【業務のVR活用例】外国人労働者と日本人指導者を映像と多言語対応でつなぐVR-learning
本活用例のポイント
- マニュアルの翻訳を依頼するとコストがかかる上に、期待通りの内容かどうかが分からない
- 文化的な差異を踏まえたマニュアルの編集は内製が難しい
- 指導担当者が各拠点へ出向くことは、コストも時間もかかって現実的ではない
当社のmcframe MOTION VR-learning(以下、VR-learning)による業務課題解決ユースケースを紹介する本コラム。今回は、増え続ける外国人労働者に対する研修・教育に、VR教材がどのように役立つかを解説します。VR-learningの機能を生かすことで、言語のみならず文化的な差異、そしてときには地理的な壁まで越えた、効率的な研修・教育が可能になるのです。
増加中の外国人労働者、言語と文化の壁をどう乗り越えるか
労働人口が減少し続ける日本では、多くの企業が人材不足に直面しています。そして不足する人材を補うべく、外国人労働者を雇い入れる企業が増えてきました。今や建設・土木や製造・物流、サービス業などさまざまな現場で、外国人労働者が欠かせない存在となっています。
ただ、外国人労働者の中には、日本語があまり得意でない人たちも少なくありません。日本語の習熟度は人によって異なり、例えば挨拶や日常会話、簡単な読み書き程度は可能であっても、仕事に関する込み入った内容の話となると理解しづらいことがあります。そのため、作業内容を指導する日本人従業員は、スムーズな指示出しが難しかったり、内容がきちんと伝わっているか不安になったりするなどの困難に直面しがちです。
また、生まれ育った環境や文化などの違いによって、いわゆる「マナー」が多くの日本人とは異なる場合もあります。日本語で書かれた業務マニュアルをそのまま翻訳しても、期待した通りに理解してもらえないこともあるでしょう。翻訳を社外に依頼する場合は費用が発生する上に、翻訳者が自社の業務を完璧に理解して内容に反映してくれるとは限らないなどの懸念もあります。
同様の課題は、海外に進出した企業が現地で人材を雇用する場合にも当てはまります。企業が取れる対策としては、文化的な差異を踏まえて橋渡し可能な通訳者を数多く取り入れること、単にマニュアルを翻訳するだけでなく文化の違いまで反映することなどが考えられます。
可能な限り時間をかけて相互理解を深めていきたいところですが、多くの国は日本より人材が流動的で、せっかく育成した人材が他社へ転職してしまうリスクも少なくありません。採用した外国人労働者に対しては、作業内容をより迅速かつ適切に理解可能な働きやすい環境を提供する必要があるでしょう。
「VR映像で的確に伝わる」、「多言語対応」のVR-learning
VR-learningは、外国人労働者を迅速に戦力にする際にも効果を発揮します。
実際の現場などで撮影した、臨場感あふれる360度映像をそのままVR教材にできるため、言葉や文章より的確に、必要な内容を伝えることが可能です。作業そのものの内容はもちろん、教材の作り方次第では周辺環境まで見せることができるため、作業時に留意すべき点なども同時に指示できます。言語や文化の壁を乗り越える上で、VRが大いに役立つのです。
加えてVR-learningでは、教材編集の画面において、日本語のみならず英語や中国語(繁体、簡体)など多言語に対応しています。さらに、制作したコンテンツ内では、その他の言語のテキストも扱うことが可能です。例えば、日本人従業員が日本語で制作したVR教材を基に、多彩な言語に対応した教材を制作するといった使い方が考えられます。
言語の差し替えも簡単です。VR-learningは、テキストをエクスポート/インポートする機能を備えており、エクスポートした日本語テキストを差し替え対象の言語に翻訳してインポートするだけで完了します。
VR-learningによって、企業は言語の障壁を容易に乗り越えられるようになるほか、採用経験がない言語を用いる外国人労働者にも簡単に対応できるようになります。
視聴環境にも多彩な選択肢、地理的な障壁も越えられる
VR-learningで制作したVR教材は、場所を問わず視聴できます。教材を登録したVRゴーグルを送って従業員に視聴してもらうこともできますし、ストリーミング機能を使って配信すればPCブラウザでリモート視聴も可能です。
日本国内に複数の事業拠点がある企業や、海外拠点を持つ企業では、指導担当者が各地に出張するなどの負担が避けられませんが、VR教材を用いることで、交通費の節減や業務効率の向上につなげられるはずです。
VR教材を配信することで、例えば新たな指導内容を各事業拠点に迅速に展開することも可能となり、業務品質を揃えやすくなります。また、遠隔地で新たに採用した従業員にVR教材を視聴してもらうことで、戦力を迅速に育てることも可能になるでしょう。採用が決まったばかりで業務未経験の従業員に対しては、リアリティの高いVR教材は特に教育効果が期待できます。
業務のVR活用例 記事一覧
- 労災事故をリアルに再現して危機意識向上
- 参加者の能動的な体験を促す危険予知訓練(KYT)が可能に
- 作業標準書への活用で、標準作業の習得、非定常作業にも対応できる人材を育成
- 新人教育や安全教育に活用し、手順書より優れた効果を発揮
- 熟練作業者の手順と視線を可視化。技能伝承にも活用
- 危険疑似体験のVR教材を制作して従業員の危険回避能力を向上
- 安全を担保する作業マニュアルをVRで自社制作して効率的な安全教育を実現
- 教育機関での現場実習の補助教材をVRで作成 現場の雰囲気や留意事項を先取り
- 職場見学へのVR活用で労働力確保と求職者とのミスマッチ防止に貢献
- 業務にまつわる技能資格などのVR教材を内製化 学習効率を高めて合格率アップ
- 実務に直結する技能講習や資格試験の内容をVR教材で予習 効率的な学習が可能に