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日本食研ホールディングス株式会社

導入事例 | 日本食研ホールディングス株式会社 | mcframe

導入事例 | 日本食研ホールディングス株式会社 | mcframe

4つの工場の生産管理と原価管理をMCFrameで統一
10年先までを見越したシステム基盤整備を実現

  • 設計変更⇔生産管理連携
  • トレーサビリティ
  • 複数工場統合

事例ダイジェスト

「仕事で成功することは人類に最大の幸福(しあわせ)をもたらす」という企業理念に基づき、豊かな食シーンづくりへの貢献やブレンド調味料の無限の価値を創造することを目指す日本食研ホールディングス株式会社(以下、日本食研ホールディングス)。属人化した生産管理業務やシステム開発の標準化を目的に生産管理システムの再構築を決定。10年先を見越したシステム基盤の中核に、MCFrame XA 生産管理・原価管理を採用した。

導入前の課題
  • 保守期限切れが近づいたメインフレームの刷新
  • 属人化した生産管理業務とシステム開発の標準化
  • 少量多品種に対応した生産管理システムの構築
  • 原価管理システムの精度の向上
  • 生産管理システムに周辺システムを統合
  • 4つの工場の統一システム基盤の整備
導入後の効果
  • 状況の容易な把握でミスを防ぎ業務の属人化も解消
  • 経営層が評価する原価管理を生産現場でも意識づけ
  • 業務効率化によるWLB(ワークライフバランス)の推進
  • 実績データの取り込みにより棚卸しの差異が減少
  • ハム研究工場のシステム化で原価管理の精度が向上
  • 品質保証や商品のトレースが可能な仕組みを実現
導入のポイント
  • 豊富な機能や食品業界での実績
  • 純国産のパッケージシステムであること
  • 導入したバージョンの永久サポート
  • 導入済みシステムとの連携性
  • グローバル展開も見据えた基盤構築

導入事例インタビュー

導入のきっかけ-少量多品種の商品を短納期で提供 強みを支える生産管理システムを刷新
海野裕二氏 辻井健一氏
(左)日本食研ホールディングス株式会社
知財法務部(千葉)R&D-IT技術戦略グループ
グループリーダー 海野裕二氏
(右)日本食研ホールディングス株式会社
経理部 財務企画グループ
グループリーダー 辻井健一氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

日本食研ホールディングスの歴史は、1971年10月に大沢一彦氏が香川県高松市で畜産加工研究所を創業し、ミートミックスなどのハム・ソーセージに必要な調味料および機械器具の発売を開始したことにさかのぼる。その後、1975年に社名を日本食研に変更。さらに2009年には、日本食研ホールディングスを親会社とする持株会社体制へ移行している。

現在、「晩餐館焼肉のたれ」や「から揚げ作り」などの家庭用商品と業務用の液体・粉体調味料やレトルト食品、ハム・ソーセージなどの商品の製造・販売を事業として展開している。2006年には、KO宮殿工場が完成し、「焼肉のたれ宮殿」も発売。KO宮殿工場をはじめ、千葉本社工場、食品研究工場、ハム研究工場の4つの工場で商品を製造している。

KO宮殿工場および千葉本社工場は、液体・粉体調味料や加工調理食品の工場で、KO宮殿工場は西日本向け、千葉本社工場は東日本向けの商品を製造。たれの出荷量では、日本一を誇る。また食品研究工場は、カレーや鍋のつゆなどのレトルト食品の製造をはじめ、レトルト食品における調味料の使い方などを研究している。

黒木晋氏 浅部州生氏
(左)日本食研ホールディングス株式会社
情報システム部 システム企画グループ
グループリーダー 黒木晋氏
(右)日本食研ホールディングス株式会社
情報システム部(千葉) 流通システムグループ
係長 浅部州生氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

