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焼津水産化学工業株式会社

導入事例 | 焼津水産化学工業株式会社 | mcframe

導入事例 | 焼津水産化学工業株式会社 | mcframe

環境変化にも柔軟に対応できる企業基盤を確立し、 全社的な業務改革を推進
原価の見える化、内部統制対応なども実現

  • 原価データの詳細化
  • 業務標準化
  • 内部統制

事例ダイジェスト

全体的な業務改革を推進

「MCFrame CS 生産管理・原価管理」 および「MCFrame XA 販売物流」 の導入で業務の標準化(業務改革)を推進し、データの加工・アウトプット、実務現場の各種作業を含め、全社的な業務効率化を実現

原価の「見える可」を実現

詳細レベルの原価計算でコスト要因の容易な分析を可能とし、管理会計の基盤を確立

既存システムの老朽化と内部統制対応

オフコンからパッケージシステムへの移行により、機能拡張やメンテナンスなど、運用業務の効率が向上、アクセス管理や承認ワークフローなど、IT全般統制を実現

 

天然素材にこだわり、"おいしさと健康"を追求

東証1部上場企業の焼津水産化学工業株式会社様は、魚介類など天然素材を原料にした調味料・乾燥加工食品および機能食品(機能性素材、医療栄養食品)の開発・製造を手がけています。約1000品目にものぼる製品群は、食品メーカーや健康・医療・美容関連企業などに供給され、多種多様な食品類あるいは各種サプリメントや機能性飲料、化粧品、試薬や診断薬などの製造に利用されています。
また、グループ会社を通じて、香辛料などの業務用途食品の製造、機能性素材を活用した独自商品の開発・販売、カツオ・マグロの買付・加工・販売、加えて中国市場への進出など、事業拡大にも積極的に取り組んでいます。
焼津水産化学工業株式会社様に以下、導入概要を語っていただきました。

導入背景

当社では、長年運用してきたオフコンに問題が浮上していました。現場業務を支えるため種々の要望に対応するうちにシステムが複雑化し、機能拡張やメンテナンスが難しくなっていたのです。
また、アクセス制限やログ管理などができていないなど内部統制の観点でもリスクが生じていました。
そこで、保守契約の切れるタイミングを捉えて基幹システムを刷新することを決めました。新システムには将来の環境変化にも対応できる企業基盤となり得るようパッケージ製品を採用し、その仕組みに合わせて全社的な業務改革も推進していこうと考えました。
約20製品から選定を始め、最終的に2製品をじっくり比較検討して、当社の業務特性に最も適したシステムとしてMCFrameの導入を決断しました。

導入前の課題
  • 全体的な業務改革
  • 原価管理の強化
  • 既存システムの老朽化と内部統制対応
導入後の効果
  • 業務の標準化により社内の各種業務を効率化
  • 原価データの詳細化と容易な集計・分析を実現
  • パッケージシステムの採用で容易な機能拡張やメンテナンスを実現、内部統制を強化
導入のポイント
  • 初心に立ち返り、膨らみすぎたカスタマイズを圧縮
  • スケジュール管理を徹底し、予定通りに運用開始
  • 新旧システムの並行稼働で移行もスムーズに

導入概要

新しい基幹システムとして「MCFrame CS 生産管理・原価管理」 および「MCFrame XA 販売物流」を導入し、2010年4月1日から本格運用を開始しました。プロジェクトにおいては、MCFrameのビジネスパートナーであるキッセイコムテック株式会社(以降キッセイコムテック)が要件定義からシステム稼働まで強力にサポートしてくれました。
新システムでは、品質保証体制の強化を目的とした成分情報管理システムの「成分タドルス」を別途導入し、MCFrameとも連携させています。

システム概要図

導入事例インタビュー

MCFrameの選定理由
(左)常務取締役 生産本部長 兼 製造部長 石川 眞理子 氏 (右)生産本部 製造部 焼津・団地工場長 勝見 亮介 氏
(左)常務取締役 生産本部長 兼 製造部長
石川 眞理子 氏
(右)生産本部 製造部 焼津・団地工場長
勝見 亮介 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

企業規模や業務特性にマッチ
当社が生産する約1000品目の製品は、お客様の個別注文に対応する「受注生産品」と、需要動向を予測して生産する「量産品」に大別されます。そして、前者では100kgの注文もあれば10tの注文もあるなど個々の受注量はまちまちで、後者においても1kg、10kgあるいは1t詰めなど1個口の単位が多様で荷姿もさまざまです。このような特徴のある業務形態に対応してくれるフレキシブルで小回りの効くシステムがMCFrameでした。食品業界での導入実績も高いので、業務の標準化という観点でも評価できました。(石川様)

データ活用度の向上に注目
原価管理をはじめとして機能の豊富さに興味を引かれました。また、すべての画面からデータをそのままEXCELに落とせるので、データの活用がしやすくなることも期待しました。(勝見様)

導入ポイント
生産本部 製造部 SCMセンター 生産統括グループ 主任 近藤 育子 氏
生産本部 製造部 SCMセンター
生産統括グループ 主任
近藤 育子 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

