聴した従業員へのアンケートでは、安全意識が向上したという回答が多数得られた
導入のポイント

物流の現場で働く従業員に、臨場感ある安全教育を実施して教育効果を向上させたいと考えていた山九では、VRコンテンツを制作できるソリューションを比較検討。教材制作における自由度の高さやシンプルさなどを評価してmcframe MOTION VR-learningを導入した。

導入事例インタビュー

本社、現場、グループ会社が協力して安全教育のVR教材を内製
全国6エリアに展開し安全意識を醸成


物流事業と機工事業を柱とする100年企業
安全教育の効果を高める方法を検討
山九株式会社 物流事業本部 物流企画部 担当部長 鈴木 一弘 氏
山九株式会社
物流事業本部 物流企画部
担当部長
鈴木 一弘 氏

総合物流とプラント建設+メンテナンスを手がける山九。2024年4月からの新体制では物流事業本部、機工事業本部、海外事業本部の3事業本部体制とし、多彩な顧客の貨物輸送ニーズに応えている。

物流事業本部では、物流業界が抱えるさまざまな課題解決に向けた取り組みを進めている。中でも、業務効率化や安全教育は急務だ。しかし、これまで安全教育で利用していた教材には課題があったと、物流事業本部 物流企画部 担当部長の鈴木一弘氏は振り返る。

「これまで安全教育には、既成の紙のマニュアルと動画教材を使ってきましたが、教育効果に疑問を感じており、より臨場感を生み出す方法を検討していました。さらにコロナ禍という背景もあり、人を集めた指導・教育が難しい中で効率的に安全教育を行えるようにしたいと考えていました」

教材制作の自由度やシンプルさを評価してVR-learningを採用
約2年で100本近いコンテンツを制作
山九株式会社 物流事業本部 物流企画部 システム企画グループ 富田 麻衣子 氏
山九株式会社
物流事業本部 物流企画部 システム企画グループ
富田 麻衣子 氏

こうした背景から山九が着目したのがVRの活用であり、2020年6月頃から製品選定を開始。最終的に選ばれたのがmcframe MOTION VR-learning(以下、VR-learning)だ。選定に関わった物流企画部 富田麻衣子氏は、その経緯を以下のように説明する。

「当時、4社ほどの製品を比較しました。画面の見た目や製品の価格はもちろんですが、自社で柔軟に教材を作る上で作り込みの自由度なども重要視しました。例えば見た目の点では、表示するオブジェクトの印象が強すぎると、視聴者が集中できないので、シンプルなレイアウトを実現できるものが望ましいと考えました」

また、山九のグループ会社でIT関連事業を手掛ける株式会社インフォセンスも製品選定段階から協力している。同社 山九LDX構築プロジェクト第二部 マネージャー 月元健介氏は「VR-learningなら選択式の問題も簡単に設定できますし、比較的容易に期待通りの教材を制作できるので、ユーザーのニーズに合うソリューションだと判断しました」と語る。

山九株式会社 ロジスティクス・ソリューション事業本部 3PL事業部 担当部長<br>萩尾 謙之 氏
山九株式会社
物流事業本部 3PL事業部
担当部長
萩尾 謙之 氏

VR-learningを用いたコンテンツの構想や企画は、最初にインフォセンスがサンプルとなるコンテンツを制作し、それを踏まえて物流企画部と物流の現場を担う事業部や支店が制作するコンテンツの具体的な案を練る流れで進めた。

「主な対象として選んだのは、トラック輸送とフォークリフト作業です。現場にヒアリングを行い、高所作業などの危険度の高い作業・エリアなどをリストアップして整理していきました。最終的には93件のコンテンツを制作しています」と、山九 3PL事業部 担当部長の萩尾謙之氏は語る。

360度映像の撮影では実際の物流現場へ数名のチームが訪問し、現場の作業者にも協力してもらい、車両や機材、商品箱なども実際のものを使った。空き箱には重りを入れ、落下や転倒、箱の破損などの様子を再現したという。

「顧客企業や商品のロゴなど入った本物の空き箱を提供していただけたので、リアルな映像を作れました。『この荷物落下事故で、弁済額はいくらになるか』を知ってもらう意味でも、リアリティがあります」(萩尾氏)

360度映像の撮影から、その後の編集、教材制作までの作業は、インフォセンスの山九LDX構築プロジェクト第一部 柏木良太氏が主に担当した。100本近い教材を2年弱で制作するスケジュールの中、品質の高いコンテンツの効率的な制作にVR-learningが役立っている。「教材ごとに差はありますが、平均して2 ~ 3日に1本のペースで作ってきました。VR-learningの操作はわかりやすく、その点でも助かりました」と柏木氏は語る。

VR教材が現場に潜むリスク回避に貢献
社内でのさらなる展開も視野に
山九株式会社 福岡支店 港運グループ 福岡物流センター係 チーフリーダー 廣瀬 修治 氏
山九株式会社
福岡支店 港運グループ 福岡物流センター係
チーフリーダー
廣瀬 修治 氏

VR安全教材は、2023年度から物流事業を担う全国6エリアの部支店に展開されている。このとき、視聴用のVR-learning Playerライセンスは全社で30ライセンスを追加購入し、VRゴーグルも同じく30台を購入した。VR安全教材の視聴マニュアルなどドキュメント類を整備した上で、各現場へ展開している。山九 福岡支店 福岡物流センター係 チーフリーダーの廣瀬修治氏が、VR教材の利用状況を語る。

「現場では安全活動、例えば月ごとの小集団活動や、作業前の危険予知トレーニングなどでVR教材を利用しており、現場に潜むリスクの回避につながっていると感じます。例えば、今回の教材の中には大型トラックの周辺での作業で、運転者の死角に入ることの危険性を伝えるものもあります。これは大型運転免許を持たない人には想像しづらいことですが、視聴によって理解が深まったようです」

また、VR教材の展開に合わせてアンケートも実施し、定量的な評価も行われた。それによると「安全意識」は受講者の78%が向上したと回答し、「知識やスキル」も82%が向上したと回答している。また、「自身の業務に生かすことができる」との回答は82%にのぼった。

鈴木氏は、今後の展開について、以下のように語る。「VR-learningを使ってやりたいことは、まだまだあります。例えば、当社ではコンテナ船も保有・運航しているため、船に関わる作業のVR安全教材も作りたいですね。また、2024年の改組では構内操業の一部事業が物流事業本部に加わりました。そちらの作業手順を題材とすることも検討しています」

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一回り点検の教材イメージ

企業紹介

導入企業概要

山九株式会社

創業100年を超える、物流大手かつプラントエンジニアリング・構内操業支援の大手企業。物流・機工・構内操業支援を融合させた独自の事業展開で知られる。物流事業においては、日本全国はもとよりアジアを中心にグローバルなネットワークを展開。

商号 山九株式会社
創業 1918年
従業員数 単体12,235名、連結30,672名(2024年3月現在)
資本金 286億19百万円
事業内容 物流・倉庫、プラントエンジニアリング、製造業構内操業支援

企業ウェブサイト

※記載された内容は2024年6月現在のものです。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。