ハム研究工場について日本食研ホールディングス 経理部 財務企画グループ グループリーダーの辻井健一氏は、「創業者の原点が、ハム・ソーセージの製造・販売であり、その夢を具現化するのがハム研究工場です。世の中のハム・ソーセージメーカーからすれば、生産量はわずかですが、創業者の思いが詰まった工場です」と語る。

日本食研グループ最大の強みは、少量多品種の商品を短納期で提供できる生産体制を確立していること。約20万軒の得意先に対して提供されるブレンド調味料のうち、約2割が特別なレシピで作られている。この強みを支えてきたのが、メインフレーム上に自社開発された基幹システムによる生産管理業務である。

しかし基幹システムが稼働するメインフレームの保守期限切れの時期が近づいてきたことから、基幹システムを刷新することを決定。これまで基幹システムの一部として機能していた生産管理業務を基幹システムから独立させ、新たな生産管理システムとして再構築するためのプロジェクトがスタートした。

導入の経緯-4つの工場の統一基盤の整備により属人化した生産業務の標準化を目指す

三科朋宏氏、高橋智子氏
(左)日本食研ホールディングス株式会社
情報システム部 システム企画グループ
係長 三科朋宏氏
(右)日本食研ホールディングス株式会社
品質保証部 愛媛品質認証グループ
係長 高橋智子氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

生産管理システムの再構築プロジェクトの目的は、大きく3つ。1つ目が属人化した生産管理業務とシステム開発の標準化、2つ目が少量多品種に対応した生産管理システムの構築と原価管理システムの精度の向上、3つ目が生産管理システムの周辺システムを統合しながら4つの工場の統一システム基盤を整備することである。

たとえば生産管理業務の属人化では、少量多品種の製造のため、生産ラインに特性があり、その特性を知らなければ生産計画が立てられないという課題があった。またシステム開発も属人化しており、メインフレームの仕組みを開発したり、メンテナンスしたりできる人材が少なくなり、現場の要求に応えられなくなっていた。

原価管理に関しては、システム的に未整備で、各工場のライン別に原価計算を行っていたが、製品やロットレベルでの原価管理が経営層から求められていた。さらに統一基盤の整備では、各工場でMicrosoft Excel/Accessなどを利用して、独自に開発した周辺システムが散在している状況で、管理が行き届かなくなっていた。

日本食研ホールディングス 情報システム部 システム企画グループ グループリーダーの黒木晋氏は、「今回、生産管理システムを自社開発するか、パッケージを導入するかを議論し、1から開発するのではなく、パッケージを導入した業務の標準化を選択しました。そこでいくつかのパッケージを検討した結果、MCFrameの採用を決めました」と語る。

MCFrameの採用を決めた理由は、豊富な機能や食品業界での実績、純国産のパッケージシステムであること、導入したバージョンの永久サポートなど。すでに導入されていた需要予測システムや生産スケジューラ、製品規格管理システム、製造実行システム(MES)との連携性も評価されている。

日本食研ホールディングス 知財法務部(千葉)R&D-IT技術戦略グループ グループリーダーの海野裕二氏は、「今回、10年先を見越したシステム基盤の構築を目指しています。また日本国内の工場だけでなく、米国、中国の工場も含め、今後の日本食研グループのグローバルなものづくりのあり方を明確にすることも必要でした」と話している。

導入の効果-MCFrameの導入で業務の属人化を解消 業務効率化でWLB(ワークライフバランス)の推進にも期待

高石昌治氏、
(左)日本食研製造株式会社
KO宮殿工場 生産管理グループ
主任 高石昌治氏
(右)日本食研製造株式会社
食品研究工場 生産管理グループ
主任 梶原伸二氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

生産管理システムの再構築プロジェクトは、2010年より検討を開始。2012年8月にMCFrameの採用が決定され、12月より4つの工場から生産管理の担当者が参加して、キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITソリューションズ)のサポートのもと、MCFrame導入プロジェクトがスタートし、2014年8月に4つの工場でMCFrameが本番稼働した。