初心に立ち返り、膨らみすぎたカスタマイズを圧縮
プロジェクト発足当初、社内の要望をまとめてみるとカスタマイズ項目が想定の約2倍になってしまい、業務部門単位で再検討を行ったのですが、現場の要望を削ぎ落とすことがなかなかできませんでした。そこで、全体ミーティングの際に「パッケージを選んだ目的を忘れずに、もう一度考え直してみよう」と皆に呼びかけました。これが功を奏して、当初想定を若干上回る程度のカスタマイズボリュームに抑えることができました。(石川様)

スケジュール管理を徹底し、予定通りに運用開始
マスター登録やデータ移行など負荷の大きな作業も含め、スケジュール管理を徹底したことにより、当初計画で定めた2010年4月1日からの運用開始を厳守できました。約1年4カ月のプロジェクト期間中、キッセイコムテックが細部にわたって尽力してくれたおかげで、無事に乗り切ることができたと感謝しています。(石川様)

新旧システムの並行稼働で移行もスムーズに
運用開始の1カ月前から、旧システムとの並行稼働が実施され、実務の中でMCFrameの各種機能や操作方法、データの見方などを習得しました。新旧のルールの違いにかなり戸惑いましたが、実際の業務環境の中で、キッセイコムテックのスタッフのレクチャーを受けながらトレーニングができたので、運用開始日を不安なく迎えられました。(近藤様)

導入効果

原価に対する社内の意識が向上
旧システムでは、「原料費」以外は「その他経費」として括り、部門や品目別などの配賦基準を設けていませんでした。しかし今は、労務費、燃料費、減価償却費などを細かなレベルで配賦しており、精緻な原価計算が可能になりました。原価の詳細がより見える化されたので、今後は管理会計を推し進めていくことも可能になったと思っています。(石川様)

データの加工・アウトプットが容易に
画面のEXCEL出力機能が非常に役立っています。旧システムでは画面データを帳票でしか出力できないためにEXCELへの再入力が必要でしたから、大幅な作業効率化が図られています。今期中には、製品ごとに原価の中の原料費を集計して原価率の推移もきちんと分析していく予定です。こうしたデータの加工・アウトプットの容易さも新システム導入の大きなメリットだと感じています。(勝見様)

実務現場で作業効率向上を実感
販売業務で日々使用している立場では、生産側から移動された在庫情報のリスト表示によって引き当て作業での間違いが起こりにくい仕組みになったため、受注登録などが以前に比べて本当に楽になったと実感しています。また、画面の見やすさやレスポンスの速さも高く評価しています。(近藤様)

お客様向けデータの作表業務も大幅に効率化
業務改善の顕著な例としては、品質保証部門で行っているお客様向けの品質分析表(社外成績表)作成もあげられます。当社では一定の分析項目数を社内基準で定めていますが、お客様によって特定項目の追加を求められることが多々あります。個別の分析表作成は従来マンパワーで対応していましたが、システム化によって大幅な作業効率化が実現されています。(石川様)

今後の課題や展開について

豊富な機能を生かした全社での活用促進に注力
新システム運用開始から1年を経て、業務現場への浸透・定着とともに明確な効果も表れてきています。とはいえ、「まだまだ使いこなせていない」という自覚もあり、全社での活用促進が今後の大きな課題です。例えば、原価管理では豊富な機能をもっと生かして、コスト削減はもちろんのこと、経営的なあらゆる判断の指標に使えるようにしていく考えです。また、食品業界では消費期限や賞味期限による製品あるいは原料の廃棄がどうしても発生するので、そうした無駄を生産管理の中でうまくコントロールできればと思っています。他方で、システムに合わせて業務の標準化を実施したものの、効率化に結びつかなかった作業もあるので、キッセイコムテックとともに一部の機能見直しについて検討も始めています。(石川様)

パートナー紹介

キッセイコムテック株式会社 システムソリューション事業部 第2システムソリューション部 部長 唐沢 秀明 氏
キッセイコムテック株式会社
システムソリューション事業部
第2システムソリューション部
部長 唐沢 秀明 氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

私どもは、親会社であるキッセイ薬品工業株式会社で培ったノウハウを活かし、特に製薬・食品・化学業などのプロセス系製造業を得意分野として、生産、販売、原価の業務領域に最適なソリューション=MCFrameの導入を行なっております。 当時、焼津水産化学工業様では、業務改革という大きな目標と、既存システム(オフコン)に起因する課題として、IT全般統制やロットトレースへの対応が急務となっていました。
パッケージ導入による課題の解決と業務改革を同時並行して推進する困難なプロジェクトでありましたが、弊社も微力ながらお手伝いをさせて頂きました。プロジェクトがスタートし、要件定義の初日に検討チームのリーダーからプロジェクトメンバー全員に対して、「MCFrameに合わせるので、今の業務フローは無いものと思ってください」と宣言がされました。この時、私はお客様の業務改革への意識の高さと決意の強さを感じました。
要件定義が進むにつれ、カスタマイズ項目も増加しましたが、お客様と一緒になってカスタマイズ削減案(代替業務案)を検討する事で、本当に必要な最低限のカスタマイズ項目とすることができました。また、この検討を通してお客様との一体感が生まれ、より一層の信頼も得られたと思っています。
今後も定期的なミーティングを通して、お客様の生の声を吸い上げると同時にシステム改善要望においても、単純に要望に応えるのではなく、お客様の全体最適を常に考慮しつつ、対応していきたいと思っています。

