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コラム

XA FrameManager編

第1回 『MCFrame XA のシステム基盤』

XA FrameManager編

皆さん、はじめまして。MCFrame XAの商品開発を担当している樋口・猪上です。

2009年1月よりMCFrameの新シリーズ「MCFrame XA 販売物流」が販売開始され、2010年には「MCFrame XA 生産管理」のリリースが控えており、お陰様で非常に多くのお客様からご注目を頂いております。

MCFrame XAは、J2EE(Java)アーキテクチャを採用したMCFrame iSeriesの後継製品でありますが、Java版のMCFrameとしてみれば3世代目になりました。Java版の特徴であった3層構造・リッチクライアントのコンセプトはそのままに、これまでの経験やノウハウを製品にフィードバックしながら改善・改良を重ね、かつ新しい技術も積極的に取り入れて、従来製品のアーキテクチャを全面的に見直した進化版がMCFrame XAです。

製品がJavaを採用していることで様々なメリットが得られ、プラットフォームが自由に選択できる、仕様が一企業にコントロールされない、スケーラビリティが高いなど、これまでにC/S版製品の導入を検討されるお客様に多かった要求に応えることができます。また、基幹業務システムに求められることの多い、グローバル対応、マルチカンパニー、SOAなどの機能を、XA FrameManagerの標準機能として実装し、更にJava EEフレームワークや開発ツールを機能強化して開発生産性を高めたことで、よりポテンシャルの高い製品に生まれ変わっています。

そこで本コラムでは、MCFrame XAの中核となる「XA FrameManager」について、できるだけ多くの方々に理解を深めて頂けるよう、これから数回にわたってご説明したいと思います。

MCFrame XAの構成

MCFrame XAは大きく3つに分類され、販売物流や生産管理などの「業務アプリケーション」、MCFrame XA専用の「開発ツール(XA FrameManager Developer)」、そしてそれら共通の土台となる「システム基盤(XA FrameManager Platform)」から構成されています。

XA FrameManager編

「業務アプリケーション」は、MCFrame XAのシステム基盤上に構築されたMCFrame XA 販売物流や生産管理などを指し、パッケージの標準機能で構成されます。MCFrame XA 販売物流の場合では、受注、引当、在庫、出荷、債権などの販売管理業務に必要となる業務機能を提供しています。「開発ツール(XA FrameManager Developer)」は、業務アプリケーションの新規開発あるいはMCFrame XA 販売物流・生産管理に新たな機能を追加開発する場合に利用するXA専用の開発ツールで、製品が提供する設計文書をもとにJavaプログラムを自動的に生成するツールと、業務アプリケーション開発作業全般を支援するツールからなります。

「システム基盤(XA FrameManager Platform)」は、業務アプリケーションと開発ツールそれぞれの土台としての役割を担うもので、次の3つの用途を目的とした機能を提供しています。

  1. アプリケーション実行環境:業務アプリケーションを動作させるために用意されたプログラム処理機構(図中の「実行基盤」が該当)
  2. アプリケーション開発用に用意された開発部品・雛形、アプリケーション構造・機能:業務アプリケーションを新規開発するときに利用可能な部品群(図中の「開発部品」、「開発フレームワーク」、「開発テンプレート」が該当)
  3. 業務運用に必要な共通機能:業務アプリケーション共通で利用するユーザ管理、権限管理、履歴管理、ログ管理などのシステム管理系機能(図中の「アプリ管理」が該当)

この図が示すように、ユーザが利用する業務アプリケーションの一機能(例えば、受注登録の画面)は、XA FrameManager Platformの複数の機能層で成り立っているのです。

XA FrameManager Platformの特長

XA FrameManager Platformには、次のような特長があります。

XA FrameManager編

Java採用によるメリットとしては、大規模システムで実績豊富なJ2EE(Java EE)アーキテクチャの高い信頼性、オープン技術であることによる将来性・可能性、アプリケーションの柔軟性・再利用性、トレンド技術採用によるIT部門担当者のモチベーション維持・向上などが挙げられますが、システム資産を長期利用できる安心感が得られる点が大きいと言えます。

