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福井大学

導入事例 | 福井大学 | mcframe

導入事例 | 福井大学 | mcframe

災害看護学の視点から臨場感と楽しさを両立する防災教育コンテンツを制作
子どもの主体的な学習を目指す

  • 実写360度映像で臨場感あるVRコンテンツ
  • 楽しみながらリスクを学べるゲーム感覚のコンテンツ制作
  • 教員自身でできるVRコンテンツ制作

事例ダイジェスト

福井大学医学部看護学科では、近年災害看護学に力を入れており、その一環として地域への防災教育にも取り組み始めた。小学校での防災教育に向けて採用したのは、ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のVR学習システム「mcframe MOTION VR-learning」だ。子どもたちが楽しみながら正しく防災を学べるように工夫したVR映像コンテンツを、教員自らが制作できる環境を手にすることができた。

導入前の課題
  • 防災教育にて、小学生が水害のリスクを正しく理解できる臨場感のあるコンテンツを作成したい
  • 子どもたちが楽しみながら理解でき、能動的に参加してもらえる防災教育を実現したい
  • 防災教育だけでなく他への応用も考え、自分たちで工夫してコンテンツを作成できるようにしたい
導入後の効果
  • 実写360度映像を活用することで、臨場感のあるコンテンツ制作が可能になった
  • クイズ形式の設問をVRコンテンツ内に盛り込むことで、子どもたちがゲーム感覚で学べる工夫ができるようになった
  • VR映像制作に習熟してきたことで、看護学演習など他分野へ応用する取り組みにも発展した
導入のポイント

臨場感がありつつ、子どもたちが過剰な恐怖感を持たないよう、ゲーム感覚で楽しめるような防災教育コンテンツを制作できる点に注目してmcframe MOTION VR-learningを採用。大学での看護学の教材に応用できるメリットも評価。

導入事例インタビュー

楽しみながら正しく防災を学べる効果に期待 大学での看護学実習にも展開する方針


子どもたちが主体的に考え行動できる防災教育を実施したい
佐藤先生、酒井先生の写真
(左)国立大学法人 福井大学
学術研究院 医学系部門 看護学領域 臨床看護学分野
教授 佐藤 大介 氏
(右)国立大学法人 福井大学
学術研究院 医学系部門 看護学領域 臨床看護学分野
助教 災害看護専門看護師 酒井 彰久 氏

福井大学医学部では、近年、災害看護学の分野に注力している。この分野は災害現場のみならず、災害のさまざまな段階を踏まえた取り組みが求められる。同大学にて災害看護学を担当する助教の酒井彰久氏は「災害看護で考慮すべきは、現場での被災者に対する医療活動だけに留まらない長期間に渡るサポートです。災害サイクルに応じて生じる多様な問題に合わせ、サポートしていかなければなりません」と説明する。

こうした災害看護学の一環として同大学が取り組んでいるのが地域の人々への防災教育だ。同じく災害看護学を担当する教授の佐藤大介氏はその思いをこう語る。

「私自身は東北の出身なのですが、三陸地方は『津波てんでんこ』の言葉が代表するように、防災や避難などの言い伝えをしっかり受け継いできた地域であるにもかかわらず大きな被害が出てしまいました。その状況を目の当たりにしてきた体験から、防災・減災に取り組みたいと考えていました」

こうした背景から、県内の小学校を対象とした防災教育授業の実施準備が進められており、その手法やツール、内容についても入念に検討を行った。

「従来の防災教育は一方的に教える形式が主流であり、それではなかなか身につかないという課題があり、子どもたちに主体性を持ってもらえるような教育方法を検討していました」と同じく災害看護学を担当する講師の清水誉子氏は説明する。

とはいえ、子どもたちが恐怖感を抱く負の効果を与えないよう、強い危機感を訴えることは避けたいという考えもあった。「そこで、『楽しい』という点も内容に加えることで子どもたちが能動的に参加できる要素を取り入れようと考えました。当初はスマートフォンのARゲームのようなコンテンツを検討しましたが、没入感や臨場感という点からVR技術を使う方向で検討を進めました」と清水氏は説明する。

