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コラム

安全教育における効果測定の方法

【第3回】安全教育にVR 教材を活用すれば 効果測定はより効率的になる

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※参考:【ebook版ダウンロード】安全教育における効果測定の方法

前回記事はこちら

VR 教材を活用するのも効果測定全般に有効です。たとえば反応レベルの場合、VR 教材なら受講者本人の反応をそのまま見られますし、遠隔でモニタリングすることも可能だと思います。一対一での安全教育にはメリットが大きいですね。

そして、特に学習レベルでの効果測定にVR 教材は適していると思います。例えば、途中でいくつかシナリオの分岐を求めて、正しい選択肢を選ばせる、間違った選択肢を選んだ場合は失敗のパターンとして危険な体験をさせる、ということも可能です。

また、本人の行動レベルがどうなっているのかもVR教材ならわかりやすいですね。VR 教材であれば現場にいなくても、受講者と安全管理者など評価する人の都合がよいタイミングで行動の評価をすることができます。本人の意識に入らないところでも、移動している時は危険物に手を出さなかった、という無意識まで確認できますから。うまく活用すればVR は効果測定の反応から行動レベルを網羅できると思います。

実機によるOJT は有効だがリスクも多い 実際に現場を再現できるVR に期待

安全教育の効果測定を続けていけば、やればやるほど学習のレベルがどんどん上がっていき、それに従って行動面も良くなっていくことが自分でわかるので自信がついていきます。どんなに危険に対して鈍感な人でも、訓練さえすれば危険を避けられるようになるのです。

そしてこれは、「配電盤のココを触ったらいけない、感電するよ」とか「配管バルブの開閉時に、こういう順番でやると自分に熱湯や薬液がかからないよ」と、そういう自分の会社の機械や道具を使って体験を積ませることで学習させ、行動を覚え込ませるというOJTがもっとも有効です。

しかし、実機を使ったOJT には人や機械を毀損してしまうというリスクがあります。またOJT ができるベテランの方は、多忙で教育にかけられる時間が限られていることも多いです。その意味では、実際の現場をベースにしたVR による擬似的なOJT ならリスクなく、学習と行動の間をシームレスに教育することが可能です。実写を活用したVR による安全教育は今後も拡大していくのではないでしょうか。

※参考:【ebook版ダウンロード】安全教育における効果測定の方法

安全教育は後戻りできない 効果測定とセットで継続することが大切

最初にお話したとおり、安全教育は学校の勉強とは違い後戻りできません。不注意で指を失ってしまえば、会社にとっては「損失」でも、本人にとっては損得で計算できることではなく、その先の一生を指がないまま過ごさなくてはならない。

この重大さに経営者や安全教育の担当者はしっかりと目を向けるべきでしょう。何よりも大切な人体や人命を損なうことのないよう、安全教育は効果測定とセットで、すべての企業が真剣に継続し続けてほしいと願っています。

野間 義広
野間 義広
CSP労働安全コンサルタント(化−第591号) 製造業や建設業における危険有害作業経験と安全衛生管理経験を併せ持ち、リアルな歯に衣着せぬコンサルティングで国内外の多方面から信頼を得ている安全衛生専門家。ファインケミカル、バイオテック、救急救命を得意とし、安全診断、安全衛生教育講師、化学物質管理支援、労働安全衛生マネジメントシステム構築、VR教育など多岐にわたり活動中。 登録:作業環境管理専門家。産業保健法務主任者。ISO45001審査員補。第一種衛生管理者。