MCFrame XAは、複数言語の表示を可能にするグローバル対応機能、同一システム上に複数法人の取り扱いを可能とするマルチカンパニー対応機能、WebService連携を容易に実現するSOA対応機能を、XA FrameManager Platformに標準実装したことが大きな特長です。これにより、XA FrameManager Platformの上に実装される業務アプリケーションには、それらと同様の機能を新規に実装する必要が無くなり、標準機能を使えば新規開発/カスタマイズ開発時にかかる設計・開発コストを大幅に低減できるようになります。

また、内部統制機能として求められるユーザ・パスワード管理、ロール(権限)管理、操作履歴管理などについても、XA FrameManager Platformの標準機能として実装されており、MCFrame XAの業務アプリケーション共通で利用可能となっています。リッチクライアントについては、MCFrame iSeriesに実装していた画面部品をベースに新たな部品・機能を追加し、更にユーザごとの画面表示を任意に変更できるパーソナライズ機能を実装したことで、視認性や操作性が大幅に強化されています。これもMCFrame XAの大きな特長であり、多くのお客様・パートナー企業様から高いご評価を頂いております。

システム開発者にとってのメリット

MCFrameの適用領域となるSCM系の基幹業務システムには「変化に対する柔軟性」と「現場業務への適応性」が必ず求められると言っても過言ではないと思います。これは、ERPなどのパッケージ製品には、お客様特有のSCM業務ノウハウをシステムに取り入れられることが必須の条件であることを意味しています。この要求を実現するためには、パッケージ製品がカスタマイズ開発・保守を容易にする構造や手段を予め用意していなければなりませんが、その条件を満たすことができるのは、フレームワーク構造のMCFrame XAであると私共は考えています。

フレームワーク構造のパッケージ製品は他にも幾つかあると思いますが、MCFrame XAには開発・保守を容易にし、高機能なフレームワーク構造を使いこなすための開発ツール(XA FrameManager Developer)が用意されています。XA FrameManager Developerには、フレームワーク構造を利用したアプリケーションの自動生成をはじめとした様々なツールが揃っています。このツールを利用すれば、構築の難易度が高くなりがちなJava 3階層システム開発の敷居を下げ、高い品質を維持しながら、お客様特有の業務ノウハウの開発に注力することができるようになります。

システムを導入されるお客様あるいはSIを担当される企業様のシステム開発担当者にとっては、次のようなメリットがあります。

XA FrameManager編

これらのメリットが得られることで、システムの初期構築の場面、稼働後のビジネス環境変化追随の場面において、短納期・高品質・低コスト・低リスクといった高い要求を満たしながら、お客様特有の業務ノウハウを十二分に取り込んだSCMのシステムを構築・導入することが可能になります。今回は、MCFrame XAの構成、特長、開発者のメリットについて概要をご説明しました。

次回からは、XA FrameManager Platformの内部構造を中心に、MCFrame XAの実行基盤や開発フレームワーク(DBコンテナ、Webサービス、etc)についてご説明したいと思います。それでは次回をお楽しみに。

第2回コラム『XA FrameManager Platformの実行基盤に続く

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樋口 亮平
樋口 亮平
プロダクト事業本部 コンサルティングサービス部 部長。 システム好きのプラントエンジニアが、インターネット黎明期のネットワーク技術に夢中になり、勢いでITの世界へ転身。これまでに、TRADEX、Oracle EBS、MCFrameなどのシステム導入プロジェクトに従事。最近はXA FrameManagerの伝道師になりつつある。
猪上太
猪上 太
新商品開発本部 商品開発本部 商品開発1部 システムスペシャリスト。malltalkがやりたくてBENG分社前のTECに入社して、MCFrame に触ってから早10年。今はJavaエンジニアですが、いつかは"Smalltalker"に戻る日を夢見て頑張ってます。 「健全なコードは健全な肉体に宿る」を信じて、毎日昼休みは会社の近所をジョギングしてます。