MCFrameを導入した業務面での効果について、4つの工場の担当者は、それぞれ次のように語る。 「MCFrameの導入により、システムの状況が容易に把握できるので、生産管理業務におけるミスを防ぐことにつながり、業務の属人化を解消していく仕組みとして定着しはじめています。原価管理に関しては、経営層が評価することですが、生産現場でも原価を意識づけできたことは、MCFrameを導入した効果だと思っています」(日本食研製造 KO宮殿工場 生産管理グループ 主任 高石昌治氏)

「日本食研グループでは全社的な"WLB(ワークライフバランス)"の取り組みが実施されていますが、今回、MCFrameを導入したことで生産管理業務の効率化が図れるようになってきています。今後さらにMCFrameを活用することで業務の効率化を進めることができれば、この取り組みもさらに活性化してくると期待しています。」(日本食研製造 千葉工場 生産管理グループ 係長 大塚達也氏)

佐々山大和氏 大塚達也氏
(左)日本食研製造株式会社
ハム研究工場 生産管理グループ
主任 佐々山大和氏
(右)日本食研製造株式会社
千葉工場 生産管理グループ
係長 大塚達也氏
※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

「生産計画を手入力していましたが、MCFrameでは生産計画を入力し、所要量計算に引き継ぐと、仕掛品などの情報が自動的に出てくるので、入力ミスもなくなり、時間短縮ができました。また、製造実行・トレースシステムから実績データを取り込めるので、棚卸しの差異が少なくなりました」(日本食研製造 食品研究工場 生産管理グループ 主任 梶原伸二氏)

「MCFrame導入を機に、ハム研究工場もほかの工場と同等のレベルでシステムを活用し、生産から品質までを管理できるようになりました。これにより、工場間での実績・レシピ(工程)が共通言語化され、原価管理や価格管理などの精度も向上してきたので、今後多方面での分析が期待できます」(日本食研製造 ハム研究工場 生産管理グループ 主任 佐々山大和氏)

また日本食研ホールディングス 品質保証部 愛媛品質認証グループ係長の高橋智子氏は、「製造実行システム(MES)の実績データが基幹システムと連携されていなかったので、データを活用することができませんでした。MCFrameを導入したことでシステムが連携され、トレースの仕組みのレベルアップを実現できました」と話している。

一方、MCFrameを導入したシステム面での効果を、日本食研ホールディングス 情報システム部 流通システムグループ 係長の浅部州生氏は、次のように語る。「システム連携を自動化し、手作業によるデータ入力をなくしたことで業務を効率化できました。また、4つの工場が、同じ仕組み、同じロジックで生産計画を立てられるようになりました」

さらにキヤノンITソリューションズのサポートについて、日本食研ホールディングス 情報システム部 システム企画グループ係長の三科朋宏氏は、「プロジェクトの準備段階から稼働後の支援まで、すべて良かったと思います。特に日時単位のスケジュール管理には驚きましたが、いま考えるとこれがプロジェクト成功のポイントでした」と話す。

黒木氏は、「MCFrameの導入は、非常に順調にできたと思っています。MCFrame導入プロジェクト成功の最大の鍵は、各工場の担当者の協力を得ることができたことです。各工場の担当者が中心となってMCFrameの導入を進めてもらえたので、システム部門が別プロジェクトで抱えていた販売・物流システムの導入も成功できました」と話している。

今後の展望-MCFrameと周辺システムの統合を計画 ノウハウの蓄積でMCFrameの活用を加速

今後、日本食研ホールディングスでは、これまでExcelやAccessを使って各工場が独自に開発してきた周辺システムの機能の中で、MCFrameに統合できるものは統合し、統合できないものは廃止、あるいは別システムに置き換えていく計画だという。辻井氏は、「会計・購買システムの仕組みがMCFrameと一部重複している部分があるので、MCFrameへの統合を検討しています。また標準原価、実際原価で原価管理を行っていますが、今後さらに精度の向上を期待しています」と話す。

