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ものづくりIoTコラム

第2回 ITで業務を変えるはじめの一歩

ものづくりIoTコラム

IoTという言葉がまだ生まれる前、2011年から「正しい数値を収集し、正しい比較をして、成果を出すこと」にこだわって設備稼働率と不良率を大幅に減少させた、旭テックアルミニウム株式会社の実例を今回はご紹介したいと思います。

なぜ今回のコラムを書かせて頂こうと思ったかと言えば、IoTに関して捉えた記事や雑誌にもインターネット上にも数多くあるものの、IoTの「具体的な」効果や苦労が伝わってくるものが少なく、抽象的な上っ面の内容が多い中で、実際に現場のIT化を行った実例をお伝えしたいと思ったからです。

ですので、このコラムに書かれている内容は、全て我々が実際に行ったことばかりで、可能な限りお客様にお願いして実際のデータや現場の写真を掲載するように、そしてその時何を思っていたか、本当のところどうなのかなど、リアルな雰囲気を感じて頂きたいと思っています。

ITで業務を変える、はじめの一歩

冒頭にご紹介した旭テックアルミニウム株式会社(当時は旭テック株式会社・横地工場)は、2011年春、「近年加速度的に進化しているITを活用し、業務の改革する」というトップダウンの号令が下り、そのプロジェクト実施のために当社にお声が掛かりました。

トップダウンにありがちですが、かなりコンセプチュアルな号令で、さあどこから手を付けようか・・・というのが当時の社内メンバーの方の本音だったと聞いています。予算、目標、方法・・・・悩みは尽きません。そのプロジェクト発足後しばらくして、当社が参加し、一番初めに議論をしたのが、今さらながら「何を目指すのか?ゴールをどこにするのか?」の目線合わせでした。実際にこのプロジェクトの総責任者をされた、当時の製造部長・工場長 佐野氏のインタビューを中心に振り返っていきましょう。

 

実際のユーザーの目線から・・・ image_02-1.png

働き方改革プロジェクトが社内で組成され、いざ何から手を付けようかとメンバーで悩んでいました。ペーパレス・内線のIP化・フリーアドレス…など、どれも大事ですし、効果がありそうですが、何か物足りない感じを抱き、悩んでいた時にReMさんが参加してきました。

メンバー内の議論が一旦発散した時に、ReMさんから「もっとシンプルに考えて、会社の収益力を強くするために道具(IT)を使いませんか?間接部門も大事ですが、心臓を狙ってみては?」と言われ、皆がそれならば製造部門だ、なにせうちは製造業だから「製造+IT」で業務改革をするんだと、一気に意見集約していったことを思いだします。未知への不安もあって、気付かないうちにスケールが小さくなっていたのかもしれませんね。

当社はアルミの鋳物の製造を行っています。鋳物は金型をダイカストマシンという設備に載せて、そこにアルミなどを高圧で注入するのですが、工場操業開始から20年以上経っており、設備トラブルが悩みの種でした。設備トラブルが発生すると生産できなくなるだけでなく、再稼働の際に温度=品質が安定するまで「捨て打ち」という無駄なショットをしなければならず(すべて不良品扱いになる)、トラブルは稼働率にも不良率にも悪影響を及ぼしているのです。この真因=設備トラブルをITの力で低減させるというのが、このプロジェクトの目標になりました。

当然、ISOも取得し、毎日の設備点検も行われていた同社ですが、設備点検を例に調べていくと、その点検データは、どちらかというと「いざという時」に確認をするという事後確認的な使われ方になっていることが改めて判りましたが、“やはりそうか”という感想でした。

設備トラブルを低減させるためには、これまでの事後確認=死亡診断書でなく、リアルタイムに近い形で変化を把握する「健康診断書」の使い方をする。そのためには、従来の○×のチェックではなく、数値で記入しなければ、数値変動や変化点管理が出来ないよね・・・というように具体的な要件が確定していきました。徐々にプロジェクトが、議論から作業へと徐々にフェイズが変わっていきましたね。(佐野氏)

 

第3回コラム『業務のIT化で得られた成果とは?』に続く

第1回目から読む場合はこちら

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安東 恭二 氏
安東 恭二 氏
株式会社ReM 代表取締役 株式会社エイ・ジー・エスコンサルティング、ピーシーデポコーポレーション等を経て、2007年株式会社ReMを設立。顧客からのフィードバックを織り込んだ「本当に使える」ITと現場を融合させた業務改善サービスを提供している。 「格好良さ・目新しい機能のような味の濃い改善ツールではなく、十年使っても飽きないコメのような改善手法」を顧客と一緒に考えるのが得意分野。 http://www.re-m.jp/