当社の製造している電解槽は、主要材料がチタンやニッケルといった入手困難なレアメタルです。市場の価格変動が激しく、購入のタイミングも非常に難しいことが特徴です。また当社の工場だけでなく多くの関係取引先に加工を委託しアッセンブルするため、その工程管理は非常に複雑なことも特徴です。 長年使用し続けてきたシステムは業務に合わせて開発したため、経営環境などの様々な変化に対する柔軟性に乏しいことや、リアルタイムに工程進捗や在庫情報を正確に把握することが難しい状況でした。 それらを改善するためプロジェクトを発足し、標準機能が充実し柔軟性のあるMCFrameの導入を決めました。
当初は別のパッケージを検討していましたが、最終的にMCFrame生産管理、原価管理を導入することにしました。標準機能が多いためカスタマイズが少なく低コストで導入できることが決め手でした。さらに業務を標準パッケージに合わせるということで業務の改善も併せて進めることができ、また多くの導入実績があるといことも重要でした。製造業に精通しているコンサルタントによる適切なサポートの下、プロジェクト開始から本番稼働まで9カ月ほどで導入することができました。
従来のシステムでは関係取引先への支給品在庫・寄託品在庫などの把握が十分でありませんでした。MCFrameでは関係取引先などのこのような在庫もきめ細やかに管理することができ、在庫の見える化を実現できました。さらに、在庫の受払から会計までスムーズに在庫評価をすることができます。データベースが公開されており、データ分析や解析が簡単にできるので、必要なデータが即座に見られるということが大きな成果を生む期待がありました。(増田様)
MCFrameの採用を決定する前に、実は別のパッケージで要件定義を進めていました。要件定義の過程で、システムの適用方法について業務改善を目指す製造工程との対応方法に少し無理があり、要件定義を完了できないという判断をしました。MCFrameの採用にあたっては、実際に参画するコンサルタントが、当社の社風でもある「絶対にあきらめない」という信念を持ち当社プロジェクトメンバーと信頼関係が結べるかどうかについても十分に評価しました。(藤井様)
ご提案頂いた時にユーザ会の存在を知りました。ユーザ様同志が課題などを持ち寄り、それをベースにシステムのバージョンアップに折込み、MCFrameを更に良いものにしていくという活動はもっともだと思いました。製造業でも当然のことです。他パッケージではそういった活動がなかったので、MCFrameの採用を決めるポイントとなりました。(藤井様)
「業務に合わせたシステム」ではなく、「パッケージに合わせた業務改革」を半年で行いなさいと、プロジェクトダイレクターである当時役員、現社長の片山から指示がありました。無理難題だと思いましたが、片山はいつも「絶対にあきらめるな」と言っていました。社員は、今までの業務が正しいと思って作業を行うため、新しいことや伝票の流れを一つ変えるだけでも非常に抵抗がありました。しかし、MCFrameの業務モデルを参考に新業務フローを作成し、新業務ルールを説得、部門調整しながら推進することができ、業務設計を半年で行うことができました。(増田様)
プロジェクト内ではチームを分けませんでした。調達・在庫管理・製造及び管理系の部も、全て関連する部署から集まって全員で全ての設計に参画したこともあり、その場で議論し、決断できたことが大きいと思います。中でも片山がプロジェクトダイレクターとして設計会議に必ず参加したため、経営視点での決断もその場で可能となり、プロジェクトをよりスムーズに進めていくことができ、非常に良い体制だったと思います。(藤井様)
生産管理では旧システム使用時は、生産がどこまで進捗しているか、工程に在庫がどれだけあるか、といった状況の把握が困難でした。MCFrameを導入することで業務フローも改善され、デイリーでの実績進捗把握ができ、工場内はもちろん、関係取引先の在庫状況の把握もタイムリーにできるようになりました。現場に直接見に行ったり、問い合わせをする必要がなくなりました。(岡本様)
取引先も含めた在庫状況がタイムリーに把握できることで、異常の発見が早くなり、すぐに対策を打てるようになりました。追加の生産が必要な場合に、以前はその可否判断に1~2日かかることもありました。今では数分で判断できるようになりました。また、在庫精度の向上に伴い、MRPの機能も活用できるようになり、かつては滞留在庫になっていた部材も優先して自動で引き当てできるようになり、金額相当で3分の1以上の在庫削減を行うことができました。(増田様)
データベースが公開されているため、実行SQLの機能を利用し必要なデータを容易に集計し取り出すことができ、入力画面や検索画面に表示されているデータもワンクリックでエクセルへ出力できるため、データ活用の幅が広がりました。
また、MCFrameでは数多くの配賦機能(基準)があり、工場共通費等の配賦計算もシステムで自動処理できるため、決算処理の大幅な短縮を実現することができました。今では毎月第3営業日までに配賦計算処理を含む原価計算が完了しています。(佐田様)
現在は一部の倉庫だけでロットナンバー管理をしていますが、順次対象倉庫を広げていく予定です。また棚番管理の導入も検討しています。見える化とは、現場とシステムで同じように見えるのが究極の姿だと考えています。異常の発見と対策や計画変更時の判断のさらなるスピードアップを追及していきます。(増田様)
ユーザ会でMCFrameのiPhone生産管理の事例がありました。当社でも興味を持っています。特にiPadでできるといいです。外注先でもぱっとMCFrameにつないで現状在庫が見られるのはありがたいです。今後は当社でも検討していきたいと考えています。(岡本様)
弊社導入コンサルタントから一言
プロジェクトの感想と致しまして、クロリンエンジニアズ様にお伺いしたところ、「大変でしたが楽しくできました、また非常に勉強になりました」とご回答頂きました。プロジェクトメンバーの皆さんは非常に前向きな方々で、「どんな抵抗にあっても絶対に業務改革するんだ」という意気があり、プロジェクトメンバーが一丸となって会社・業務・業績のことを考え、一人ひとりが真摯に対応されたことが成功につながったとのだと確信しています。本当にプロジェクトメンバーの皆様には多大なご尽力を頂きまして有難うございました。今後もクロリンエンジニアズ様の更なる発展の為にお力になれるよう努力して参ります。
電気分解及び応用技術による環境負荷低減技術できらりと光り続ける電解技術専門会社
クロリンエンジニアズ株式会社様は、1973年創業以来、食塩電解プラントの専門メーカーとして国内外に多くの実績を有し、世界のイオン交換膜法電解プラントの40%のシェアを占めています。
日本だけでなく、世界で実証された性能、実績を基に、電解技術分野では"名実共に世界NO.1"を合言葉に、クロリンエンジニアズ株式会社様は技術、性能、サービスにおいて他社と差別化でき、顧客に満足してもらえる"電気分解及び応用技術による環境負荷低減技術できらりと光り続ける電解技術専門会社を目指しています。
35年以上にわたる実績とノウハウを基に、プランニングから設計、調達、建設、技術指導、及び世界にメンテナンス拠点を置いて万全なプラント保守サポート体制を備え一連のエンジニアリング技術サービスをご提供しています。
本社所在地 | 103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1丁目13番12号 さくら日本橋ビル7階 |
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事業内容 | 食塩電解プラント、水処理装置の企画・設計・施工 |
設立 | 昭和48年10月19日 |
資本金 | 1億5千万円 |
事業所 | 岡山事業所 〒706-0134 岡山県玉野市東高崎24番地6号 |
関連会社 |
クロリンテクノサービス株式会社 Chlorine Engineers(Shanghai)Co.,Ltd. Chlorine Electrolyzer Corp.(America), Inc. |
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