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コラム

3分で紐解く!設計と製造を繋ぐプロセスの作り方

第4回:似て非なる2つのBOM・・・E-BOMとM-BOMの違いとは

E-BOMとM-BOMが連携しないのは貴社だけではない!

“設計と製造をつなぐ”を、共通コンセプトに掲げるシリーズコラムとして、1度は触れておくべき古くて新しい論点、今回は、E-BOMとM-BOMに纏わる話をいたします。

多くの受注生産企業が共通で抱える課題の一つに、『E-BOMとM-BOMの連携』があります。30年前から現在に至るまで、変わらず存在する息の長い課題です。
異なるBOMを繋ぐことで問題が発生するのなら、統合すれば良いと考えたり、そもそも繋がらないのだからExcel管理で良いと妥協してみたり・・・。
様々な事業規模のお客様から話を伺いましたが、ここに課題のないお客様に出会ったことがありません。

違いは、どこから来るのか?

『E-BOMとM-BOMの違いは、どこからくるのか?』その理由をいくつか挙げてみます。

  • 主幹部門の違い
    E-BOMは、設計者が3DCADのアッセンブリ情報を利用して作成します。機能単位にグルーピング・階層化することで、CADモデルの扱いにも考慮した構造になっています。
    一方のM-BOMは、生産技術部がDMU(Digital Mock-Up)やExcelを使い、生産工程に準じてE-BOMを再構成して作成しています。
  • 管理対象の違い
    E-BOMでは、構成要素として品目だけを扱います。
    CADモデルとして表現しない品目、例えば材料、副資材、補助材などを構成要素として扱うことはありません。
    一方のM-BOMは、E-BOM品目に加えて部材、副資材や補助材を、また、品目以外(ロケーション・工程・リソース)をBOP要素として扱う必要があります。
  • 管理属性の違い
    E-BOMでは、図面に記載していた部品表や注記情報を、管理属性として扱います。
    一方のM-BOMは、E-BOM属性に加えて、場所(工場やライン)属性、調達属性、加工属性、購買属性、リソース属性などなど、多くを追加管理する必要が出てきます。さらに、例えば『ねじの員数』などは、種類毎に数量をまとめて表記するなど、属性値の書き換えが必要になるケースも発生します。
  • 階層レベルの違い
    E-BOMを基準にM-BOMを再構成する場合、E-BOMでは末端として扱う部品の下位レベルに材料を表現するため、E-BOMと比べ階層が深くなります。
    また、E-BOMでは1つのアッセンブリとして扱う品目を、製造都合で中間組立の指示をしなくてはならないケースがあります。その場合、アッセンブリを親子に分離しなくてはならず、結果的に上位階層が増えることでBOM階層が1レベル深くなります。工程仕掛品を在庫管理したいようなケースも同様です。
  • 設計変更・バージョン管理の違い
    E-BOMは、常に最新バージョン(構成・品目)が正であるとの思想を持ち、旧バージョンは参照専用の履歴データとして扱います。
    一方のM-BOMは、常に最新バージョンが正との考えはなく、有効開始日から終了日の期間内か否かで正データを決定する思想を持っています。
    ※期間の考え方が必要な業務例:在庫使い切り(ランニングチェンジ)、治工具更新時期など
様々な観点で、『E-BOMとM-BOMの違いは、どこからくるのか?』の理由を挙げてみました。BOMは、エンタープライズシステムのマスタデータであり、アプリ(ツール)データのインデックスでもあります。仕事を円滑に進めるために、各部門の都合で作成されるため、このような違いが出るのも当然と言えます。

BOM連携の課題解消に向けて

前節の理由を受け、E-BOMとM-BOMは様々な理由から”似て非なるものだ”と受け入れてしまえば、「統合できないものを統合しよう」との発想から、「異なるデータを如何にして繋げるか?」へと、解決への発想を手段に向かわすことができます。
少々、製品PR色が出てしまいますが、ここで弊社製品によるE-BOM⇔M-BOM連携の実現例をご紹介します。

この図は、弊社製品、mcframe PLMとmcframe 7での解決例を示したものです。

  • エンジニアリングチェーン内のE-BOM⇔M-BOM連携(Bridge)
    シームレスな相互連携のために、E-BOMとM-BOMはmcframe PLM(共通基盤)で一元管理する。それにより、設計変更の影響範囲可視化や自動適用など、統合BOMならではの便益を享受できる。
  • エンジニアリングチェーンとサプライチェーンのM-BOM⇔M-BOM連携(Link)
    この領域は、相互・疎結合(第3回コラム参照)での連携を選択すべきと考える。
    mcframe PLMとmcframe 7の連携には、PLM-Link(パッケージ標準:SOA連携インターフェース)を利用できる。相互干渉の極小化とシームレス連携のためにデザインされたファミリー連携をシステム導入直後から利用可能。

終わりに

BOM連携をはじめ、様々なシステムを連携することは、デジタルスレッドによる“デジタルワイガヤ”の実現、言い換えれば、DX実現に欠くことのできない必須要件になっています。

fig4-2
mcframeファミリー製品は、図のような製品群でお客様業務を面でカバーしています。各製品は、Linkコンセプトで相互接続可能なように、またファミリー製品以外とも相互接続可能なようにデザインされています。詳しい説明は、本サイト上段の「お問い合わせ」「資料請求」をご利用下さい。

次回は五月雨手配を上手に流すための工夫についてお話します。

「第5回:五月雨手配を上手に流すための工夫」に続く

https://info.mcframe.com/078
若林 賢
若林 賢
ビジネスエンジニアリング株式会社 デジタルソリューション推進部 副部長
2019年にB-EN-G入社。製造業一筋30年。20代はCADエンジニアとして活動、その後、部品表やBOMに関する知識を活かし設計・生産管理システムの導入コンサルを経験。現在は、mcframe PLMのお客様提案、セミナー講師などプロモーションを中心に精力的に活動中。経営と現場・設計と製造など、簡単には交わらない関係を繋ぐことに喜びとやりがいを感じている。