キッセイコムテック株式会社
お問合せ先TEL:03-5843-0330(部代表)
お問い合わせサイト
関連サイト



取り扱いサービス/製品/商品

調味料

厳選した海洋素材、野菜や果物などの農産物、各種畜産物を生かして"香り"や"味"を取り出した「液体調味料」や「粉体調味料」、魚介類・野菜類の「乾燥加工食品」など、あらゆるニーズに対応した製品を製造・販売しています。その用途は、ラーメンスープやうどん・そばのつゆ、冷凍食品やスナック食品の味付け、ふりかけ・お茶漬け用の具材、シーズニングオイル(香味油)など食品全体に広がっています。
また、生活習慣病の中で患者数が最も多い高血圧に着目し、「低塩調味しお」「低塩調味しょうゆ」も開発しています。

液体調味料

主な製品:カツオエキス、鰹節エキス、昆布エキス、ホタテエキス、煮干エキス、オイスターエキス、シイタケエキス、カニエキス、エビエキス、ウナギエキス、チキンエキス、ガラスープ、フィッシュブイヨン、エビオイル、ネギオイル、鰹節オイル、低塩調味しょうゆなど

粉体調味料

主な製品:カツオエキスパウダー、鰹節エキスパウダー、昆布エキスパウダー、ホタテエキスパウダー、煮干エキスパウダー、シイタケエキスパウダー、カニエキスパウダー、エビキスパウダー、ウナギエキスパウダー、各種畜肉エキスパウダー、各種果汁パウダー、梅肉パウダーなど

乾燥加工食品

主な製品:味付鰹節、サケフレーク、味付乾燥タラコ、乾燥メンタイコ、乾燥若菜、乾燥赤しそ、乾燥青しそなど

低塩調味料

独自の調味技術と塩化カリウムを使って、塩分(塩化ナトリウム)を35%以上カットしつつも、一般的なしょうゆ・塩と変わらない味のおいしい「低塩調味しょうゆ」「低塩調味しお」を製造しています。

機能食品

カニやエビの殻から精製されるキチン・キトサン、これらから作られるキチンオリゴ糖、N-アセチルグルコサミンをはじめとして、天然素材から健康に役立つ多くの「機能性素材」を製造しています。カツオやマグロの肉から精製したアンセリン、天然白身魚の皮からつくるコラーゲンペプチド、魚骨からつくる焼成カルシウム、オキナワモズクから取り出されたフコイダン、サメの軟骨から抽出した鮫コンドロイチンなど新しい素材にも着目し、より高度な付加価値製品の提供にも取り組んでいます。
また、高齢化社会の到来に目を向け、「医療栄養食」の提供にも着手。専用工場を完備・充実し、現在は流動食などの病者用レトルト食品を製造しています。

香辛料

生活の多様化や外食産業の業務の省力化に応えて、粉わさびや生おろしわさび、にんにく、しょうが、キムチの素、コショー、唐辛子などさまざまな製品を販売しています。

製品サイト

企業紹介

導入企業概要

当社は1959年(昭和34年)、魚の煮汁から飼料・肥料および肝油を製造する企業としてスタートしました。ほどなくしてエキス調味料の製造に方針を転換し、天然調味料や乾燥食品へと製品領域を広げていきました。

1980年(昭和55年)以降は機能性素材の開発にも本格的に取り組んでいます。カニ殻から精製したキチン・キトサンの販売を出発点に、これらから作られるキチンオリゴ糖やN-アセチルグルコサミンの製造、さらに海洋性のアンセリンやコラーゲンなど新素材の研究開発でも成果をあげています。 ちなみにN-アセチルグルコサミンは、当社が日本で最初に製造特許を取得し市場に提供したもので、"甘くておいしい機能性素材"として飲料や菓子などにも広く利用されています。

当社は、"おいしさと健康"を通して豊かな生活に貢献することを使命と考え、今後も天然素材の持つ無限の可能性を追求し、価値あるものづくりに挑戦し続けていきます。

本社所在地 425-8570 静岡県焼津市小川新町5-8-13
設立 1959年3月18日
資本金 36億1,764万円
連結売上高 223億円(2011年3月期)
従業員数 153名(2011年3月期、グループ全体)
事業所 全国6拠点(静岡本部、焼津本社、東京営業所、大阪営業所、名古屋営業所、九州営業所)
生産拠点 3工場(焼津・団地工場、榛原工場、大東工場)
事業内容 天然調味料、健康・機能食品およびその他の食品製造販売

企業ウェブサイト

※本事例は2011年6月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。