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コラム

3分で紐解く!設計と製造を繋ぐプロセスの作り方

第1回:個別受注生産で「ハイブリッド生産方式」を採用するメリットとは?

経済産業省の『ものづくり白書』やものづくりに関わる記事などで、日本のモノづくり強化に重要な要素として「設計製造連携」や「サプライチェーンとエンジニアリングチェーンの連携」等の言葉を目にすることが増えてきました。しかし、重要性はわかっているものの何から始めたらよいのか迷う声も多く、そもそも何が課題なのか、から紐解く必要があります。

そこで、モノづくり強化に向けて何をすべきかを、特に、課題が多いとされる個別受注生産に焦点を当てて、30年にわたり1,000社以上の製造業様にソリューション提案を続けてきた経験から、エピソードも交えて解説していこうと思います。皆様の気づきや理解に繋がれば幸いです。

短納期化がメーカ選定の鍵

モノづくり企業では、QCD全ての底上げを目標にしていますが、トレードオフ関係にある3指標を万遍なく向上させるのは至難の業と言えます。3つのうち、どれを一番重視すべきなのか?自社製品やマーケット、競合の状況で各社それぞれ事情は異なるものの、まず筆者の印象に残るエピソードからご紹介します。

とある購買課長から「メーカ決定で最も大事なのは適時性だよ」と、続け様に「今どき品質担保は当たり前だし、見合わぬ高コストなら代替企業に依頼できるから何も困らない。だけど短納期だけは代替が効かないんだよね。」と言われ、経験が浅かった当時の私は、「ふーん、そうなんだ」と軽く聞き流してしまっていました。後日、売り手・買い手どちらの立場に立っても大変重要なキーワードだったと、気づくことになる訳ですが・・・。

短納期対応は組織力が高いからこそ実現可能であり、総合力の証明だと言えます。この容易に真似のできない競争力の源泉である『短納期化』を今回のテーマに取り上げてみます。

個別受注生産の難しさ

量産企業はプロセス標準化によって総合力を発揮しやすい(短納期化に取り組みやすい)土壌が整っていますが、一方の個別受注企業は事情が全く異なります。

  • 案件毎に異なる要求仕様への対応が必要
  • 仕様未確定での先行着手が、プロセスを混沌とさせる
  • 要求仕様の高度化、プロセス複雑化により情報量が爆発的に増加
業務特性がいくつでも思い浮かびます。短納期化と標準化は切っても切れぬ関係、わかってはいるが・・・その標準化が何とも難しい。

生産方式の変更によって短納期化は実現するか?

個別受注生産では一般に製番管理方式によるモノづくりが浸透しています。製番と量産(MRP)の“良いとこどり”であるハイブリッド生産へシフトすることで、どこまで効率化(コスト効率・時間効率)を追求できるのかが気になるところです。
一旦、ハイブリッド生産への転換ステップを棚上げし、転換後の期待効果をリードタイム(以下、LT)別に整理してみます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
『納期』、『短納期化』を下記とします。
納期:設計LT・調達LT・製造LT・物流LTの総和
短納期化:(顧客目線で)発注から着荷までの総時間を短縮すること
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
▼設計LT
ハイブリッド生産方式を採用しても、新規品の設計LTには何ら好影響を与えません。
新規品は、短くても数日~週単位での出図待ちを発生させます。お客様要求を無視するわけにもいかず、製品性能(機能性、安全性、保守性など)を落とすわけにもいかず。多くの個別受注生産企業では設計者の頑張りによって納期遵守のハードルを乗り越えています。

▼調達LT
共通ユニット・部品・部材は、MRPによって常に適正数をストアに在庫しますから、調達LT:0日で、製品組立に着手できるようになります。従って、その運用が回っているなら、共通品に関する調達LTは確実に短期化しています。しかし、新規品については従前の期間を要します。

▼製造LT
標準品の計画生産によって負荷平準化、習熟化が進み生産性指標が向上します。
製造LT自体はもともと納期に大きなインパクトを与えておらず、部品が無くて組立できない、設計ミスで組立たないなど、他部門の影響のしわ寄せを喰うケースが多いように見受けられます。

▼物流LT
方式転換による大きな効果を享受できない領域と考えます。

fig1-1

終わりに

ハイブリッド生産方式転換後は、標準化(プロセス、部品、ユニット)を前提に、主に調達LTに時短効果が表れます。しかし、その効果を限定的と感じた方も多いのではないでしょうか。理由は単純明快、個別受注生産の要である設計LTに効果がないように読み取れたからだと思います。

次回コラムでは、方式転換と設計LTは関係がないのか?方式転換が設計LTに与える影響についてお話ししてみたいと思います。

「第2回:ハイブリッド生産方式への転換前にすべきこと」に続く

第4次産業革命の本質を踏み外すな、成果を得るにはまず設計と製造の壁を破れ
若林 賢
若林 賢
ビジネスエンジニアリング株式会社 デジタルソリューション推進部 副部長
2019年にB-EN-G入社。製造業一筋30年。20代はCADエンジニアとして活動、その後、部品表やBOMに関する知識を活かし設計・生産管理システムの導入コンサルを経験。現在は、mcframe PLMのお客様提案、セミナー講師などプロモーションを中心に精力的に活動中。経営と現場・設計と製造など、簡単には交わらない関係を繋ぐことに喜びとやりがいを感じている。