教員自身が手軽に使えるVR映像の制作ツールを検討
清水先生の写真
国立大学法人 福井大学
学術研究院 医学系部門 看護学領域 臨床看護学分野
講師 清水 誉子 氏

防災教育にVRを取り入れるためのツールとして採用されたのが、mcframe MOTION VR-learning(以下、VR-learning)だ。佐藤氏は、かつて患者への遠隔指導用のシステム開発を依頼したトライポッドワークスに、今回のVR防災教育の相談をしたところ、VR-learningを紹介してもらったという。

トライポッドワークスの相原富士夫氏は、「当社では屋外で使える360度カメラを開発・販売しており、そのカメラと組み合わせるアプリケーションとして、VR-learningはオフィスアプリのように手軽に使えるシステムだと評価しました。今回のVR防災教育の相談を受けたときも、教員たち自身で扱えるツールに最適だと感じました」と説明する。

実際にVR-learningを知った佐藤氏らも、360度映像を元に自分たちの手でコンテンツを制作でき、想定している内容を実現できそうだと手応えを感じたという。「見せてもらったサンプルでは、産業の現場で危険予知に使っている例がありました。子どもたちへの防災教育に応用した際に、クイズ形式で参加してもらう形を実現できるだろうと考えました」と清水氏は語る。

VR映像制作は順調に進行中 看護学の授業での効果も期待

VR-learningは2022年10月に導入され、現在教員たちは防災教育のためのコンテンツ制作に取り組んでいる。映像制作は経験がなかったが、B-EN-GによるサポートやVR-learningの扱いやすさもあいまって本番に向けて着実に制作を進めている。

今回の防災教育では、過去にも氾濫を生じてきた九頭竜川水系の水害を取り上げるとのことだ。日常を過ごす学校などが浸水する様子を見せることで実感を持たせたいとの考えから、実際の学校の映像に浸水を示すVR映像を重ねて大画面ディスプレイで見せることにした。その一方、余計な恐怖心を煽ることがないよう、県のゆるキャラを救うゲームのように仕立て、子どもたちが楽しみながらリスクを理解できるコンテンツを想定している。

防災教育においては、制作したVRコンテンツを子どもたちに見てもらった後、グループディスカッションを行って気づきを深めてもらう予定とのことだ。子どもたちが防災教育で得たものを持ち帰り、家族とも話し合うなどして、地域の防災意識を高めることが期待されている。

一方で、大学の授業にもVRを取り入れようとしている。学生たちが講義や演習を経て、実際の医療現場に赴く際の橋渡しにVRが役に立つと考えているのだ。

「コロナ禍では病院側も学生たちを受け入れる余裕が乏しく、実習の機会が限られてしまいました。そうした課題に対し、実習への足掛かりとなり得るリアリティのあるVR映像が効果を発揮すると期待しています」(佐藤氏)

防災教育コンテンツの制作で扱いを習熟してきたこともあり、すでに同大医学部附属病院などの協力を得て撮影まで漕ぎ着けている。

「最初に制作するのは、術後の患者に対する看護をテーマとしたコンテンツです。この状況では注視すべき点がいくつもありますが、現場の臨床看護師と看護学科生とでは、確認する順序が違うなどの差が出ると考えられ、その検証も視野に入れています。そのためにはVR-learningの機能をフル活用できるよう、引き続きB-EN-Gにも相談しながら進めていこうと考えています」(佐藤氏)

福井大学が防災教育で使用する予定のVR教材の1シーン福井大学が防災教育で使用する予定のVR教材の1シーン

企業紹介

導入企業概要

福井師範学校、福井青年師範学校、福井工業専門学校を基として、1949年に新制大学として発足した。2003年には旧福井医科大学が統合して新福井大学が開学、2004年に国立大学の独立行政法人化に伴い、現在の国立大学法人福井大学が発足した。福井県内に3つのキャンパス、附属病院、附属学園、教育研究施設などを有する。

zenkei

大学名 国立大学法人 福井大学
設立 1873年/大学設置 1949年
学生数 学部 3978名、大学院964名(令和4年5月1日現在)
事業内容 大学4学部および大学院4研究科を持つ国立大学

大学ウェブサイト

※本事例は2023年4月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載大学様への直接のご連絡はご容赦ください。