また千葉本社工場では、工場や生産ラインの増設が進行中だが、組織や生産体制の変化にも柔軟に対応できるパッケージシステムとしてもMCFrameに期待している。今後の取り組みについて海野氏は、「MCFrameを中心としたシステムの有効活用が次の仕事です。MCFrameのメリットの1つとして、ソースコードが公開されているので、今後はキヤノンITソリューションズやB-EN-Gのサポートをいただきながら、社内の人間でも新たな開発案件に着手できるような経験やノウハウを蓄積していきたいと思っています」と話している。

システム概要図

システム概要図

パートナー紹介

キヤノンITソリューションズ株式会社

関与するシステムに関わるステークホルダの多さという点からシステム化設計・移行面で制約による課題の多いシステムであったと思います。制約の紐解きにはたらきつつも、さまざまな課題が発生し当初は相互に戸惑いがある中でのスタートとはなりました。
しかし、お客様のプロジェクトオーナー、関係各署の協力の元、会社全体最適を考えるという方向性をプロジェクトメンバー全員で共有する体制を構築され、推進できる環境づくりを実現頂きました。これがプロジェクトが円滑に推進された大きい要因であると考えます。

お客様側では

  • 課題懸案に対するオーナー以下のガバナンスと迅速な意思決定
  • 業務要件のシステム化プロセスにおけるPM以下全メンバーの高い情報リテラシー
  • プロジェクトメンバー以外の協力的な推進力

を発揮され当初計画通りのスケジュール導入に至っています。

短期で急成長された会社の力を垣間見たとともに、導入ベンダーとしても感謝しております。
今後、経営視点での原価管理システムの戦力化、さらなるシステム統合整備、ユーザ自身が使いこなせるシステムの実現に対して顧客目線でのご提案を継続しお客様ビジネスへ寄与していきたいと考えています。

キヤノンITソリューションズ株式会社 SIサービス事業本部 開発統括センター 産業開発センター 産業開発第一部 中嶋 研 氏

キヤノンITソリューションズ株式会社
SIサービス事業本部
開発統括センター
産業開発第一部
中嶋 研 氏

キヤノンITソリューションズ株式会社 SIサービス事業本部 開発統括センター 産業開発センター 産業開発第一部 吾郷 殖文 氏

キヤノンITソリューションズ株式会社
SIサービス事業本部
開発統括センター
産業開発センター
吾郷 殖文 氏

キヤノンITソリューションズ株式会社 SIサービス事業本部 開発統括センター 産業開発センター 産業開発第一部 畠山 敏英 氏

キヤノンITソリューションズ株式会社
SIサービス事業本部
開発統括センター
産業開発センター
産業開発第一部
畠山 敏英 氏

※部署名・役職名は、インタビュー当時のものです。

企業紹介

導入企業概要

日本食研ホールディングス株式会社

焼肉のたれや唐揚げ粉などの液体・粉体調味料やレトルト食品、ハム・ソーセージなど、プライベートブランド(PB)商品を含めて8700種類の商品の製造・販売、研究開発を事業として展開。調味料メーカーとして、おいしさはもちろん、食事を楽しむための商品を提供することで、日本だけでなく世界の食文化に貢献できる企業になることを目指している。

商号 日本食研ホールディングス株式会社
Nihon Shokken Holdings Co.,Ltd.
創業 1971年10月1日
設立 1973年2月13日
資本金 3億8,800万円
事業内容 ブレンド調味料(液体・粉体)および加工調理食品の販売、研究開発、持株会社としてのグループ戦略立案および各種事業会社の統括管理を事業として展開。

企業ウェブサイト

※本事例は2015年6月現在の内容です。
※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
※掲載企業様への直接のご連絡はご容赦ください。